伝説となりつつある四代目の考え方や人柄

暴力団排除条例施行関連の話題は尽きることがない。今週の『週刊ポスト』(10月28日号)では、今年の紅白歌合戦出場者予想と、竹中正久・四代目山口組組長ら射殺事件について溝口敦氏が振り返っている記事が目を引く。
今年の紅白歌合戦出場者を大胆予想 演歌歌手の数は8割減少 NEWS ポストセブン 10月20日(木)7時5分配信

10月1日の暴力団排除条例の完全施行により、NHKは紅白歌合戦に出場する歌手の人選に慎重になっている。そこで、本誌は今年の紅白出場歌手リストを予想してみた。これまでの出場歴や今年のヒットチャートの動向、複数のNHK関係者の証言、過去の暴力団交際報道、そして本誌が1か月にわたって報じてきた「丸の内特捜班」の捜査情報から、人気と実力に加えて“安全・安心”と思われる歌手やグループを選んだ。

これまでの紅白の顔ぶれとはガラリと変わる、衝撃的な結果がでた。過去5年の紅白と比較すると、出場者に占める演歌歌手の割合は8割ダウン、平均年齢が15歳近くも若返るという異様な光景だ。

目玉の一つはジャニーズタレントの大量出演。日ごろから露出が多く、かつ暴力団と無関係なジャニーズ事務所は安全で安心な出場者になるという見方は複数の媒体にある。

たとえば『日刊ゲンダイ』(9月7日付)では、今年の『紅白』は放送時間が歴代最長タイの4時間25分と決まったが、暴力団排除条例にひっかかるかもしれない演歌歌手など一部の芸能人の出場を見合わせなければならないことから、いきおい、暴力団との付き合いがないジャニーズ事務所のタレントなら安全だからより多くのタレントを抑えてしまおう、ということで、ジャニーズ事務所の出場者を増やす計画があるとする。

「もうひとつの目玉企画は“ジャニーズ祭り”。昨年は常連の『SMAP』『TOKIO』に加えて『嵐』『NYCboys』の2組が出場。“21年ぶりの大量参戦”と騒がれたが、今年はさらに増えそうだ。
『ジャニーズ事務所が暴力団と無縁というのが理由。Kis-My-Ft2、Hey!Sey!JUMP、KAT-TUNなどが初出場しそうです』」(芸能プロ)

『週刊ポスト』では、関ジャニ∞を予想していたが、『日刊ゲンダイ』ではKAT-TUNとKis-My-Ft2を予想している。

ただ、いずれにしても、関心の的は、「誰が出るか」よりも「誰が出られないか」ではないだろうか。

溝口敦氏の竹中正久四代目射殺については、改めて伝説となりつつある四代目の考え方や人柄が書かれている。

「直情径行型だが、合理的な考えをし、えこひいきがない」
「(一和会に対しては)断絶などとこと改めて言わず、成り行きに任せればいい」
「(護衛がいらないのは)なんごとも寿命や。弾丸が入って死なん奴もいるし、餅を食って死ぬ奴もいる。生き死には寿命や」

一方の山本広一和会会長は、「あさっての広ちゃん」といわれるほど優柔不断と書かれている。
一和会の会長には、加茂田重政組長ら武闘派や経済ヤクザといわれるベテランに担ぎ上げられたもの。

つまり、山一抗争は竹中ー山広の私怨私闘ではなく、安原政雄・山本健一VS松本一美・地道行雄から続く山口組の派閥対立が原点にあったと改めて振り返ることができる。

山口組四代目 荒らぶる獅子 (講談社プラスアルファ文庫)

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  • 作者: 溝口 敦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/02/18
  • メディア: 文庫