free web hit counter

乳酸というのをご存知だろうか。体内が無酸素状態になることでできる老廃物といわれてきた。しかし、疲労物質は別という意見も

この記事は約5分で読めます。

乳酸というのをご存知だろうか。体内が無酸素状態になることでできる老廃物といわれてきた。しかし、疲労物質は別という意見も

乳酸というのをご存知だろうか。体内が無酸素状態になることでできる老廃物といわれてきた。ということは、要らないもの、もしくは悪いものという扱いである。つまり、あってはならないものという見方が正しいことになる。しかし、実はそうではないのだ。

そう唱える研究者もいる、というスケプティクスな話である。

乳酸は、有機化合物で、カルボン酸の1種だ。キラル中心を1つ持つため鏡像異性体が存在し、R体かS体かの区別が必要な場合があります。乳酸の塩やエステルはラクタートあるいはラクテート(lactate)と呼ばれる。

カルボン酸(カルボンさん、carboxylic acid)とは、少なくとも一つのカルボキシ基(-COOH)を有する有機酸だ。

カルボン酸はプロトン供与体であるためブレンステッド酸であり、最も一般的な有機酸である。

カルボン酸の一般式はR-COOHと表すことができ、Rは一価の官能基だ。

カルボキシ基(carboxyl group)は、カルボニル基(RR’C=O)とヒドロキシ基からなる官能基で、化学式は-C(=O)OHになるが、慣例的に-COOHまたは-CO2Hと書かれる。

乳酸は解糖系の生成物のひとつで、急激な運動を行うと筋肉の細胞内でエネルギー源として糖が分解されピルビン酸を経て乳酸が蓄積する。

だから、乳酸は疲労物質だ、という話である。

化学の概念解説を書いてもきりがないが、とにかく、そのようなことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

乳酸とはなんだ

乳酸(にゅうさん)は、化学的には有機酸の一種であり、化学式はC3H6O3と表される。

乳酸は、乳製品や発酵食品、特に乳酸発酵によって生成されることで知られている。

乳酸は、主に乳酸菌が糖を分解する過程で生成される。

この過程は、糖が乳酸菌によって代謝され、乳酸と二酸化炭素が生成される乳酸発酵と呼ばれる。

乳酸は、乳製品の酸味や風味の形成に重要な役割を果たしている。

また、乳酸は保存食品や飲料においても酸味料や防腐剤として使用されることがある。

また、乳酸は生物学的な意味でも重要だ。

私たちの体内では、筋肉の活動時に酸素不足が起こると、乳酸が生成される。

これは乳酸発酵と呼ばれ、一時的にエネルギー供給を補う役割を果たす。

筋肉内の乳酸濃度が高まることで、疲労感が生じることもあるが、休息や酸素の供給が回復すると乳酸は分解され、エネルギー供給が正常化する。

乳酸は、医療や化粧品の分野でも利用されており、皮膚の美容効果や抗菌作用があるとされている。

また、乳酸は食品添加物としても使用され、pH調整剤や保存料として機能する。

これが、乳酸というものだ。

乳酸がたまって疲れるというのは間違い

よく運動して疲れると「乳酸がたまっているから」などというが、それは嘘、というのは『東京スポーツ』(2009年6月24日付)の記事だ。

「血液や筋肉中の乳酸濃度は、運動後30分から1時間もたてば、元の安静時のレベルに戻ります。したがって、運動から数時間たった後の疲労や翌日の筋肉痛などに乳酸はまったく関係がありません」

「たしかに、乳酸は強い酸なので水溶液中にたくさん混ぜれば、その液は強い酸性になります。ところが、ヒトの体では中性にする仕組みが働くため、簡単には酸性になりません」(東京大学大学院総合文化研究科・八田秀雄准教授)

これに似たスケプティクスな話が、「肉を食べると体が酸性になる」。

マジレスするが、肉を食べると体が酸性になるという主張は根拠について議論がある。

スイスの生理学者グスタフ・フォン・ブンゲは、肉を食べると含硫アミノ酸が硫酸に変化し、体組織を酸性にするのでアルカリ性のミネラルを摂取する必要があると主張した。

しかし、現在の医学・生理学界では、アルカリ性食品という健康法の効果を認める意見はまずない。

アルカリ性食品とは、体内で消化される際にアルカリ性の影響を与えるとされる食品のことだ。

一般的に、野菜、果物、海藻、キノコ、大豆製品、梅干しなどがアルカリ性食品に分類される。

これらの食品はナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを含んでいる。

アルカリ性食品という健康法は、体内の酸性とアルカリ性のバランスを整えることができるとされている。

ただし、現在の医学・生理学界では、アルカリ性食品という健康法の効果を認める意見はほとんどない。

アルカリ性食品に含まれるビタミン、ミネラルやポリフェノールなどが健康に良い影響を与えることはあるが、「アルカリ性食品」と一括りにした表現は意味がないとされている。

そもそも、食べた物でいちいち体が変わっていたら、食事などできやしない。

しかし、こうした考え方は、フードファディズムにつながるので、決して忽せにはできない。

フードファディズムとは、一時的に流行する食事法や食品のことを指す。

これらの食事法や食品は、しばしば健康やダイエットに良いとされるが、科学的根拠が不十分な場合が多くある。

フードファディズムは、しばしばメディアやセレブリティによって広められるが、長期的な健康効果については不明確な場合が多い。

話を戻すと、同紙ではむしろ、問題なのはリン酸だという。

リン酸は、化学式 H3PO4 の無機酸で、リンのオキソ酸の一種だ。

オルトリン酸とも呼ばれる。

リン酸は、DNAやATPを構成するため非常に重要で、生化学反応では、低分子化合物の代謝においてリン酸が付加した化合物(リン酸エステルなど)が中間体として用いられることが多い。

また、タンパク質の機能調節(またそれによるシグナル伝達)においてもリン酸化は重要だ。

カルシウムとつきやすく、筋肉の収縮を阻害するため、疲労の一因となると考えられるが、ほかにも脳に疲労が関係しているという説を紹介する。

少なくとも、日常的な疲労と乳酸は無関係ということだ。

同紙では「乳酸は、疲労の原因どころか、エネルギーを生み出す強い味方なのだ」と結んでいる。

物事は、いつもうのみにするのではなくスケプティクスな態度が必要である。

以上、乳酸というのをご存知だろうか。体内が無酸素状態になることでできる老廃物といわれてきた。しかし、疲労物質は別という意見も、でした。

効く健康法 効かない健康法 - 岡田正彦
効く健康法 効かない健康法 – 岡田正彦

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

草野直樹(かやのなおき)をフォローする
スケプティクス
トレンド雑談

コメント