「神世界」騒動は深く関わった吉田澄雄警視を懲戒免職処分。吉田澄雄警視が関わった2005年以降の歴代本部長3人の監督責任を問う。

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「神世界」騒動は深く関わった吉田澄雄警視を懲戒免職処分。吉田澄雄警視が関わった2005年以降の歴代本部長3人の監督責任を問う。

「神世界」騒動は深く関わった吉田澄雄警視を懲戒免職処分。吉田澄雄警視が関わった2005年以降の歴代本部長3人の監督責任を問う。「神世界事件」は一部物理学者がいうように、科学・理科教育が欠如したがための事件なのだろうか。

「神世界」騒動が動いた。

警察庁は23日、神奈川県警の警備課長を解任された吉田澄雄警視が関与したとされる有限会社「神世界」グループの霊感商法事件について、処分することを決定した。

吉田澄雄警視については、「地方公務員法違反にあたる行為を重ねていた」として懲戒免職処分。

吉田澄雄警視がグループにかかわり始めた2005年以降の歴代本部長3人の監督責任を問う。

県警は一連の行為が営利企業に従事することを制限し、信用を失墜させる行為などを禁じている地方公務員法違反に当たり、歴代本部長の処分も免れないと判断したという。

神世界事件(しんせかいじけん)とは、2000年に設立された有限会社「神世界」および同社と提携する企業群による、霊感商法詐欺やその疑惑の事件をさす。

事件には2つの特徴があった。

1.勧誘した顧客には、スタッフとして働いたり勧誘させたりして、被害者間に共犯意識を持たせた。
2.警察や国立大学の現職員や退職者が積極的に関与した。

たとえば、神奈川県警察警備課長を務めていた警視は、勤務中に神世界に関する副業を行った上、部下を勧誘するなどして多額の報酬を得ていた。

といっても、ではその警視が、人並み外れて科学知識に疎かったわけではないだろう。

つまり、一部物理学者が言うように、科学知識がないから霊感商法に騙される、という単純な問題ではない。

強いて言えば、警視を誘い込んだ女性が、ちょっといい女だったぐらいのものだ。

しかも、それは「ちょっといい女」であり、世の中はもっといい女がいくらでもいる。

なのになぜ?というのは、教訓にするためにきちんと答えを出さなければならないことである。

……といったことをお含みおきの上、以下をお読みいただければ幸甚である。

科学・理科教育さえ行えば問題は解決するのか

「霊感商法」事件は今までにもあったが、こうした事件が起こると、そのたびにオカルト批判を行う主に理科系の人々は、「オカルト・疑似科学に騙されないよう科学・理科教育が大切」と力説する。

たとえば、反オカルトの急先鋒のような扱いでテレビ出演している大槻義彦氏などは、昨今の生徒・児童の理科系学力低下傾向と結んで、「理科・科学教育の過程では、戦後民主主義も教育の機会均等も無視します。いま必要なのは理系エリートだからです」などと、とにかく理科教育さえやれば問題は解決するといわんばかりの露骨な理科系偏重すら披瀝している。

反科学や疑似科学の類に対し、真実を知るための科学知識獲得は必要なことである。

しかし、それだけでこの問題は解決するのだろうか。

むしろ、大槻義彦氏の意見は、文系と理系の協働によって真実を解き明かしていくことを妨げる学問的ヘゲモニーでしかないように思われるがどうだろう。

オウム問題を追及する江川紹子氏は、講演で「どんな人がカルトにハマりやすいか」という問題について触れている。

それによると、「学歴」「家庭環境」「宗教や不思議なものの好き嫌い」などは、いずれも原因として無関係ではないものの、決め手となるわけではない。むしろそうした点で、カルトから遠いと思われる人でもハマることはあり、そこにこそカルトの複雑さがあるとしている。(2001年4月13日の「JapanSkeptics記念講演・シンポジウム」より)

つまり、いくら高度な科学知識を身につけても、騙される時は騙されるということである。

なるほど、逮捕されたオウム真理教の幹部には、理科系の高学歴者がゾロゾロいた。

オカルトに騙されないためには科学・理科知識を身につければいい、という論理が一面的なものでしかないことはこうした事実が証明している。

吉田澄雄警視にしても、とくに神秘主義・非合理主義への傾倒が深かったわけではないだろう。

要するに、杉本社長が「ちょっとイイ女」(「日刊ゲンダイ」12月26日付)だったから、理屈としてはいけないことと知りつつも、立場を省みず職権を利用して入れあげてしまったのである。

そんなメロメロの警視の前に、「神世界など科学的根拠がない」などと「科学知識」を突きつけたとしても、何の解決にもならなかっただろう。

科学知識とは別に価値判断がある

人は何故、オカルト・疑似科学に騙されるのか。信じたいものを信じるからだ。

それは、価値意識で判断するということである。科学知識の豊かな人間でもそれは同じだ。

そして、価値意識には、吉田警視がそうだったように、矛盾や動揺を抱える”弱さ”がある。

つまり、人間というのは、本来間違いうる存在なのである。

さすれば、個々の科学知識啓蒙だけでは問題解決には自ずと限界があるだろう。

そうした矛盾を抱えた人間がおりなす社会の中で、それによる間違いや不利益を避けるにはどうしたらいいかを考えなければならない。

それは法の整備かもしれないし、公務員のあり方の再検討かもしれないし、マスメディア監視かも知れないし、学校教育のあり方かもしれない。

おそらくそのすべてが大なり小なり関係してくるだろう。

それを解決するには、自然科学だけでなく、心理学や社会科学、さらには文学とも医療ともジャーナリズムとも宗教とも手を携えて、そこに接近しなければならない。

物事が科学知識の啓蒙だけで済めば簡単だ。

「科学的認識」の側からのアプローチだけではなく、その何倍もやっかいな「価値意識」の側からの接近を、学術的だけでなく、日常的思考すらも視野に入れた取り組みを行うことが求められるのではないだろうか。

以上、「神世界」騒動は深く関わった吉田澄雄警視を懲戒免職処分。吉田澄雄警視が関わった2005年以降の歴代本部長3人の監督責任を問う。でした。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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