仏教は現代科学と両立可能な唯一の宗教である、という考えがあります。なぜなら仏教の教えと現代科学との共通点が多々指摘できるからです。でも、宗教は信仰したり念仏を唱えたり拝んだりするんでしょう?いや、お釈迦様の仏教は違うんですよ。
「仏教は近代科学と両立可能な唯一の宗教」と言ったのは、アルベルトアインシュタイン。
みなさんは、宗教というと、どんなことをイメージしますか。
お寺とか、神社とか、教会とかに行って拝むとかね。
像に対して、念仏となえるとか。
要するに、何かにすがったり信仰したりする事をイメージするかな。
でも、仏教は本来、そうではないんです。
え?
寺院や、なんとか如来や菩薩の仏像とか、南無〇〇の念仏とか、あるじゃないかって?
あれは、大乗仏教と言って、お釈迦様のオリジナル仏教に新しい解釈を架上したものです。
たとえば、「色即是空」なんて、お釈迦様は言ってないんですよ。
オリジナルの仏教は、神様の存在を前提としていないし、拝めば幸せになれるとも言ってません。
じゃあ、何なの?
人の心や存在を、その時代なりに合理的に分析した上で、煩悩を卒業するための教えなのです。
アビダルマ仏教の世界観
この動画は、佐々木閑さんの『仏教は宇宙をどう見たか: アビダルマ仏教の科学的世界観』 (DOJIN文庫)を解説したものです。
【人生変わる】ブッダは「色即是空」とは言っていない…超科学的で現実的な本当の仏教の世界観『仏教は宇宙をどう見たか―アビダルマ仏教の科学的世界… https://t.co/oZINJmBOaf @YouTubeより
— 赤べコム (@akabecom) May 5, 2023
「仏教は近代科学と両立可能な唯一の宗教」であることを解説しています。
佐々木閑さんは、仏教学者であり、(浄土)真宗高田派の僧籍もある方ですが、お釈迦様のオリジナル仏教から、現在の日本の仏教である大乗仏教への変容についての書籍をたくさん出されています。
みなさん、般若心経を写経したり、〇〇如来の仏像を拝んだりしませんか。
それは、大乗仏教であり、お釈迦様のオリジナル仏教には出てきません。
住職/僧侶がYouTubeで、さもお釈迦様の教えに沿ったかのような法話を行っていますが、日本の仏教は大乗仏教です。
聞いていると、オリジナルの仏教と、大乗仏教をごっちゃにしていますよね。
だから、ついお釈迦様の仏教がそのままこんにちまで、続いているように誤解されてしまうのかもしれません。
では、本書タイトルにある「アビダルマ」とはなにか。
釈尊(お釈迦様)の死後百年から数百年の間(紀元前3世紀頃)に、上座部と大衆部に分裂(根本分裂)したのち、釈尊と直弟子時代の初期仏教を継承した上座部がさらに分裂して成立した諸派の仏教を部派仏教、もしくはアビダルマ仏教といいます。
つまり、大乗仏教の影響を一切受けずに、大元も釈迦牟尼時代のオリジナル仏教を体系化した唯一の仏教哲学ナンです。
上の動画は、仏教が現代科学と両立可能な唯一の宗教であるという考えを紹介しています。
著者の佐々木閑さんは、京都大学で科学者を目指していたが、ある重大なことに気づいて仏教学科に転向しました。
本書は、アビダルマ仏教の科学的世界観に基づいて、仏教の教えと現代科学との共通点について解説しています。
仏教についての一般的なイメージとは異なり、この本は科学的で現実的なものであると述べられています。
アビダルマの中で、もっとも完成された本を『アビダルマ・コーシャ・バーシャ』といい、日本では古来より倶舎論(くしゃろん)といわれてきました。
物質と心とエネルギーの連関で成立している
現代物理学では、物質を構成する基本要素は素粒子であるとされています。
一方、大乗仏教は「色即是空」といって、この世のものはすべては空である、実体なんかないんだ、という教えです。
しかし、倶舎論は、「この世の多くの存在は虚構だが、その奥には間違いなく実在するものがある」としています。
「家」や「自動車」などは、虚構的存在(仮設≡けせつ)である。
それらは、様々な部品、パーツの集合体であり、バラせばもとの存在は消滅する。
では、すべてが虚構かというとそうではなく、虚構世界の奥に、それらを構成する基本的な実在要素がある。
それは大きく分けて、物質世界と精神(心)世界とエネルギーの3つの世界があり、それらが連関して成立している。
ここが、他の宗教との決定的な違いですよね。
他の宗教は観念論と言って、精神と物質ははっきり分離されて精神は独立した存在です。
だから、仏教は「神様」とか「霊魂」が出てこないんです。
ちなみに、科学は、物質をおおもととして精神があるという唯物論であり、それは現象として合理的であるのですが、しかし、最近の量子力学や脳科学の研究が進んでいわれるのは、従来の科学ではたとえばどうして意識が発生するのかが説明がつかない、ということです。
つまり、唯物論も実は物事を明らかにする完成形ではない、ということなのです。
仏教にはその先があって、その連関した3つの世界から解脱した涅槃寂静の世界というのがあるのですが、いずれにしても、仏教が「観念」をおおもととする他の宗教とは違い、物質的世界と精神(心)の世界との連関を細かく見ている点で、非常に優れた哲学であることが本書を読むとわかります。
冒頭の言葉ですが、アルベルト・アインシュタインは、自然科学の分野で偉大な功績を残した物理学者であり、また宗教的な考え方にも深い関心を持っていました。
彼は、自分が仏教や東洋思想に関心を持つようになったのは、西洋の宗教には深い不満があったからだと語っています。そんな中、彼は「仏教は近代科学と両立可能な唯一の宗教である」という言葉を残しています。
この言葉には、仏教と近代科学が異なる点でも共通する点でもあるものが含まれています。
仏教は、宗教的な信仰や神秘主義的な考え方に重点を置く西洋の宗教とは異なり、経験に基づいた思考や調査、実験を通じて真理を求める科学的なアプローチに近いとされています。
また、仏教では様々な自然法則や人間の本性についての洞察があり、これらを研究することによって科学的な知見と重なる部分も多くあるとされています。
書籍、レビュー動画とも、おすすめできます。
以上、仏教は現代科学と両立可能な唯一の宗教である、という考えがあります。なぜなら仏教の教えと現代科学との共通点が多々指摘、でした。
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