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血液型相性判断はバラエティ番組や雑誌や朝の情報番組で馴染み深くさせられていますが血液型で人間の相性はわかりません

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血液型相性判断は客観性も再現性も実証も追試もされない疑似科学、血液型相性判断はバラエティ番組や雑誌や朝の情報番組で馴染み深くさせられていますが血液型で人間の相性はわかりません

血液型相性判断は、バラエティ番組や雑誌のコーナーで特集が組まれたり、朝の情報番組で血液型占いが放送されたりと、日本人にとって馴染み深くさせられています。そこで、好きな人の性格を、つい血液型別性格から調べた経験もあるのではないでしょうか?

根拠がない上に差別の温床にもなっている

離婚も絶好を未然に防げない件

血液型で、恋愛や友情や商談の相性を調べるというのが血液型性格判断。

しかし、血液型で相性がわかるのなら、離婚も絶交もないはずですが、信じる人たちには通用しないらしい。

信じる人々は、人間関係で失敗する人々は、血液型による相性を知らなかったから、齟齬を未然に防げなかったというのです。

では改めて問いましょう。

血液型というのは、相性を明らかにできる合理的な根拠でもあるのですか。

改めて、血液型とはなんだ

血液型は、1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー博士によって発見されました。

血液型というのは、血球と血清の凝集反応をもとにして、血液を分類した型です。

ABO式、Rh式のほか、いくつかの分類方式があります。

それ以上でも以下でもありません。

血液型は骨髄移植でも変わります。

アメリカ・ハーバード大などの国際研究チームが、AとB、AB型の赤血球を、O型の赤血球に変えることのできる酵素を開発したというのは、前回の『血液型性格判断で手っ取り早く人間評価の根拠を求める疑似科学』でも触れました。

血液型は、医学的には輸血や遺伝などで意味のあるものですが、人間の内面を分類するものではありません。

ましてや、相性どうのこうのという論文など見たことありません。

ところが、これが信憑性を以て信じられているのは、血液型診断は「占い」や「言い伝え」ではなく、「科学」が関与しているものと思われているからです。

すべての人間には体内に血液が流れており、これは生きるために必要不可欠です。

しかだって、血液型に関することは、誰にでも当てはまる情報です。

血液高性格判断がウケるのは、それがあるでしょう。

しかし、そういうのは疑似科学といいます。

血液型性格判断の歴史

日本で血液型と性格の関係に最初に言及したのは原来復氏(医師)です。

そして、「流行」させたのは東京女子師範学校(現お茶の水女子大学)の教授だった古川竹二氏です。

それら「血液型の専門家」が発表したことで、社会的な影響力はさぞあっただろうと思います。

だが、彼らの説は客観性も再現性も実証も追試もされることなく廃れていきました。

その時点で、科学としての血液型性格判断は「終わったこと」だったはずです。

ところが時は流れ、1970代後半~80年代にわたって、膨大な書籍を上梓した能見正比古・俊賢氏の親子や鈴木芳正氏らが、血液型と相性を流行させました。

彼らもまた、これは占いではなく「人間学」だと言い張りました。

しかし、彼らが学術系の学会や雑誌に論文を発表した形跡は全くありません。

では、彼らはどのようにそれを喧伝したのでしょうか。

政治家には×型が多いから×型は政治家タイプ

たとえば能見氏父子は、衆議院議員、スポーツ選手、タレントなど、有名人の血液型分布を例に挙げました。

「政治家には×型が多いから×型は政治家タイプ」「△型は大器晩成だから、プロ野球の新人王は△型が少ない」「×型のキャスターAと△型の女優Bが破局したのは、×型の几帳面さと△型の自由奔放さが災いした」などと統計を用いた「考察」と、テレビなどのメディアで顔やキャラクターが知られている有名人を例に出すことで、何となく当たっているような気にさせる効果を狙ったのです。

ところが、心理学者や統計学の専門家らは、能見氏父子らの言う職業・性格による血液型分布の偏りは、学問的に有意ではない、要するに客観性も再現性もない「思い込み」であると批判しました。

要するに、「△型」と職業や性格などの関連は見られないということです。

現在、科学的な根拠のある「血液型と性格関連説」は存在しません。

つまり、血液型と相性にも合理的な関係は見られない、ということです。

草野直樹の反証

草野直樹著『「血液型性格判断」の虚実』『血液型性格判断のウソ・ホント』(いずれもかもがわ出版)は、衆参国会議員、プロ野球やJリーガー、力士といったスポーツ選手、タレントやキャスターといった芸能人などについて、血液型による分布を30年前から調査。いずれも血液型による偏りを見ることはできなかったことを書いています。

2008年度のプロ野球選手の血液型分布について調べています。

これは前回もご紹介しました。

【2008年度プロ野球選手血液型分布(『週刊ベースボール』2008年2月23日増刊号より)】
A型は投手143名、野手146名(37.9%)
O型は投手115名、野手117名(30.4%)
B型は投手80名、野手92名(22.6%)
AB型は投手27名、野手42名(9.1%)
不明は投手41名、野手27名

「不明」のほとんどは外国人(アメリカ)選手です。

それもそのはずです。プロフィールとして血液型を公開し、その人自身が血液型にこだわるのは西欧先進国ではない遅れた話なのです。

血液型と相性のまとめ

結論を述べますと、このデータにも統計的な血液型の偏りはありません。

つまり、「△型だから野球選手に向いている」などという考察はできません。

日本人の場合、各血液型の出現頻度はおおよそA型が4割、O型が3割、B型が2割、AB型が1割といわれていますが、これは民族や人種によって変わります。

ドイツのヒルシュフェルトという医師は、第一次世界大戦終結の年に兵士の血液型を調査。

白人にA型が多く、中近東やアジア・アフリカにいくに従ってB型が多い調査結果の「違い」を知り、それを「白人が優秀である」ためとこじつけました。

こんなにもので相性がいいの悪いのといって、はじめから相手との関係を決めつけたり、予断を持ったりしたら、うまくいくはずの関係も、うまくいかなくなってしまいますよ。

以上、血液型相性判断は客観性も再現性も実証も追試もされない疑似科学、血液型相性判断はバラエティ番組や雑誌や朝の情報番組で馴染み深くさせられていますが血液型で人間の相性はわかりません、でした。

血液型性格判断のウソ・ホント (講座・超常現象を科学する)
血液型性格判断のウソ・ホント (講座・超常現象を科学する)

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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