今日は、『まいっちんぐマチコ先生』の作者である、えびはら武司さん(1954年6月5日~)の誕生日です。おめでとうございます。『少年チャレンジ』や『中二コース』に連載されていた本作は、単行本を280万部売り上げ、アニメ化もされた1980年代の人気マンガです。
『まいっちんぐマチコ先生』については、アニメと実写版があり、私はアニメ版と最初の実写版の両方を観てしまいました。
原作は『少年チャレンジ』や『中二コース』に連載されていた『まいっちんぐマチコ先生』(えびはら武司・作)。単行本を280万部売り上げ、アニメ化もされた1980年代を代表するマンガです。
といっても、どちらも、ナンセンスでエッチな「学園モノ」です。
お色気学園コメディー
ストーリーは、私立あらま学園の女性教師、麻衣マチコと、生徒の池上ケン太、亀山タマ夫、同僚男性教師の山形国男らが騒動を繰り広げます。
原作マンガのジャンルは、「お色気学園コメディー」ということになっています。
学園生活のドラマで定番のテーマである、友情とか、恋愛とか、受験勉強とか、そういったドラマツルギーは一切出てきません。
あるのは、もっぱら、マチコ先生に対するエッチなオチばかり。
アニメは、一話完結で、生徒の仕掛けや、マチコ先生の不用意な行動でマチコ先生の乳房が見えて、マチコ先生が「まいっちんぐ!」というのが“お約束”になっています。
現在、なんとBANDAICHANNELで見放題です。
http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=2210&xm=20&xr=9
『まいっちんぐマチコ先生』の場合も、『ハレンチ学園』のように、PTAの苦情で制約があったようです。
永井豪さんは、PTAや教育委員会のバッシングに失望して、凄惨なストーリーに変質して作品を終わらせたのに比べて、『まいっちんぐマチコ先生』は、一貫して「他愛ない」エロギャグまんがを貫きました。
このぶれない姿勢もすばらしいです。
「くだらない」と「つまらない」の違い
まいっちんぐマチコ先生 pic.twitter.com/16VDS4kcBF
— コヤ所長 (@mayanmoyan) May 4, 2024
最初の実写版(2003年)は、現役C.Aでありながら、社札をつけたままヌード写真を撮らせ、懲戒解雇された仲谷かおりが抜擢されました。
パッケージや作中に、原作の漫画が使われている原作者公認の実写版作品なので、一応鑑賞してみました。
ストーリーは、ライバルの学園が、私立あらま学園に女教師・コマッチング先生を送り込み、生徒を骨抜きにして有名高校への進学状況を低下させようとしましたが、マチコ先生がコマッチング先生との「戦い」に勝利して学園を守るという話です。
「戦い」というのは、どっちがエロを感じさせるかというような「くだらない」内容です。
実際に、Amazonのレビューを見ると、同作は「くだらない」のオンパレードです。
ただ、それは決して、同作に対する「酷評」ではないと思います。
なぜなら、飽くまでも「くだらない」であり、「つまらない」ではないからです。
作品鑑賞のレビューでは、「くだらない」と「つまらない」は、意味も評価も全く違います。
「くだらない」というのは、芸術祭参加作品のような尊厳さもなければ、ストーリーの精緻さなどもないという意味で、「駄作」という評価ではあるかもしれませんが、「駄作」だから存在価値がないわけではありません。
観る者は、あえてそれを求めているかもしれない場合があるからです。
「お色気学園コメディー」が、手に汗握る迫真のストーリーでは、逆に困るわけです。
「お色気学園コメディー」へのニーズは、やはり、肩のこらない「バカバカしさ」なのです。
ですから、アマゾンのレビューは、本作を称賛しているわけです。
一方、「つまらない」というのは、ニーズ自体に沿えていないという意味が込められ、要するに「失敗作」です。
こういう「俗悪」なものに対しては、必ず批判的に反応する人達がいますが、私は、「俗悪」なものがあってこそ、立派なものも存在する、世の中はそんなふうに成り立っていると思うので、こうした作品のニーズはわかるような気がします。
「くだらない」ものって、必要だと思いませんか。
以上、まいっちんぐマチコ先生(えびはら武司、復刊ドットコム)は、女性教師・麻衣マチコと生徒、同僚男性教師らとのエッチな騒動を描く、でした。
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