がんはドライフルーツ(乾燥果物)で減るのか?スケプティクスな立場から研究結果を解説している動画をシェアしよう。ドライフルーツといえば健康食品としてのイメージがあるが、果たして「ドライ」したものはどうなのだろうか。
『ドライフルーツ(乾燥果物)でがんは減るのか?研究結果を解説』という動画を公開しているのは、『がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ』を解説している佐藤のりひろ医師である(チャンネル登録者数 6.49万人)
毎回、興味深い論文を読み解いて私達の理解を助けてくれるが、今回のテーマは、「ドライフルーツ(乾燥果物)でがんは減るのか?研究結果を解説」である。
フルーツだから体に良いのだろう、と漠然と考えている向きがあるが、エビデンスとしてはどうなのか。
スケプティクス(懐疑的)な立場を忘れず、動画をご紹介しよう。
毎日新鮮な果物を食べるのは難しいことがあるが……
ドライフルーツ(乾燥果物)でがんは減るのか?研究結果を解説 https://t.co/oRLJV5BoVf @YouTubeより
— スケプティクス豚 (@butacorome) August 29, 2022
これまでにも、野菜や果物をたくさん食べる人は、がんのリスクが低下するということが、多くの観察研究から明らかになっている。
話者は『がん情報チャンネル』の佐藤典宏医師だ。
以前も、乳酸菌由来の分子フェリークロームの“がん予防”の動画をご紹介したことがある。
佐藤典宏医師は、国立がん研究センターによる「日本人のためのがん予防方法」でも、果物を推奨していることを紹介。
ただ、毎日その新鮮な果物を食べるのは難しいことがある。
では、その代替としてドライフルーツはどうなのか。
佐藤典宏医師も、ナッツとドライフルーツが一緒になったスナックを食べているので、気になるテーマだと語っている。
というわけで、話は「ドライフルーツとがんとの関係」に。
およそ9割の研究でドライフルーツとがんに反比例の関係
佐藤典宏医師は、2020年に、Adbances in Nutritionに報告された論文を紹介する。
全部でですね16件の研究、これ主にアメリカとかヨーロッパですね。そういったところでの研究ですけども、これを選択しました
研究対象となったドライフルーツなんですけれども、主にレーズン、デーツ、プルーン、それからイチジクなどですね。こういったものでした。
がんの種類については、様々な種類のがん、および前癌病変が含まれていました。
そして前向き調査から得られた結果ですけれども、およそ9割の研究でドライフルーツの摂取量と、がんのリスクとの間に反比例の関係を認めました。
つまりですね、ドライフルーツを多く摂取することでがんのリスクが低下していたということです。
論文によると、ドライフルーツの摂取量は週に3~5サービング増やすごとに、
1.すい臓がんの死亡リスクが65%低下
2.前立腺がんの発祥リスクが49%低下、
3.前癌病変である大腸ポリープの相対リスクが24%を低下
するという結果が出たという。
そして、ドライフルーツの摂取は、新鮮な札ものの摂取と同じくらい、がんのリスクを減らすのに効果的であったという。
佐藤典宏医師は、「以上の結果からですね。ドライフルーツには、一部のがんのですねリスクを減らす。まあそういう効果が期待できるという結論でした」とまとめている。
ドライフルーツには、食物繊維やミネラルビタミンが豊富で、抗酸化作用と抗炎症作用があるといわれており、とくにレーズンは、血糖値を下げる作用があり、糖尿病や新血管の病気の予防効果も期待できるという。
生の果物と同じ効果が期待でき、保存も効くというのは大変素晴らしいことだと思う。
もちろん、食べ過ぎは糖質過多になるので、佐藤典宏医師は食べ過ぎに気をつけることも添えている。
ドライフルーツを食べよう
ドライフルーツが生の果物より栄養価が高い、というのはネットを検索するとしばしば出てくる文言である。
ドライフルーツは水分が蒸発された分、効率よく栄養素を摂取することができる。
そして、太陽の光を浴びて乾燥することで、ミネラルやポリフェノールなどのフィトケミカル、食物繊維などは生の状態よりも増えるものが多くあるという。
要するに、干物と生魚の関係のようなものかもしれない。
また、上記サイトによると、食物繊維も多く、よく噛むことから少ない量でも満腹感につながりやすいので間食にもオススメという。
ほんのりと自然な甘みを感じることも出来るため、ダイエット中には心強い味方になってくれると期待している。
さらに、ドライフルーツだけに長期保存が聞き、皮まで食べやすいのも大きな特徴だ。
本来、果物の栄養はそのほとんどが皮に詰まっているといわれるのだが、生で食べるときは往々にして皮をむいてしまう。
上記サイトでは、具体的には、次のドライフルーツを紹介・推奨している。
プルーン
干し柿
パイナップル・食用ほおずき
ザクロ
ゴジベリー(クコの実)
なつめ
みかん
竜眼(りゅうがん)
スーパーでは、ナッツを売っている棚にあることが多い。
私は、日頃から、アーモンド、マカダミアナッツ、くるみ、食べる煮干しなどを食しているが、これからはそれに加えて、ドライフルーツも加えようと思う。
ところで、先程食べる量に「サービング(SV)」という言葉が出てきた。
サービング(SV)とは、動詞のserve サーブ(給仕する)から来ていて「一食分として食べる量」の意味である。
たとえば、食パンは1サービング=1枚、シリアルは1サービング=1カップとなる。
ドライフルーツも、カップ単位で3~5カップということでよいだろう。
以上、がんはドライフルーツ(乾燥果物)で減るのか?スケプティクスな立場から研究結果を解説している動画をシェアしよう。でした。
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