たこつぼ型心筋症。中高年に罹りやすいといわれている。たとえば、2004年に発生した新潟中越地震直後にたこつぼ型心筋症の発生が多く報告されていたという。収縮末期の造影所見がたこつぼの様に見えることからそう名付けられたという。
たこつぼ型心筋症は、心筋細胞が異常な膨張を起こし、心筋壁の厚さが増加する疾患。
この病気は、主に遺伝的な要因によって引き起こされるといわれるが、そうでない場合もある。
たこつぼ型心筋症の名前は、日本語で「たこつぼ」と呼ばれる漁具に由来する。
心臓の左室が一時的に異常な形状をとるため、心臓の形がたこつぼのように見えることがあるからだ。
たこつぼ型心筋症は、通常、心臓の左室の収縮機能が低下するため、左室が広がり、心臓の収縮機能が低下する。
これにより、心臓は通常の心臓発作や狭心症の症状を引き起こすことがある。
しかし、たこつぼ型心筋症の場合、通常の心臓発作や狭心症とは異なり、心臓の動脈に明らかな閉塞は見られないという。
症状は、胸の痛み、息切れ、めまい、吐き気、嘔吐などであり、時には重篤な心不全や心臓停止に至ることもある。
たこつぼ型心筋症の診断には、心電図や心臓超音波検査、血液検査、冠状動脈造影などが行われる。
これらの検査結果に基づいて、たこつぼ型心筋症の診断が確定される。
たこつぼ型心筋症の原因は、まだ完全には解明されていないが、ストレスや感情的なショックが大きな要因の一つであることが知られている。
他にも、ホルモンのバランスや自律神経の異常、心筋細胞の代謝異常などが関与している可能性がある。
たこつぼ型心筋症は、左心室が影響を受ける場合が多く、心臓のポンプ機能を低下させることがある。
また、心房や右心室にも影響を与えることがある。
この病気は、一般的には若い年齢層に発症することが多く、家族歴がある場合は特に注意が必要。
症状としては、息切れ、胸痛、めまい、失神などが挙げられる。
また、心臓の音が異常に大きくなることもある。
たこつぼ型心筋症の診断には、心電図や心臓超音波検査、磁気共鳴画像法(MRI)などの検査が用いられる。
治療法としては、症状の改善や合併症の予防のために、薬物療法や手術的な治療が行われることがある。
たこつぼ型心筋症は、進行性の疾患であるため、早期の発見と治療が重要。
また、適切な治療と定期的なフォローアップが必要となる。
今回は、このたこつぼ型心筋症についてスケプティクス(懐疑的)に考えてみたい。
たこつぼ型心筋症とは何か
2011年に東日本大震災が起こったと思ったら、2016年には熊本地震である。
このような、急激な天変地異は、それ自体の火災や落下物による圧死などの心配があるが、それだけでなく、とくに高齢者には、災害時のストレスとして、
- エコノミークラス症候群
- 心不全
- たこつぼ型心筋症
が心配されている。
たこつぼ型心筋症(Takotsubo cardiomyopathy)は、心臓の筋肉が一時的に弱くなり、心臓の収縮機能が低下する疾患。
一般的には、「ストレス性心筋症」と呼ばれることもある。
この病気は、突然の強い感情的なストレスや心理的なストレスが原因となり、通常は心臓発作や狭心症の症状に似た症状を引き起こす。
医学的には、やや難解な説明になるが、収縮末期の造影所見がたこつぼの様に見えることから名付けられたという。
心臓の左心室が、たこつぼのようにふくらんだまま戻らなくなる状態である。
心臓の筋肉の収縮がスムーズにいかなくなり、左心室がたこつばのような形になって動かなくなる病気である。
たこつぼ型心筋症は、まず、突然の胸の痛みがあり、そして、呼吸困難を引き起こすという。
まあ要するに、狭心症や、心筋梗塞と似た症状である。
ではそれが起こるとどうなるか。
脳をはじめ、全身に酸素が届かなくなる。
つまり、心肺停止や脳死に至る、命を脅かすわけである。
亡くならなくても、脳に酸素が行かなければ、脳障害を起こして、遷延性意識障害や、重度の高次脳機能障害を起こすことになる。
発症年齢は、50歳以上の女性に多いと言われているが、それはあくまで統計上のことで、もっと若くてもなる可能性はある。
たこつぼ型心筋症はどんなときに起こるか
たこつぼ型心筋症は、災害や、身内の不幸など、急激な精神ストレスや身体的ストレスがかかった時に起こると言われている。
これはどういうときかというと、要は、交感神経が極度に緊張している時である。
では、その逆である、ゆったりした気持ちであればいいのかというと、実はそうではない、という記事を掲載しているのが、『日刊ゲンダイ』(2016年5月12日付)の、「当事者たちが明かす医療の裏側」という記事である。「40代勤務医」が執筆している。
同紙によると、たこつぼ型心筋症は、「幸せ過ぎた場合」にも発症するというのである。
スイスの研究者らによる『Eurheart J』(2016年3月2日オンライン版)の報告では、欧米9カ国を中心に2011年からスタートした「国際たこつば型心筋症」登録調査の過程で判明したという。
それによると、2011~14年の登録患者1750例のうち、明らかに情動的ストレスが引き金になったのは465例。
そのうち20例は「喜び」による発症。
たとえば、「誕生日パーティー」「息子の結婚式」「高校時代の友人との50年ぶりの再会」「結婚式」「ひいきにしているカーレーサーの勝利」「孫の誕生」「息子が会社を設立」「カジノで大当たり」「画像検査が異常なしだった」などが報告されているというのだ。
「ひいきにしているカーレーサーの勝利」まで報告されているのは、少々怖い。
うっかり、競技中継も鑑賞できなくなってしまう。
その昔、プロレス中継で、フレッド・ブラッシーがグレート東郷に噛み付いて、そのショックで高齢者が亡くなったといわれたことがある。
実際には、統計上の死亡者を有意に超えるものではないから、プロレス中継との因果関係が証明できないとも言われていたが、そもそもプロレス中継自体がアドレナリンを上げるものであり、それによるたこつば型心筋症だったかもしれない。
カテコールアミンが高値
また、同紙によると、たこつぼ型心筋症の患者は、カテコールアミンと呼ばれる副腎髄質ホルモン(代表的なものにアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンがある)が高値を示していることが分かっているという。
副腎皮質ホルモンは交感神経に支配されているが、交感神経の緊張により、血中内にカテコールアミンが大量に放出されるというのだ。
そして、そのカテコールアミンの過剰分泌が、微小血管や心筋の収縮を招き、心筋が“気絶”することによって「たこつば型心筋症」を発症させるともいわれているそうである。
ドーパミンは、達成感や幸せを感じた時に分泌されるが、それが過剰に分泌されることによって、たこつぼ型心筋症が発症する。
なかなかむずかしいかもしれないが、嬉しいことも、悲しいことも、淡々と受け止めるという習慣をつけることが大切らしい。
以上、たこつぼ型心筋症。中高年に罹りやすいといわれている。たとえば、2004年に発生した新潟中越地震直後にたこつぼ型心筋症多く発生、でした。
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