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カップヌードルが、ひところ中華料理症候群との関連を疑われたが、バランスの良い食生活をしていれば問題ないことがわかった

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カップヌードルが、ひところ中華料理症候群との関連を疑われたが、バランスの良い食生活をしていれば問題ないことがわかった

カップヌードルが、ひところ中華料理症候群との関連を疑われたが、バランスの良い食生活をしていれば問題ないことがわかった。スナック麺のため脂質が多い食品なので、タンパク質やビタミンを取れる食品と併せて食べることがよいという。

環境ホルモン説を払拭

カップヌードルと中華料理症候群についてしばしば関連付けられるので、今回はそのことについて触れてみたい。

日清食品は2008年の4月から、「カップヌードル」レギュラーサイズ全9品の容器を、ポリスチレン容器から紙製の「ECOカップ」に変更した。その理由は、「地球環境への配慮」「必要情報の分かりやすい表示」「品質の向上」にあるという。(同社サイトより)

カップヌードル容器の環境ホルモン説もあったが、それは科学的に立証できなかった。

容器を変えることで、いずれにしてもそのイメージを払拭する狙いもあるかもしれない。

カップ麺の容器による環境ホルモンで子どもができなくなるという説は、リアルな人へのリスクを判定するまでには至っていない
カップ麺の容器による環境ホルモンで子どもができなくなるという説は、リアルな人へのリスクを判定するまでには至っていない。人への環境ホルモン作用が確認されたものはひとつもないので、現時点で現実的なリスクとは言えない。

カップヌードルが店頭に並んだのは、1971年のことだった。

まだ私が子どもの頃だが覚えている。

値段はひとつ100円。

インスタントラーメンが1袋30円、そば屋のかけそばが90円の時代だから贅沢品ではあったが、鍋で煮ないで容器にそのままお湯を入れて食べられるのは新鮮だった。

ただ、その頃は正直なところ、即席麺独自の味や風味がどうも好きになれなかった。

また、一時騒がれた中華料理症候群(チャイニーズ・レストラン・シンドローム=グルタミン酸ナトリウムの摂取で頭痛、体の痺れなどを起こすとされる)を用心していたところもあるかもしれない。

旨み成分のグルタミン酸ナトリウムは石油で作るから、インスタントラーメンは石油汁を食べているようなものだ、などという酷評も一部にはあり、「インスタントラーメンは体に悪い」というイメージからも積極的に摂取したいとは思わなかった。

しかし、最近になって思うのだが、カップヌードルもなかなかイケるような気がする。過去の記憶はあてにならないかもしれないが、格段に味が向上したように感じるのだ。

カップヌードルはなぜおいしくなったか

そんな自分の舌の見立てが正しいのかどうか私は気になり、まず味の点を日清食品にお尋ねした。

「”基本的な味”は、1971年の発売当時から変えておりませんが、より愛されるようにと、具材の質・量の改良を行っております」(広報部)

「基本的な味」というのは具体的に何だろう。「具材の質・量の改良」で味がかわるのだろうか。今度はインスタントラーメンについて詳しい日本即席食品工業協会に、カップヌードルにかかわらず、インスタントラーメン全般についてお尋ねした。

「即席めんについてはJAS規格が昭和40年に定められており、現在国内の約8割の商品がこの規格に適合しております。JAS規格においてめんに使用できる食品添加物はその物質名で制限されており、30年前と比べて大きな変化はないと思われます。またかやく、スープについても保存料や合成着色料など使用してはいけない規定があることから大きな変化はないと思われます」

添加物が変わったわけではないらしい。

では麺やスープの材料がかわったのだろうか。

「原材料については加工技術の進歩により種類が大幅に増加しています。めんの原材料は小麦、でんぷん、食塩、油とほぼ変わっていませんがかやくはスープの原材料はその種類が増加しています。

たとえばかやくではチャーシューや海産物(海老、わかめ、ホタテなど)野菜がレトルト加工技術や乾燥技術の向上により数多くのものが使用できるようになりました、スープにおいてもかつては粉末状態のものが主でしたが液体状のものが添付できるようになり、醤油一つをとっても様々な種類のものを採用しているようです」

カップヌードルの場合、「かやく」と「醤油一つをとっても様々な種類のものを採用」というところが該当する。

具材とスープの原料が向上したということか。

では、「基本的な味」の鍵を握る調味料はどうだろうか。冒頭の石油云々というのは、当時、グルタミン酸を原材料とする「味の素」が、石油で作られていると言われたところが風評の発端となっている。

そこで、こちらは味の素にお伺いした。

それによると、「味の素」の原材料であるグルタミン酸は、1962?1973年の一時期に、発酵法による製法の他に、石油からつくられるアクリロニトリルを使用して製造していたが、効率が悪かったため中止され、1973年以降はさとうきびの糖蜜やキャッサバやとうもろこしのでんぷんなどを原料とした発酵法のみで製造されているという。

「石油由来」を使っていたことは間違いではないようだ。ということは、やはり体に悪かったのか。しかし、同社は安全性についてはこう太鼓判を押す。

「1987年には世界中の研究機関で行われたグルタミン酸ナトリムの安全性に関する研究成果をもとに国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)がグルタミン酸ナトリムの安全性について評価を行い、使用量の制限はなく、大人から幼児にいたるまでどなたでも(妊娠している方、赤ちゃんにも)安心してご使用いただけ、安全であると評価しています」(お客様相談センター)

中華料理店症候群について

ちなみに、中華料理店症候群は、JECFA(国際連合食糧農業機関=FAO、世界保健機構=WHOの合同食品添加物専門家会議)、 FDA(米国食品薬品局)、EUFIC (ヨーロッパ食品情報会議)、 SCF(欧州連合食品科学委員会)などで臨床試験や議論がなされたものの、グルタミン酸ナトリウムとの間には相関関係は確認されていない。

そのため、中華料理店症候群とされるものの原因は、グルタミン酸ナトリウムそれ自体ではなく、ナトリウム(つまり塩分)の過剰摂取やビタミンB6の不足、酸化した油による消化不良や不快感などが原因ではないかと推測されている。

前出の日本即席食品工業協会も、こうアドバイスしてくれた。

「インスタントラーメンだけを食事にした場合栄養に偏りがありますが、そのものだけを食べるのではなく野菜などと併せてバランスよく食べることが大切です。

一般的に炭水化物、脂質が多い食品ですのでタンパク質やビタミンを取れる食品と併せて食べることがよいと考えられます」

要するに、インスタント食品とはいいながらも鮮度にも気を使い、スープは欲張って飲み干さない方がいいのかもしれない。そして、極度に依存せず他の食品をバランス良く摂取すれば禁忌とする必要はなく、スナック麺として安心して美味しく食べられるということだ。

以上、カップヌードルが、ひところ中華料理症候群との関連を疑われたが、バランスの良い食生活をしていれば問題ないことがわかった、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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