叶恭子の妹は、今後どう生きていく

叶恭子など叶姉妹が所有していたダイヤモンドの指輪やドレス、高級家財道具などを着服したとして、警視庁赤坂署が横領の疑いで、叶恭子の実妹を東京地検に書類送検していたと報じられた。
被害額は計約2億4600万円相当というから、告訴もやむをえないのか。しかし、妹は横領したとされる物を倉庫に保管して「使っていいよ」と言われたと主張している。ということは、全部でなくとも一部は残っているのだろうか。
もちろん、叶恭子というタレントのあり方を考えれば、「私は2億円も装飾品を持っていかれたのよ」という宣伝の意図も可能性としてないわけではないが、意図や自覚がどうあれ、横領が事実なら事件として成立するし、虚実ない交ぜの芸能人の考えていることはわからないので、叶恭子の告訴の動機はここでは詮索しないでおこう。

ただ、事件を額面どおり「親族間の事件」と受け止めると、一般論として2つの点で気になることがある。

ひとつは告訴の意義だ。盗られた、告訴する。当たり前のようだが、いくら警察に捕まえてもらっても、改めて民事裁判でも起こさない限り、被害者にとっては利益はない。なぜなら、犯人が逮捕されて実刑でも食らえば、盗られたものを弁償してもらうことはできない。それよりも、犯人の身柄の自由を約束し、「きちんと弁償してもらえば警察は勘弁しよう」という取引でもしたほうがいい。

大企業で使い込みが発覚すると、金額にもよるがそう話をつける場合がある。警察沙汰にすることで、逆にその企業の信用が落ちるかもしれないし、告訴することで横領者に逆恨みされることもある。

今回は書類送検だそうだが、刑事事件にしたシコリは残るだろう。叶恭子はそういうチャンスを妹に提案したのだろうか。

もちろん、横領者が弁償できるかどうか、という問題はあるが。弁償できるような人間なら最初から横領などしない、横領する人間は弁済などむずかしい、という用心は必要だろう。

もうひとつは、肉親が犯人という点だ。さすがに金額からいって親族相盗例(家庭内の窃盗事件は家庭で解決してもらう)というわけにはいかなかったのだろうが、心情的に肉親を犯罪者にできるのか、という問題がある。

肉親を逮捕させた事件で思い出されるのは、萬屋吉之亮という芸名で俳優だった四男を逮捕させた淡路恵子だ。

芸名の通り、四男は時代劇の大御所だった萬屋錦之介の子どもだが、俳優として芽が出ず、淡路の留守宅で金品を物色中に逮捕。親族相盗例の原則から処分保留とされたが、淡路が厳罰を求めて告訴したため、実刑判決を受けた。

淡路恵子は、仕事もなく荒れた息子について自分の存在が甘えの原因と気づき、その前年には弁護士立ち会いで親子の縁を切る念書も書かせていたという。

もう少し若ければ、突き放すだけでなく親子として話し合って……、などという見方もできるが、何せ四男は当時31歳だ。いくら淡路の育て方が甘かったとしても、自分で自分の人生に責任を持たねばならない年齢である。

しかし、その厳しさは結局その後の人生に生かされなかったのか、四男は37歳で自殺してしまった。

叶恭子の妹は、今後恭子との関係を含めてどう生きていくのだろうか。

芸能人「タブー流出」スキャンダル大全 (ミリオンムック 54 エンタメシリーズ)

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  • 出版社/メーカー: 大洋図書
  • 発売日: 2010/05/31
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