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メタボリックシンドロームについて、「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という報告が話題になっている

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メタボリックシンドロームについて、「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という報告が話題になっている

メタボリックシンドロームで脳卒中の罹患が増えるか?「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という報告が話題になっているという話だ。「メタボリックシンドロームは脳卒中と無関係?」という「日経メディカルブログ記事をご紹介する。

メタボリックシンドロームは、要するに内臓脂肪症候群、すなわち内臓脂肪が多い肥満の人のことで、高血圧、高血糖、高脂血症などの危険因子を併せ持っている状態といわれる。

これらの危険因子で心配されるのが、動脈硬化である。

動脈硬化から、心筋梗塞や脳梗塞(脳卒中)など命を脅かす病気になるリスクが飛躍的に高まるとされる。

しかし、本当にそうなのか、スケプティクス(懐疑者)の立場で考え直してみようという話である。

メタボリックシンドロームは、腰周りの脂肪蓄積、高血圧、高血糖、高脂血症、および低HDLコレステロール(善玉コレステロール)のレベルが高いことを示す一連の症状を指す。

これらの症状の存在は、心臓病、脳卒中、および糖尿病などの疾患のリスクを増加させる。

脳卒中は、脳の血管が破裂したり、塞がったりして、脳細胞が酸素や栄養素を得られなくなることで引き起こされるといわれる。

脳卒中は、長期間の高血圧や高コレステロールなど、メタボリックシンドロームの症状が原因となることがある。

特に、高血圧と高コレステロールは、脳卒中のリスクを増加させることが知られている。

メタボリックシンドロームと脳卒中の関係についての研究は、脳卒中のリスクを高める可能性があるメカニズムを探ることを目的として行われている。

これらの研究により、メタボリックシンドロームの症状が、血液中の炎症性マーカーの増加、血管内皮細胞の損傷、血液中の凝固物質の増加、および自律神経系の異常など、脳卒中の原因となる生理的変化を引き起こすことが示唆されている。

そのため、メタボリックシンドロームの治療は、脳卒中を予防するための重要な手段の一つとなる。

メタボリックシンドロームの治療には、食事の改善、運動、体重の減少、および必要に応じて薬物療法が含まれます。これらの対策を講じることで、脳卒中のリスクを低減することができるとされている。

ただし、それぞれについて異論もある。

といったことを踏まえた上で、以下のことをお読みいただきたい。

メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない

「日経メディカルブログ」に書かれている北澤京子さんの「医学論文を斬る」に、「メタボリックシンドロームは脳卒中と無関係?」という記事がある。

「斉藤功、小西正光、渡部和子、近藤弘一、藤本弘一郎、岡田克俊『地域集団におけるメタボリックシンドロームの脳卒中罹患に及ぼす影響について』日本公衆衛生学会誌2007; 54: 677-83」という論文についての論評である。

同論文は、「日本において、メタボリックシンドローム(以下、メタボと略)の診断基準を満たす人は、そうでない人に比べて、脳卒中の罹患が増えるかどうかを検証」した。

愛媛県旧O市(2000年の人口は約3万9000人)で、1996?98年に基本健康診査を受けた40歳以上の男女4672人中、脳卒中の既往がある人を除いた4627人のコホート研究(筆者注、過去ではなく、そのときから未来がどうかを調べる研究)で、結果は、「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という。

北澤京子さんはこの論文について、「未知の交絡因子(筆者注、付随する他の要因)が存在する可能性を否定できないものの、結果はほぼ信頼できるのではないかと思われます」としている。

筆者も、メタボで「予防」する疾患は「ウエスト何センチ」という一律数字それ自体の意味よりも、「未知の交絡因子」をさらに調べることの方が重要ではないかと思った。

「きっこの日記」は間違ったことを書いている

余談だが、「きっこの日記」は「メタボ健診」について、また間違ったことを書いている。

「『メタボ退治』と称して、国民のウエスト、血圧、中性脂肪値、空腹時の血糖値などを計って、基準値を超えてる人は『最大10%の医療費アップ』をするんだって!」(2007/12/16 (日)「 自民党こそがアルカイダ 1」)

「メタボ健診」というのは、「40歳以上の被保険者・被扶養者を対象とする、内臓脂肪型肥満に着目した健診及び保健指導の事業」である。

「国民を」というきっこの書き方は不正確。

中学生や高校生は対象としていないのだから……。

正しくは、「特定健康診査・特定保健指導」という。

2008年4月より始まった、40歳~74歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした保健制度である。

具体的には、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行う。

メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的である。

「最大10%の医療費アップ」が決まったという話もない。

保険料の引き上げがあるとしても、それは被保険者全員に対してであり、現実問題として「基準値を超えてる」かどうかで医療費が変わっていたら医療現場は混乱するだろう。

なんで、そんな有り得そうもない話を拡散するのだろうか。

「10%」という数字は、いわゆる後高医に関する法律で、医療保険者が負担する支援金を最大10%加算減算する規定から引っ張ってきたのではないだろうか。

繰り返すが、これがそのまま一般の健保医療費アップにつながるわけではない。

それにしても、何でこんな人がウケるのかなあ……

それだけ、本来正しいことを書くべき者(科学者など)に対する潜在的な反発心や物足りなさなどが国民の中にあるのかもしれない。

以上、メタボリックシンドロームについて、「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という報告が話題になっている、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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