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低カロリーについて話題になっている。高カロリーだとどんな病気になるのか、問題はカロリーではないのではないかという議論

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低カロリーについて話題になっている。高カロリーだとどんな病気になるのか、問題はカロリーではないのではないかという議論

低カロリーについて話題になっている。高カロリーだとどんな病気になるのか、問題はカロリーではないのではないかという議論だ。飽食の時代だから以前なら考えられなかった病気になった、というのはありがちな推理だが、本当にただしいのだろうか。

低カロリーという言葉がある。

昔は栄養を摂ることが健康につながるとされたが、飽食時代の現代では、高カロリーが病気につながるとされているのだ。

しかし、では何カロリー以上とるとどのような病気になるのか。それが明らかになったわけではない。

少なくとも、何をもって「低」カロリーかが明らかでないと、健康情報としては好ましくないのではないだろうか。

今回もスケプティクスに考えてみよう。

栄養失調や拒食症になってしまうことも

『日刊ゲンダイ』(2009年1月29日付)にこんなベタ記事があった。

低カロリー生活で
記憶力が向上!?
独大学が発表

 健康で体重が標準から肥満の中高年男女に、食事のカロリーを3割減らすことを続けてもらったところ、記憶力テストの成績が2割向上したと、ドイツ・ミュンスター大の研究チームが発表した。
 実験は年齢が50?80歳の男女49人が対象。このうち19人がカロリーを3割減らし、20人が青魚など不飽和脂肪酸の摂取量を2割増やし、残り10人が普段通りの食生活を続けた。3カ月後、単語15を覚えるテストを行うと、低カロリー食のグループだけ成績が2割上ったという。
 低カロリー食が健康長寿につながることは、伝統的な食生活を送っている沖縄の高齢者調査でも明らかになっているが、認知症予防にも役立つ可能性がある。

「単語15を覚えるテスト」だけで「記憶力が向上」といえるかどうかという反問もさることながら、「低カロリー食が健康長寿」といいきってしまうことは注意が必要だ。

なにをもって「高」「低」であるかも曖昧なまま「低カロリーが健康」説を流布することで、「真面目」な人々は、とにかくカロリーの摂取を徹底して控えるようになり、逆に栄養失調や拒食症になってしまうこともある。

情弱日本人

我が国、日本の大衆は、健康情報で簡単に動いてしまう。

テレビの健康情報番組で、バナナがいいといえばバナナが売り切れる。

そして、とにかくバナナばかりを食べる。

そして、ちょっと健康によくないものが含まれるというと、今度は絶対に食べない。

この「ばっかり食べ」と「絶対食べない」は、それこそが不健康のもとである。

食べ物は、どんなものでも、栄養になる部分と毒になる部分が含まれている。

私たちは長年の歴史の中で、それらを幾種類も食べることで、栄養や毒を補完したり相殺したりしてきたのだ。

どのくらいのBMIの人ならどのくらいの食事量か、といった具体的な指標が必要ではないだろうか。

そもそも何のために「低カロリー」を求めるのか

そして、そもそも論として、「何のために『低カロリー』を求めているのか」という問題もある。

低カロリーは、糖尿病の治療でしばしば言われてきた。

カロリーを減らせば、血糖値を安定的に落ち着かせることができるというわけだ。

しかし、ケトン体が人類を救う~糖質制限でなぜ健康になるのか~(宗田哲男著、光文社新書)には、著者の宗田哲男さんが、それが「神話」、すなわち合理的根拠を欠いた信仰のようなものだと戒めている。

カロリー(を減らせ)神話
血糖値とカロリーには、何の関係もない。にもかかわらず、カロリー制限で糖尿病を治そうとする矛盾無意味で、かえって悪化させる。 低カロリーは体力が落ち、生活に支障が出るうえに、皮肉なことに、低カロリーなものには炭水化物が多く、かえって糖尿病は悪化する。
カロリーではなく、糖質量に注目して食事の管理をすれば、血糖値を管理できる。 薬を使わなくても、血糖値を管理できる。

要するに、健康のキーワードは、低カロリーではなく低糖質という話だ。

宗田哲男さんは産婦人科医で、実証済みの糖質制限を勧めている。

人は糖質を摂取しないと、肝臓でたん白質を分解し、それでも足りないと脂肪を分解して栄養にする代謝を行うが、そのときに出でくるものをケトン体という。

ケトン体は、糖尿病や肥満だけでなく、認知症やがん等にも有効として研究が進んでいる。

がん細胞は、糖質を栄養源としていて、ケトン体を栄養源としていないという理屈によるものだ。

で、糖質を摂らないケトン体質に至ると、タンパク質だけでなく脂肪をどんどん燃焼するから、カロリーが減ってしまうと体が痩せてしまうのだ。

だから、端的に述べると、低カロリーではいけない、ということだ。

ケトン体について

ケトン体とは、脂肪酸が肝臓で代謝されて生じる代謝産物の一種であり、エネルギー源として重要な働きをする。

以下で、ケトン体について詳しく解説しておこう。

ケトン体の生成
ケトン体は、脂肪酸が肝臓でβ酸化されることによって生成される。β酸化とは、脂肪酸をエネルギーに変換する代謝経路の一つであり、脂肪酸をアセチルCoAに分解することで、ケトン体が生成される。

ケトン体の種類
ケトン体には、アセトン、アセトアセチ酸、β-ヒドロキシ酪酸の3種類がある。アセトンは、呼気中に検出されることがあり、アセトアセチ酸とβ-ヒドロキシ酪酸は、血液中に存在する。

ケトン体の働き
ケトン体は、脳や心臓などの臓器でエネルギー源として使用される。通常、ブドウ糖が主なエネルギー源となっているが、飢餓状態や糖質制限ダイエットなど、ブドウ糖が不足する場合には、ケトン体が代替エネルギー源として利用される。

ケトン体の異常
ケトン体は、通常、エネルギー源として必要な物質だが、過剰なケトン体が蓄積すると、ケトアシドーシスと呼ばれる異常状態を引き起こす。ケトアシドーシスは、糖尿病やアルコール中毒など、様々な原因によって引き起こされ、酸性物質であるケトン体の過剰蓄積によって、酸性状態に陥り、重篤な状態に進展することがある。

ケトン体の関連疾患
ケトン体は、糖質制限ダイエットや断食などによって生成されるため、ダイエットや健康に関心がある人々に注目されている。また、最近の研究では、ケトン体がアルツハイマーの予防に有効という報告もある。

ということで、低カロリーにこだわることが、本当に健康への正しい道筋なのかは、議論が必要かもしれない。

以上、低カロリーについて話題になっている。高カロリーだとどんな病気になるのか、問題はカロリーではないのではないかという議論、でした。

健康情報・本当の話
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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