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『ゆうひが丘の総理大臣』は孤児院で育った大岩雄二郎と実母(南風洋子さん)との関係も見どころで母親との出会いは胸一杯に

『ゆうひが丘の総理大臣』は孤児院で育った大岩雄二郎と実母(南風洋子さん)との関係も見どころで母親との出会いは胸一杯に

『ゆうひが丘の総理大臣』は、孤児院で育った大岩雄二郎が高校教師として生徒や同僚教師らと繰り広げる学園ヒューマンドラマです。教師役は中村雅俊。生き別れとなった母親役は今日が生まれた日である南風洋子さんが演じて全40話中指折りの名作になりました。(画像はDVDより)

ゆうひが丘の総理大臣

『ゆうひが丘の総理大臣』については、これまでこのブログでも取り上げてきました。

『ゆうひが丘の総理大臣』はその前に放送された『青春ド真中!』と似ているという声もあるが実は似て非なるドラマという件
『ゆうひが丘の総理大臣』といえば漫画を原作としながらもほぼオリジナル化した中村雅俊の代表作。『青春ド真中!』が終了したクールから放送開始されました。両作品は設定や出演者が似ているので混同される方もおられますが似て非なるドラマと言えます。

母子家庭で育った大岩雄二郎(中村雅俊)は、母親に捨てられ養護施設で育てられ、しかも途中で妹(山本由香利⇒山本ゆか里)はある家庭(月丘千秋)に引き取られたため、家庭も家族も経験したくてもできず大人になったという設定です。

そこからアメリカの大学に留学し、帰国後はどこで接点があったのかは定かではありませんが、後輩という多野木念(神田正輝)の勤務する夕日が丘学園高校に英語の教師として赴任します。

大岩雄二郎の経歴がすっかり気に入った百田てる学園長(京塚昌子)、自分の考え(偏差値エリート主義)にそぐわないことを不快に思う東剛教頭(宍戸錠)、学園長の姪の百田桜子先生(由美かおる)、教頭の腰巾着であるとともに百田桜子先生をめぐる“恋の鞘当て”役の伊井加一先生(小松政夫)、娘(篠ひろ子)を巡ってデリケートな関係にある大坂直次郎先生(名古屋章)と山下健三先生(前田吟)、大坂先生の将棋相手である上条伸吉先生(由利徹)、マイペースな体育の山森久子先生(木原光知子)などが夕日が丘学園の教職員の面々。

一方、生徒は、中心的な存在が、大岩雄二郎に「総理大臣(ソーリ)」というあだ名を付けた柴田良次(井上純一)、冬木健吉(草川祐馬)、山川平作(清水昭博)の問題児グループ。

草川祐馬が結核で途中降板したため、グループテコ入れに大宮次男(広松肇)、木下藤吉(田鍋友啓)、前島正樹(松原秀樹)、針山鉄平(佐野文敏)らが加わりました。

学校には、問題児だけでなく、遠藤壮一(長谷川諭)、岡田君子(斉藤友子)、山本進(岡村清太郎⇒清元延寿太夫)ら勉強熱心な優等生もいます。

女子生徒は、藤村春子(藤谷美和子)、小島ひろみ(清水恵子)、青田のり子(小川ユキ)、麻丘陽子(島村聖名子⇒小川菜摘)、北川真弓(北村優子)などが出演しています。

そして、ソーリは木念の下宿に一緒に住みますが、下宿は1階が定食屋、2階が下宿になっていて、大屋ふく(樹木希林)、大屋薫(岡田奈々)の母子が住み、結婚までは大坂先生の娘の大坂道子(篠ひろ子)も住んでいました。

余談ですが、この定食屋、ソーリと木念と道子さん以外の客がいたことはありません(笑)

従来の学園ドラマは、熱血の先生が、生徒や他の先生との間で様々な出来事を繰り広げる、つまり学園を主舞台としたドラマツルギーですが、『ゆうひが丘の総理大臣』は少し違います。

もちろん、学園における生徒とのあれこれもあるのですが、どちらかというと、幼年期に不幸な「ほしのもと」だったソーリが、生徒や同僚教師の親子関係、家族関係、人間関係におせっかいをやくパターンが40話にわたって続きます。

ですから、たんなる学園ドラマではなく、ヒューマン学園ドラマとでも言うべき独特のジャンルにあります。

その終盤の大きな山場が、第36話の『やさしさって何ですか?』(1979年8月8日放送)。

ソーリが、今日が生まれた日である南風洋子(1930年1月22日~2007年8月19日)演じる実母と出会う話です。

ふるさとは遠きにありて思うもの

ソーリは、アメリカ時代の友人(戸井田稔)の招きで、生徒たちと北海道へ行った際、実は近くに、雄二郎の母親と思しき女性(南風洋子)が働いているが会ってみないか、といわれます。

どうやら、ソーリを北海道に招いたのは、それが目的だったよう。

ソーリは、「俺たちを捨てたおふくろなんか会いたいものか」と拒否しますが、生徒たちを先に帰して滞在を延ばし、チョロチョロ母親を覗きに行きます。

DVDより

DVDより

走っている車に泥をはねられ、母親から「これで拭きなさい」とタオルをもらったことも。

DVDより

DVDより

そこで、母子の名乗りを上げたわけではありませんが、母親は、ニコニコ笑ってタオルを渡すと、急に目をそらして「それじゃあ」と去っていきます。

「自分にも、このくらいの息子がいたんだ」と思い出したのかもしれません。

母親はその時再婚していのですが、航海士を失職して飲んだくれていた再婚相手(佐藤允)に、ソーリは「おじさん、おばさんを心配させるな」と食って掛かり、「どうして、そんなに静枝にこだわるんだ」と訝られます。

ソーリは結局、名乗ることはせずに東京に戻ることにしましたが、母親は自分を訪ねてきた人が雄二郎であることに気づき、走り出す電車の窓から息子の名を呼びます。

しかし、ソーリは気づかず、車中で心のなかで母親に「さよなら」を言い、涙を流します。

南風洋子とは誰だ


南風洋子(みなかぜようこ)さんは、首席で宝塚歌劇団に入団。

同期生の有馬稲子とコンビを組み、男役のノロちゃんとして親しまれました。

退団後は新東宝、劇団民藝、映画、テレビなどで活躍しました。

南風洋子は、1970年代のトレンドドラマのひとつであった青春学園ドラマで重要な役どころを演じています。

青春学園ドラマの金字塔といわれる『飛び出せ!青春』(1972年2月20日~1973年2月18日、東宝/NTV)で、生徒の中心的存在だった高木勇作(石橋正次)の母親役も演じているのです。

「大岩雄二郎=室生犀星」を裏付ける話

以前書いたように、『ゆうひが丘の総理大臣』は漫画作品でしたが、ドラマは登場人物の設定等、原作とは大きく異なり、タイトルと一部の設定を除いてほぼ別作品となっています

https://fromsite.info/%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%B2%E3%81%8C%E4%B8%98%E3%81%AE%E7%B7%8F%E7%90%86%E5%A4%A7%E8%87%A3

では、どんなモチーフなのか。

私は上のOGP記事にも書いたように、室生犀星を思い出しました。

非嫡出子として生まれて、7歳で室生家の養子になるなど不幸な生涯を送ったにもかかわらず、健全に生きようという詩を残しています。

その一方で、「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」(「抒情小曲集」)の詩にあるように、不幸な過去は振り返らないという強い気持ちから、決して故郷には帰らなかったといいます。

この36話こそが、その詩を裏付ける話だったのではないでしょうか。

みなさんは、いかが思われますか。

以上、『ゆうひが丘の総理大臣』は孤児院で育った大岩雄二郎と実母(南風洋子さん)との関係も見どころで母親との出会いは胸一杯に、でした。

ゆうひが丘の総理大臣 VOL.13 [DVD] - 中村雅俊, 由美かおる, 神田正輝, 宍戸錠, 名古屋章, 小松政夫, 由利徹, 岡田奈々, 望月あきら, 中村雅俊
ゆうひが丘の総理大臣 VOL.13 [DVD] – 中村雅俊, 由美かおる, 神田正輝, 宍戸錠, 名古屋章, 小松政夫, 由利徹, 岡田奈々, 望月あきら, 中村雅俊

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