レーシック手術のリスクがやっと知られることとなった。そして一方でオルソケラトロジー・オサートについての評価が高まっている

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レーシック手術のリスクがやっと知られることとなった。そして一方でオルソケラトロジー・オサートについての評価が高まっている

レーシック手術のリスクがやっと知られることとなった。そして一方でオルソケラトロジー・オサートについての評価が高まっている。一人ひとりの角膜形状に合わせて精密にデザインされた専用コンタクトレンズを夜間装用して矯正するのだ。

オルソケラトロジーは、角膜の形状を変えることで近視を矯正する方法だ。

通常、コンタクトレンズを目に装着して使用する方法で、夜間に装着することで、眠っている間に角膜の形状を変えることができる。

朝になると、レンズを外すと、一時的に近視が矯正された状態が続く。

この方法は、レーシック手術を受けることを避けたい人や、コンタクトレンズやメガネを毎日使用するのが面倒な人に適している。

一方、オサートは、睡眠中に特定の波長の光を照射することで、近視の進行を抑えるための治療法だ。

この方法は、近視が進行している子供や若者に特に有効。

照射される光は、網膜の光感受性細胞に働きかけ、網膜の伸張を抑制することで、近視の進行を遅らせる効果がある。

オルソケラトロジーとオサートは、ともに角膜の形状を変えることで、近視の矯正や進行を抑えるための治療法だ。

それぞれの方法には、それぞれのメリットやデメリットがあります。治療を検討する場合は、眼科医と相談して、自分に最適な方法を選択することが重要である。

といったことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

レーシックには様々な問題点

レーシック手術のリスクとオルソケラトロジー・オサートについて書いてみよう。

集団感染でリスクが取り沙汰されているレーシック手術について、三井メディカルクリニックの三井石根医師が「東京スポーツ」(2009年3月4日付)でコメントしている。

レーシック手術で67人が感染性角膜炎などの健康被害を訴えたという。不十分な滅菌処理で角膜が炎症を起こした可能性が高いそうだ。
レーシック手術で67人が感染性角膜炎などの健康被害を訴えたという。不十分な滅菌処理で角膜が炎症を起こした可能性が高いそうだ。これまでは、レーシックの安全性について懐疑することも許されなかったが、今度こそ真剣に考えて欲しい。

それによると、レーシック手術は、マイナス8D(レンズの屈折度)以上の人(つまり超強度の近視)は再近視化(再手術)のリスクがある、角膜が薄い人はできない、老眼の始まる40代以上の人は適さない、などの問題点があるという。

レーシック手術については、水道橋博士が必死になって広告塔をつとめているが、そのリスクや不向きな場合などもきちんと示すべきであると、筆者は『健康情報・本当の話』(楽工社)で批判した。

ところで、三井石根医師といえば、シーシックとは異なるやり方で視力矯正を目指すオサートを行う医師である。

最近のマスコミでは、オルソケラトロジー、もしくはオサートという角膜矯正療法が、レーシックやイントラレーシックの置き換え治療の可能性を含めて期待されている。

北京オリンピックでメダルを取った女子レスリング選手が、オルソケラトロジーで視力を矯正したという話もしばしば報道される。

オルソケラトロジー、もしくはオサートとは何か

では、 オルソケラトロジー、もしくはオサートとは何か。

人間が物を見るときは、入ってくる光が眼球の水晶体を通って目の奥の網膜で結像する。それが近視の場合、焦点が網膜の手前で結ばれてしまうため、きちんと見えない。

そこで、入ってくる光を、いったん凹レンズを通して焦点を後退させることで、網膜上に結像させるようにするのが、メガネやコンタクトレンズの矯正法である。

これは一般的に採用されている視力矯正だが、いわゆる「度が進む」ことは避けられず、コンタクトレンズは、付けたり外したりする作業や管理が面倒であることなども欠点とされている。

メガネは割れることが、コンタクトレンズははずれることがあるため、どちらもスポーツ選手には不都合なことがある。

レーシックやイントラレーシックは、角膜中央部をレーザーで焼き、くぼんだ状態にして角膜に凹レンズの形状をつくるものである。手術も簡単でリスクは少ないとされるが、いったん焼いた角膜は元に戻らず、施術者によってはトラブルが起こる場合もある。

レーシックの視力回復の確実性や安全性をいぶかるのはけしからんという意見もあるが、流行に対して安全性を検証してみたい。
レーシックが流行している。レーシックを懐疑的に書くとたちまち炎上するほどだ。レーシックの視力回復の確実性や安全性をいぶかるのはけしからんという意見である。ここでは改めて、レーシックについてスケプティクスに書いておきたい。

また、角膜の屈折率が変わっているため、将来高齢になって起こりうる白内障の手術の際に苦労が伴う。

一方、オルソケラトロジーは、内側に特殊なカーブをもった専用コンタクトレンズをはめて自分の角膜全体を凹レンズ化させる。

それを夜間着用することで、朝起きてはずしても角膜は型付け(凹レンズ化)が残り、日中は矯正された状態で過ごせる。レーシックのように角膜を焼きとるわけではないから、専用コンタクトレンズをやめればいずれ元に戻る。

このオルソケラトロジーを、より強度の近視や乱視、遠視、老眼などにも使えるように精密化したものとして、オサートが登場。

最近はこちらも患者数が増えているという。

この矯正を行っているのは、三井メディカルクリニックという。

さっそく問い合わせてみた。

実際に取材してみた

まず、一番肝心なこととして、この矯正で本当に裸眼で見えるようになるのか?という点を尋ねた。

同クリニックによると、現在、眼鏡などの矯正によりよく見える状態であれば、そのレベルまでは裸眼視力として見えてくる可能性はあるという。

ただし、一気に視力が上がるわけではない。

「例えば、視力0.03の方の場合、0.03→1.2と1段階で視力を向上させる事が治療の原理上出来ないため、0.03→0.1→0.6→1.2(3段階)と段階を踏んで行っていく治療」になるという。

つまり、数分ではっきりと結果が出るレーシックに比べると、成果を実感するのに時間がかかるということである。

めやすとして、視力0.01の人が、矯正によって裸眼で車を運転できる可能性がある場合、それが実現するのは1年ぐらいかかるようだ。

ここは病院側の説明だけでなく、体験者の話も聞きたいところである。

次に、レーシックの場合には、緑内障患者は禁忌ではないが、レーシックを行っても問題ないという診断書が必要とされている。

しかし、通常の眼科はそもそもレーシックを推奨しておらず、そのような証明を発行してもらうには病院側の理解が必要である。

その点については、三井メディカルクリニックは、

・昨年4月より眼科専門医の医師も常勤しており、緑内障に対する検査も行えること
・矯正は眼圧を上げずに行えること

などから無問題としている。

もうひとつ、検討する人ならどうしても気になるのが治療費である。

これは健康保険が効かず、レーシックのような外科手術でもないので医療保険の対象にもならない。

つまり、費用は全額自分が払わなければならない。

初診料は2470円~3500円。レンズはオサートの場合で治療費込み両眼38万円、片眼27万円 (どちらも税別)である。

同クリニックによると、カード払いが使え、「24回まで」という。1回あたり1万7000円ぐらいだろうか。これを高いと思うか適当と思うかは、それぞれの価値観によるが、いずれにしてもカードを使えるので、経済的な垣根は低いようだ。

レーシックVSオルソケラトロジー・オサートまとめ

レーシックとの違い

・オサートはレーシックのようにレーザーで手術しない。合わなければレンズを装着しなければ元に戻る。後に別の矯正術が登場しても対応しやすい。

・レーシックでは20%が再手術になる。タイガーウッズも2度手術した。患者の中にはレーシックの経験者もいる。つまり、レーシックの再手術にかわってオサートレンズによる矯正を選択したものであり、オサートの技術はそれを受け入れることができるということ。

レーシックの視力回復の確実性や安全性をいぶかるのはけしからんという意見もあるが、流行に対して安全性を検証してみたい。
レーシックが流行している。レーシックを懐疑的に書くとたちまち炎上するほどだ。レーシックの視力回復の確実性や安全性をいぶかるのはけしからんという意見である。ここでは改めて、レーシックについてスケプティクスに書いておきたい。

・レーシックは成長期の子どもにはできないが、オサートはむしろ近視の進行しやすい成長期にこそ適している。

・レーシックはすぐ効果が現れ、オサートはそれに比べれば時間がかかるとされるが、最短では4時間で裸眼で過ごせるようになった例もある。

課題点や注意点

・オサートは老眼にも対応しているが、老眼を治すわけではなく、遠近の視力のバランスを整えるだけ。

・認可前のため、治療に使うレンズは「販売」ではなく「貸与」となる。認可はここ1?2年のうちに行われるのではないか。

・矯正レンズの装着をやめると視力は元に戻ってしまう。元に戻らない技術を現在開発中だが、いついつできるとは言えない。

・残余乱視や夜間グレアなど、レーシックにも起こる現象が稀にある。前者は近視が先行して矯正されるための一時的な現象で、次第に乱視も矯正される。後者はレンズを作り替えることで対応する。

・衛生状態や装着時間によっては角膜びらんを起こすこともある。よほどひどいドライアイでなければ指示を守って装着することで防げる。

治療が「睡眠時の装着」である理由

・昼間の活動時に装着しても重力でレンズが下がってくるため、角膜に正しく型が付かない。ある程度型が付いてからなら多少の装着は問題ないが、少なくとも装着後1週間は、仰向けになって6?8時間睡眠をとる際に装着することが望ましい。

オサートはレーシックに置き換わるか?

・置き換わるというほどではないが、レーザー手術に抵抗がある人が、細胞を減らす(元に戻らない)レーザー手術の前に試みる価値は十分にある。

以上、前回の聞き取り、そして今回の説明会で、良い点や課題点が明らかになってきたが、実はまだ個人的に気になる点がある。

同クリニックは、患者に対していきなり既製品のレンズをあてがうのではなく、初診時にクリニックの所持する8000枚のテストレンズを使って最適のデザインを調べてからオーダーメードで用意するという。

それ自体は大変結構なのだが、初診で2時間は装着するというテストレンズは使い捨てではないだろう。もちろんタンパク質除去の処置は施すだろうが、完全に除去できるのか。できなければそのリスクはどうなのだろう。レンズの衛生管理に関する説明はなかった。

衛生管理など説明以前のことだと関係者は憤慨するかもしれない。が、ここのところ「流行」している食べ物に限らず不正や偽装がまかり通る現代、患者・消費者は安全性に対する確認に今まで以上に力点を置く傾向がある。上記の不安は私だけではないはずだ。

説明会は予定の時間をオーバーしたため、その質問はできなかったが、いずれ機会を見て改めてクリニックに質問してみようと思っている。

◆三井メディカルクリニック
http://www.ortho-k.co.jp/index.html

レーシックの問題点手については、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しい。

以上、レーシック手術のリスクがやっと知られることとなった。そして一方でオルソケラトロジー・オサートについての評価が高まっている、でした。

健康情報・本当の話 - 草野 直樹
健康情報・本当の話 – 草野 直樹

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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