ストレッチングボードEV(アサヒ)は、脳障害によって尖足に陥った状態から再び自立歩行させるための健康・リハビリ器具がある。健康器具と聞いただけで否定したがる自称オカルト否定派もいるかもしれないが、脳障害の可塑性の関係について考える。
『ストレッチングボードEV』(アサヒ)は、踏み板に角度をつけることで、ふくらはぎを伸ばす健康器具だ。
踏むだけで、ふくらはぎのストレッチングになり、さらに体を動かすことで複合的な運動が可能なので、リハビリ器具としては非常に便利である。
したがって、老若男女誰でも使えるが、我が家の場合は、脳障害で尖足になった長男のリハビリ用に使っている。
『ストレッチングボードEV』の機能
まず、『ストレッチングボードEV』という健康・リハビリ器具について説明しよう。
台を任意の角度に傾け、その上に乗るだけで、ふくらはぎが伸びまる。
実にシンプルな、だけれどストレッチの実感がある器具である。
踏むだけでふくらはぎのストレッチングになり、
さらに体を動かすことで複合的な運動が可能である。
角度は、5~35度まで自分で調整できる。
ストレッチと書いたが、老若男女が、それぞれ自分の現状にあった無理のないストレッチを行うことが出来る。
老若男女ということは、その中には障碍者も含まれる。
たとえば、脳障害で尖足になった場合、もし、覚醒して自ら起立や歩行が出来るような段階にあるのなら、硬くなったその足首のリハビリに適した器具といえるだろう。
尖足(せんそく)というのは、脳障害によって、足関節が足底のほうへ屈曲した位置に拘縮したものをいう。
もちろん、この状態では、歩こうにも、かかとを地面につけることができない。
つま先が伸び切っているので、足先で歩く、もしくは歩けずに車椅子状態になる。
こういう足の状態を、もとの足の動きができる角度に回復させるマシンということだ。
身体の動かし方をレクチャーするペーパーも同梱されている。
ところが、である。
科学バカの一部には、それに異を唱える者がいる。
曰く、障害はケガや病気と違い治るものではない。
だから、治すことを目的とするリハビリは「虚しいだけ」である。
それよりも、「ある程度しっかり障がいを受容することが合理的で現実的」とのことである。
要するに、そんなリハビリは意味がない。
それで尖足は治らない、という意見である。
回復に向けてのリハビリよりも、現状の障害者としてどう生きるかを考えなさいと、いうお説教である。
克服で来るかできないかは、やってみなければわからないだろう
脳細胞は、いったん死んだら再生できない、といわれてきた。
交通事故による脳挫傷や、一酸化炭素中毒、脳卒中などによる低酸素脳症によって、脳に障害が残ったら、原状復帰としての再生は、困難ということだ。
しかし、だからといって、その機能を使った活動が以後不可能である、と決めつける必要はない。
脳は、その機能を失っても、別の部分が失われた機能を代わりに行うことで、結果として機能の回復が期待できる「可塑性」がある。
さらに最近では、脳細胞を再生させる幹細胞も発見され、それを刺激することで脳細胞が活発に再生されるという再生医療の研究も行われている。
その件については今回は措くが、とにかく、脳障害者が尖足になったからといって足が戻ることを諦める必要はないということである。
そして、そのリハビリに、冒頭の『ストレッチングボードEV』は有用である。
もちろん、脳障がい者は誰でも足の障害が治って歩けるようになる、などと述べる気はないが、どんなに歩いてほぐそうとしても戻らなかった足首の硬さがもとに戻ることはある。
論より証拠のリハビリ
たとえば、私の長男は12年前の火災で、遷延性意識障害、すなわち植物人間と診断された。
手首は曲がったまま、足は伸び切った尖足で硬直したまま何ヶ月もたっていた筆者の長男は、この器具によって現在は全く問題なく歩行している。
つまり、ストレッチングボードEVによるリハビリで、植物人間状態から歩行機能を回復させた。
植物人間が歩いた!話した!ごはんも食べた!遷延性意識障害からの生還(みおなおみ著、市井文化社)は、社会復帰リハビリの記録 https://t.co/C59GC6qyda #遷延性意識障害 #植物人間
— まめだぬき (@mame365march) January 31, 2023
2011年5月に受傷して、7月の段階で重度の意識障害に陥った。
右足が尖足であるだけでなく、両手指が全く伸びない。
2011年8月。車椅子に乗せたが、やはり右足の尖足はそのままで車椅子にちゃんと乗れない。
2011年9月。意識を回復し、腕や足を動かせるところまで回復したが、まだ尖足は残っている。
何とか車椅子に足は乗ったが、この時点で足の指を内側に反らせることができない。
ここから、3箇所でOT(理学療法士)の猛訓練を受け、何とか1年後の2012年7月には、歩けるところまで来た。
そして、2017年4月には、地面に右足かかとがついている。
少なくとも、かつて重度障害だったとは誰も思わないだろう。
できるかできないかは、やってみなければわからない。
尖足の後遺症が残っている方、歩けるようにはなったもののバランスに難のある方は、物は試しでいかがだろうか。
以上、ストレッチングボードEV(アサヒ)は、脳障害によって尖足に陥った状態から再び自立歩行させるための健康・リハビリ器具がある。でした。
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