チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る、なんていわれることがある。チョコレートといえばごくありふれたお菓子である。

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チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る、なんていわれることがある。チョコレートといえばごくありふれたお菓子である。

チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る、なんていわれることがある。チョコレートといえばごくありふれたお菓子である。それを食べ過ぎたからといって体に害があるのなら、チョコレートはスーパーではなく薬局で扱わなければならなくなる。

そこで今回は、チョコレートと鼻血問題についてスケプティクスな立場から書いてみた。

チョコレートを食べることが鼻血の原因となるという、一般的な科学的根拠はない。

鼻血は通常、鼻の内部の血管が破れたり刺激を受けたりしたときに起こる。

鼻血は、鼻の内部が乾燥していたり、外傷を受けたり、アレルギー反応があったりする場合にも起こることがある。

ただし、個人差があるため、特定の人にとってチョコレートが鼻血を引き起こす可能性はある。

ただし、これはチョコレート自体が直接原因であるわけではなく、他の要因と関連している可能性がある。

繰り返し鼻血が出る場合は、医師に相談することをお勧めしたい。

といったことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るよ」

健康食品というのは、何もキノコ系や海藻から化学的に抽出したものばかりではない。

文字通り、私たちが普段食べている食材・食品について、その中の成分をとりあげて「健康にいい」と宣伝される場合がある。

たとえば、チョコレートがそうだ。

子どもの頃、チョコレートをたくさん食べるとよく言われたものだ。

「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るよ」

チョコレートといえば、楽器で言えばピアノのようなもの。

ピアノがそれ単独の演奏でも、オーケストラの伴奏役としても使われるように、チョコレートの使い道もいろいろある。

板チョコやエアロチョコのようにそれ単独で食べるだけでなく、ヌガー、ナッツ、ビスケットなどセンターの上にチョコレートをコーティングしたエンローバーチョコ、ココア、チョコレートを使ったチョコ菓子などもある。

ではそんなチョコレートに、血圧を上げたり血管をもろくしたりする作用があるのか。

だとすればスイーツ党にとっては大変だ。

が、結論から述べると、チョコレートの食べ過ぎによる鼻血説に科学的根拠はない。

では、どうして鼻血が出るといわれるのか。

甘くておいしく、エネルギー源になるチョコレートは本能的に子どもにとっての大好物だ。

食べ過ぎることで食事がおろそかになったり、むし歯の原因になったりすることから、戒める方便にそう言われるようになった可能性はある。

チョコレートには、そのような俗説を生みやすい根拠らしきものはたしかに存在する。

チョコレートは、カカオ豆由来のココアバターやカカオマスに、砂糖、香料などを加えて固めたもの。したがって、その成分で最も多いのはショ糖と乳糖である。

これらはすぐにエネルギーとして吸収される。とくに脳は栄養源に糖を求める。

また、チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は、カフェインによく似た物質で脳を刺激する。

心臓血管や中枢神経に作用して、リラックス効果がある健康成分として宣伝されている。

亜鉛、カリウム、食物繊維なども含まれている。

チョコレートが勉強や仕事のエネルギー補給に役立つ

どのくらいの効果があるか、具体的な数字は食べる量やその他の因子によるが、とにかくチョコレートが勉強や仕事のエネルギー補給に役立つことは間違いではない。

しかも、ショ糖と乳糖は血糖値を上げて空腹を一時的に抑える。

つまり、血液に活力を与えることが、血管を破って鼻血が出るという想像につながるのではないだろうか。

また、甘いチョコレートを食べ過ぎると、飲み込んだ後も喉の奥にチョコがついたままになる。

それが、喉が焼けるような感覚があることから、チョコのパワーで血管まで破れてしまうような言われ方をしたとも考えられる。

まことしやかに鼻血説を強調する人々には、チョコレートにチラミンという成分が含まれていることを根拠とすることもある。

チラミンというのは、神経からノルアドレナリンという副腎から血液に放出されるホルモンのこと。これによって血圧の上昇や血管の急激な収縮・拡張などがおこる。そこで、粘膜が腫れたり血管が破れたりすることにつながるというわけだ。

もっとも、それはチョコレート以外にもチーズ、赤ワイン、バター、筋子、トリレバーなどに多く含まれているもので、食べ物に含まれる量では鼻血や粘膜の腫れなどは起こらない。

まあ、カリウムが含まれているからと言って、果物を食べて腎不全にならないか、と心配するようなものだ。

そういう食べ物事大主義は、フードファディズムの一種だと筆者は考えている。

いずれにしても、それは主食ではないから、健康な人が常識的な量を食べる分には問題ない。

性的な興奮状態で鼻血が出るという話も俗説

ただ、MAO阻害剤と呼ばれる取り扱いの難しい抗うつ薬と、チラミン含有量の多い食品を一緒に摂取すると、血圧が上がるという報告はある。

まれにチョコの食べ過ぎで頭痛が起こる場合などはそれを疑う人もいる。

ちなみに、性的な興奮状態で鼻血が出るという話も俗説である。

医学的には根拠のない都市伝説とされている。

鼻血は、通常、鼻の内部の血管が破れたり刺激を受けたりしたときに起こる。

性的興奮状態にあるときに、血液の流れが鼻に集中することがあるため、鼻血が起こる可能性があると言われているが、でもまあ、これは極めて稀な現象であり、科学的に確認されたものではない。

以上、チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る、なんていわれることがある。チョコレートといえばごくありふれたお菓子である。でした。

チョコケーキとクッキー、生チョコレートの本
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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