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『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題

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『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題

『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題になっている。まるで抗がん剤業者と戦う勇士が、抹殺されたかのような評価も一部ではあり憶測も呼んでいるのだ。

安保徹さん(あぼとおる、1947年10月9日~2016年12月6日)の最終的な肩書は、新潟大学大学院医歯学総合研究所名誉教授。免疫学が専門だった。

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その安保徹さんは、自律神経免疫療法(福田安保理論)を標榜して、抗がん剤を使う従来の標準治療に異を唱えた。

自律神経免疫療法(福田安保理論)というのは、両手の爪の生えぎわを反対側の手の親指と人さし指で両側からつまみ、押しもみする『爪もみ健康法』で、血液中のリンパ球の割合を上げると、免疫力が向上してがんが退縮していくという理論である。

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がんだけでなく、アトピー、膠原病、パーキンソン病までが、免疫力によるものだと唱えていた。

福田稔さんという温泉病院の外科部長だった医師が、晴れた日に盲腸の患者が多いことから、自律神経が病気と関係があることに気づき、注射針や磁気針で皮膚を刺激して血流障害を改善し、免疫を高めて病院を治す気血免疫療法(自律神経免疫療法)を確立。

その理論的裏付けが、安保徹さんというわけだ。

ネットでは、「爪もみ」や「自律神経免疫療法」などの言葉で検索すると、今もたくさんのページがヒットする。

要するに、今も多くのクリニックでおこに割れている治療法だが、それでがん患者が減ったという話は聞かない。

しかし、抗がん剤治療が怖い大衆にとっては、そこに活路を見出したい。

そんな中で、安保徹さんが昨冬に亡くなった。

しかし、その時話題にならずに今話題になっている。

これは変ではないか。

まるで抗がん剤業者と戦う勇士だから、業者から抹殺されたのではないか、というような評価も一部ではあり憶測も呼んでいるわけだ。

抗がん剤否定論者はほかにもいるし、自律神経免疫療法が権威ある雑誌に論文を発表したという話も聞かないから、それはどうかなとは思うが、まあ、そのようなことを踏まえた上で、以下をお読みいただきたい。

メディアでは訃報が出なかったから憶測も

爪もみ、といわれる自律神経免疫療法の推進者であった安保徹さんは、昨年12月に亡くなったという。

福田ー安保理論とも言われた爪もみ健康法は、今も「現役」の健康法といってもいいだろう。

ところが、メディアでは訃報が出なかった。

そこで、製薬会社による抹殺説を疑うトンデモがいるらしい。

Facebookより

Facebookより

まあ、何があるかわからないのが世の中だから、抹殺が絶対にないとは言わない。

しかし、抗がん剤を使わない方向に世論が傾くほど、安保徹さんの意見や存在が世間に浸透しているとも思えない。

だいいち、それをいうなら、例の「がんもどき」の放射線医の方が、よほど該当する存在だろう。

安保徹さんが、新潟の温泉病院の外科部長だった福田稔医師の経験と仮説に、自らの理論的根拠を加えた『気血免疫療法』、別名福田ー安保理論を発表したのは、もう20年近く前の話である。

ゴルフと盲腸から誕生した理論

どういう健康法かというと、福田稔医師が、ゴルフをしようとすると、盲腸の急患が出た。

ゴルフをするぐらいだから、天気は晴天である。

そこで、盲腸と天気に関係があると福田稔医師はにらんだという。

現代社会は、多忙とストレスから緊張し、私たちは自律神経のうち交感神経が優位になっている。

交感神経が優位になると、血液中の顆粒球の割合が増える。

顆粒球はウイルスなど外的に立ち向かう能力があるが、増えすぎるとがんや各種病気の亢進につながる。

一方、副交感神経が優位になると血液中はリンパ球が増える。

リンパ球は、体の内部の免疫力で、こちらを増やすことで、がんやパーキンソン病など「免疫の病」を抑えられる。

そこで、指先の末梢神経を刺激して、副交感神経を優位にし、リンパ球を増やして免疫で対抗できる病気を治そうという理屈の健康法である。

薬指をのぞく、4本の指の爪の生え際を押すことで末梢神経を刺激し、副交感神経を優位にするという。

なぜ、4本の指の爪の生え際を押すかというと、そこが東洋医学のツボだからである。

専用電子鍼もあるが論文はない

『爪もみ』は、電子鍼を使って行うことも出来る。

電子鍼

この方が、末梢神経に刺激を効率よく与えることができるという。

ハリボーイ

そして、日本自律神経免疫治療研究会という学会を立ち上げ、賛同した医師および歯科医師(口腔外科としての治療)が、臨床結果を発表しあっていることになっている。

が、こんにちまで、権威ある医学雑誌に関連論文を投稿し、専門家の厳しいチェックをクリアしたという話は聞いたことがない。

論文がない、ということは文字通り論外である。

つまり、医学界では相手にされていないどころか、議論にもなっていない。

それが『爪もみ療法』もしくは『気血免疫療法』の実態である。

がん治療は簡単なものではない

もっとも、爪を揉むだけなら、とくに健康を害するような侵襲性や副作用はない。

たまに、健康情報誌に、個別の患者のリンパ球の数値を発表することがあるが、それが事実なら、たしかに長い時間かけて、リンパ球は増えているようである。

実を言うと、筆者はこの治療法を知る前、というかそもそもこの治療法が確立する前から、無意識のうちに、封筒の角など、適度な硬さの角を、爪の生え際にあてる癖があった。

緊張したり、考え事をしたりすると、それを行う。

だから、それ自体は意義はあるかもしれない。

だが問題は、安保徹さんががん治療にそれ「のみ」を使えと主張していたことである。

つまり、手術、抗がん剤、放射線といった病院の標準治療は、侵襲性があるだけでなく、身体にストレスを与えて交感神経が優位になるからと否定している。

爪を揉むだけでがんが治るのなら苦労はないが、繰り返すが医学的に通用するそのような報告はない。

それによって、治療機会を逃す患者がいるかもしれない。

誰だって、メスで体を裂かれ、臓物を取られるよりは、電子鍼で済むといわれたらそちらに心が動いてしまうだろう。

もっとも、現実に『気血免疫療法』を実施している病院でも、心ある医師は、標準治療で治癒が見込める場合はそれを勧めている。

なのに、メディアでは、安保徹さんが、標準治療を否定して『爪もみ』を売り込んでいる。

実に罪深いことだった。

もっと罪深いのは、末期患者のモルヒネを否定したことだった。

「がんの痛みは治癒反応であり、痛み止めは交感神経を優位にする」からという持論だった。

そのため、胆管がんで亡くなった毎日新聞の新山記者が、セカンドオピニオンで安保徹さんと話をする機会があり、モルヒネの使用を禁じられたことを、生前の最後のブログで綴っていた。

新山記者のことはネットでも問題になったので、以来、安保徹さんは、モルヒネは絶対ダメだと厳禁はしなくなったが、それでも否定的であることにかわりはなかった。

最期ぐらい、少しでも安らかにと思うのが人情であり、もとよりモルヒネは国際的にも認められている処置である。

なのに、そんなときまで「治癒反応だ」といって鎮痛剤を取り上げる意見は、いかがなものか。

名前はいちいち出さないが、現代の医学・医療に対して、それを否定する人が出ると、一部の人はよく考えもせずに熱中する。

しかし、病院の標準がん治療は、伊達や酔狂で行っているわけではない。

何を信じるかはその人の自由だが、その「新説」が学問的にどう評価されているのか、臨床データはどうなのか、具体的にどんな治療計画なのか、といったことをきちんと調べた方が後々後悔しないのではないだろうか。

以上、『爪もみ健康法』が抗がん健康法であると標榜していた「福田安保理論」。その提案者である安保徹さんの訃報が地味なことが話題、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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