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「暴力団の闇」というと、なんともセンセーショナルな響きがあるが、真相はそうではなく単純に芸能人とプライバシーの問題という場合も

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「暴力団の闇」というと、なんともセンセーショナルな響きがあるが、真相はそうではなく単純に芸能人とプライバシーの問題という場合も

「暴力団の闇」というと、なんともセンセーショナルな響きがあるが、真相はそうではなく単純に芸能人とプライバシーの問題という場合もあるから注意が必要です。たとえば、杉浦太陽さんをめぐる報道にもそれがあった。みなさんはどう考えますか。

暴力団を取りざたした記事が時節柄多いが、今度は杉浦太陽が暴力団員に脅されていたという裁判です。

マスコミはそれをもって「暴力団の闇」と表現しています。

しかし、いくら暴力団が話題になっているからといって、何でもかんでも「暴力団の闇」という結論にしてしまうのはいかがなものでしょうか。

それは、センセーショナリズムに依存する思考停止といえやしないでしょうか。

思考停止は、マスコミとしては怠慢の誹りを免れません。

世間の、暴力団に対するイメージにも依存していますね。

電話や街宣車で嫌がらせを受けていた実態

いずれにしても、まず記事を引用しよう。

暴力団から嫌がらせ2年 杉浦太陽さんの苦悩
産経新聞 10月22日(土)18時26分配信
 【法廷から】アイドルグループ「モーニング娘。」元メンバー、辻希美さん(24)を妻とし、2児に恵まれた“すてきなパパ”は、笑顔の陰で暴力団対応に2年間悩み続けていた-。俳優・杉浦太陽さん(30)の「父親に会わせろ」などと言って杉浦さんの所属芸能事務所のガラスを割ったとして、器物損壊罪に問われた指定暴力団山口組系組員の男性被告(57)の初公判が18日、東京地裁で開かれた。法廷では、事務所が事件前から電話や街宣車で嫌がらせを受けていた実態が明らかにされた。(時吉達也)

 起訴状などによると、被告は今年8月23日午後、杉浦さんの所属事務所を訪れ、社長に杉浦さんの父親の所在を教えるよう執拗(しつよう)に要求。事務所の通報を受け駆けつけた警視庁赤坂署員に任意同行された。今後直接交渉はせず、弁護士を通すことを約束したが、同日夕方に再訪し、ガラス戸を室内の椅子でたたいて割ったとされる。公判の冒頭、「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は、自分が出入りしていた暴力団の組長が杉浦さんの父親に貸した金の取り立てをしようと、平成21年10月以降、電話や手紙で事務所に父親の所在を教えるよう要求していたという。

 行為は次第にエスカレートし、電話は「1日に14~15回、無視した分を含めればそれ以上」繰り返された。22年5月ごろからは街宣車が事務所の前に止まり、杉浦さんの誹謗(ひぼう)中傷を繰り返すようになった。事件当日は犯行前にも、室内の棚の荷物を振り落としたり、事務所社長に椅子を投げつけるしぐさを見せたりして威嚇したという。(中略)

 検察側は論告で、「身勝手な犯行で、再犯の可能性も高い」として懲役1年を求刑。弁護側は「犯行自体は反省している」として執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は26日に言い渡される。

 閉廷後、被告弁護人は取材に対し「父親は芸能界とのつながりを強調し、相当額の借金をして姿を消したと聞いている。こちらも被害者としての側面がある」と強調した。記録上の被害は、1枚のガラスが割れただけの事件。その破片から透けてみえる暴力団の闇は、深い。
産経新聞 10月22日(土)18時26分配信

ということです。

事件には、父親の借金取立てを口実に芸能人や芸能事務所に食い込む、という意図がないとはいえないし、組員による攻撃ということ自体に杉浦側が恐怖を感じたことはあったかもしれません。

しかし、そうであっても「暴力団の闇」とまとめるのは大げさではないでしょうか。

いつも暴力団がらみというわけではないのに

本来は分があることなのに、交渉が感情的になり、エスカレートして加害者になってしまった、という事件はいくらでもあります。

それがいつも暴力団がらみというわけではありません。

この事件は「闇」云々というよりも、タレントとプライバシーという面で捉えたほうが興味深いでしょう。

通常、タレントの家族というだけで、プライバシーを明らかにされることの是非という問題があります。

以前、『週刊文春』が、田中真紀子さんという公人の娘の結婚問題を取り上げて「出版差し止め」問題が起こり、公人の血縁者のプライバシーと表現の自由についてずいぶん議論されました。

つまり、「有名人の血縁者というだけでプライバシーを明かされてもいいのか」という話です。

今回は、杉浦太陽さん自身の問題ではなく、杉浦太陽さんの父親のトラブルに杉浦太陽さんの名前が出てしまった。

すなわち、「有名人だからといって、血縁者のトラブルで名前が出てしまうのはやむなしなのか」という話でしょう。

たとえば、ジャニーズタレントの城島茂さんは、今もネットを検索すると、父親が盗難手形詐欺事件で服役していたことに言及するサイトがあります。

父親といえども別人格であり、父親の事件で城島茂さんの名前を出すのは城島茂さんに気の毒だという意見もあります。

しかし、イメージダウンかどうかは受け止める者の問題で、父親が罪を犯したことは事実であるなら、それも含めて芸能人としてのキャラクターは存在する、という意見もあります。

このへん、意見は分かれそうですが、あなたなら、どう考えますか。

以上、「暴力団の闇」というと、なんともセンセーショナルな響きがあるが、真相はそうではなく単純に芸能人とプライバシーの問題という場合も、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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