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「がん」といえば、活性酸素が関与しているといわれている。だから、それを制するなら抗酸化作用のあるサプリメントがいいと思う。

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「がん」といえば、活性酸素が関与しているといわれている。だから、それを制するなら抗酸化作用のあるサプリメントがいいと思う。

「がん」といえば、活性酸素が関与しているといわれている。だから、それを制するなら抗酸化作用のあるサプリメントがいいと思う。健康食品の業者で、抗酸化という効能を述べない人はいないだろう。しかし、それは本当なのか、という話だ。

そもそも、がんに対する抗酸化サプリメントの効果については、現時点では明確な結論が出ていない。

一部の研究では、抗酸化物質ががんの発症や進行を抑制する可能性が示唆されているが、その効果についてはさまざまな要素が関与しており、個別のサプリメントやがんの種類によって異なる可能性がある。

抗酸化物質は、細胞の酸化ストレスから守り、細胞や組織のダメージを軽減する役割を果たしている。

しかし、がんの発症や進行には複数の要因が関与しており、単一の栄養素やサプリメントの摂取だけでは予防や治療には不十分だ。

また、高用量の抗酸化サプリメントの摂取は、逆効果となる可能性もある。

一部の研究では、高用量の抗酸化物質の摂取ががんリスクを増加させることが示唆されている。

さらに、抗酸化サプリメントの摂取が他の医薬品や治療法との相互作用を引き起こす場合もある。

したがって、がんの予防や治療のためには、バランスの取れた食事、健康的な生活習慣、定期的な健康チェック、医師の指示に基づいた治療が重要だ。

抗酸化サプリメントの摂取については、医師と相談し、個々の状況やニーズに基づいた判断を行うことが大切である。

といったことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

むしろがんを進行させてしまうかも!?

「がん」といえば、活性酸素が関与しているといわれている。

だから、それを制するなら抗酸化作用のあるサプリメントがいいと思う。

しかし、ここにはスケプティクスな問題もある。

その抗酸化サプリメントが、実はがんに効くというエビデンスがないだけでなく、むしろがんを進行させてしまうという「逆効果」の可能性もあるという話である。

その話は、『日刊ゲンダイ』(2015年11月3日付)掲載の、「医者も知らない医学の新常識」という石原藤樹医師(北品川藤クリニック)の連載記事に書かれている。

活性酸素(Reactive Oxygen Species、ROS)といえば、大気中に含まれる酸素分子が変化したもので、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類とされているる。

それらはまさに現代の病の元凶とされている。少なくとも、遺伝子を傷つけるがんの原因の一つとしての認識はもはや定着したといっていいだろう。

活性酸素は、人間の呼吸や代謝によって発生するといわれている。

もちろん、酸素をとらないわけにはいかないから、活性酸素の発生はやむを得ないとして、要はそれを除去できれば、がんの予防になるという理屈から、抗酸化作用のあるサプリメントが、イコール「抗がん」サプリメントであるとされ、健康食品の業者が盛んに宣伝しているわけだ。

しかし、そこはスケプティクスに考えなければならない。

抗酸化サプリメントにエビデンスはない

まず、市販されている抗酸化サプリメントは、そもそもがんの予防になるのか、という点である。

抗酸化サプリメントというのは、ビタミン剤(とくにCとBとE)、βカロテンなどが有名だが、疫学調査で、「がんに効く」と証明されたものはひとつもない。

もしかしたら、試験官や動物実験で、そうした効果があるかのようにいわれたものがあるかもしれないが、そもそも「抗がん作用がある」ことと、「ヒトのがんに効く」ことはイコールではない。

抗ガン作用があるというニュースや健康情報をしばしば見かける。食べ物の何々という成分には抗がん作用がある、というやつだ
「抗ガン作用」と「ガンに効く」。本来は似て非なるものだが、抗がん作用の報告を「がんに効く」とITmediaニュースは報じた。これは読者に誤解を与える誤った報道である。「抗ガン作用」ことはそのまま「ガンに効く」ことにはつながらない。

交絡因子をなるべく排除して、きちんとした疫学調査で、「がんに効く」ことを調べなければ、エビデンスがあるものとはいえないが、そうした調査で、効果が証明されている抗酸化サプリメントはない、ということである。

それどころか、問題は「逆効果」すらあり得るのだ。

抗酸化サプリメントが逆にがんを進行させる

たとえば、ビタミンEは、前立腺がんを増やすという報告がある。

βカロテンには肺がんが増えたという報告もある。

せっかく、がんに効くことを願ってそれらを服用しても、逆にがんが増えたのでは何もならない。

石原藤樹医師は、連載でその点をこう紹介・解説している。

 最近、「ネイチャー」という有名な科学誌に、その答えとなる興味深い論文が掲載されました。人間の遺伝子の一部を持ったネズミを使った実験ですが、メラノーマという悪性の皮膚がんの細胞が簡単に転移しないのは、「血液の中では酸化ストレスがあって、それががんを抑え込んでいる」ということが分かったというのです。
 抗酸化剤を注入すると、それによってがんは進行して転移してしまいます。つまり、悪者のように思われた活性酸素は、がん細胞を作る原因のひとっである一方、血液に広がったがん細胞に転移をさせないような良い作用も持っていたのです。
 サプリメントはがんになる前なら一定の効果がありますが、がんになったらむしろ取らない方がよいというのが、近い将来のがん治療の新常識になるかもしれません。

これは、以前も取り上げたことがある。

痛風を起こす尿酸が「抗酸化」の作用があるという話である。

もっとも、痛風になればがんにならない、ということではないので、ここでいう「抗酸化」が、がんを抑えるほど強い力とは思えないが、少なくとも、抗酸化サプリは、そうした体内で自然にできる抵抗力すら逆につぶしてしまうということであろう。

以上、「がん」といえば、活性酸素が関与しているといわれている。だから、それを制するなら抗酸化作用のあるサプリメントがいいと思う。でした。

健康情報・本当の話 - 草野 直樹
健康情報・本当の話 – 草野 直樹

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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