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医療相談掲示板で見た「迷惑書き込み」が話題になっている。症状を描いて病名や処方などを診断してくださいという要求だ。

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医療相談掲示板で見た「迷惑書き込み」から

医療相談掲示板で見た「迷惑書き込み」から

医療相談掲示板で見た「迷惑書き込み」が話題になっている。症状を描いて病名や処方などを診断してくださいという要求だ。病気の診断がインターネットでできるはずがなく、医療的掲示板的には迷惑この上ないが、スケプティクスに考えると……。

Web掲示板の迷惑書き込みとは、本来不適切な内容を投稿することで、他のユーザーの迷惑や不快感を引き起こす行為を指す。

以下に代表的な迷惑書き込みの種類を説明しよう。

1.スパム
スパムは、広告や宣伝目的で掲示板に投稿される無関係な内容や、スパムリンクを含む投稿のことを指す。
スパム投稿は、掲示板の質を低下させ、読者が掲示板を訪れることを嫌がるようになる可能性がある。

2.フラミング
フラミングは、攻撃的で侮辱的な内容を投稿することで、他のユーザーを挑発する行為を指す。
フラミングは、ネガティブな雰囲気を作り出し、掲示板上での建設的な議論を阻害する可能性がある。

3.荒らし
荒らしは、掲示板を意図的に混乱させたり、ユーザーを不安にさせるために、煽りや誹謗中傷、嘘の情報を投稿することを指す。
荒らしは、掲示板上での信頼性を低下させ、ユーザーの参加意欲を減退させる可能性がある。

4.ステルスマーケティング
ステルスマーケティングは、宣伝目的で投稿された内容に見せかけて、裏で企業や商品のプロモーションを行うことを指す。
ステルスマーケティングは、掲示板の信頼性を損ない、ユーザーの反感を買う可能性がある。

これらの迷惑書き込みは、掲示板の雰囲気を悪化させ、ユーザーの利用体験を損ねる可能性がある。

掲示板管理者は、これらの書き込みを適切に管理し、排除することが重要です。また、ユーザー自身も、迷惑書き込みを行わず、掲示板を健全なコミュニケーションの場として利用することが求められる。

ただし、今回話題にする「迷惑書き込み」は、これらとは少し違う。

医療相談掲示板というWebの相談掲示板には病院や診療所の現役医師が開設したものもある。

治療方針に悩む患者家族の一助になれば、という善意の場合がほとんどだが、中には無知でわがままな患者たちの相談が書き込まれることがある。

ただ、それらは「迷惑書き込み」ではあるのだが、誰かを誹謗中傷したり掲示板を混乱させたりすることを目的にしているわけではない。

以下、スケプティクスに考えよう。

病名診断を求める書き込み

たとえば、そうした掲示板に必ずあるのが、病名診断を求める書き込みだ。

「体のどこそこが?なんですが、△△病ではないでしょうか」

これは医療的には無意味であるだけでなく、場合によっては有害かもしれない。

なぜなら、病気の診断がインターネットでできるはずがないからだ。

書かれている症状は風邪のようでも、ただの風邪か、より重篤な病気の一症状かはわからない。

病名は医師が実際の問診や触診を行っても診断できず、画像等で調べなければならないものもある。

匿名無責任の場で診断した病名で、治療計画などたてられるはずがない。

しかし、それでも書きたい人の気持ちはわかる。いてもたってもいられず、何か情報が欲しいのである。

自分の僅かな自覚症状でも、同じ経験をしている人が1人でも2人でも何かを教えてくれれば、それで気が休まるのだ。

本当に悪ければ、ちゃんと医師に診せるだろうし、診せなくてもその掲示板の管理者が気にすることはない。

そういう書き込みは、居丈高に叱りとばさず、掲示板の規約に明記した上で質問の仕方をかえるようにアドバイスするか、もしくはスルーでもいいと思う。

医療行為についての考え方が、医師から見るといい加減

医療行為についての考え方が、医師から見るといい加減な書き込みもある。

ある妊婦は高齢出産のため、胎児の染色体異常を心配した。

そこで、まずクアトロ検査を受けて、そこで怪しかったら羊水検査を受けたいみたいがどうか、という書き込みをした。

クアトロ検査というのは、妊婦の採血によって胎児の染色体異常の「確率」をみる検査である。

採血だから侵襲性はほとんどないが、「確率」しかわからない。

一方、羊水検査というのは、文字通り妊婦の腹に針を刺して羊水を抜き取り、胎児が染色体異常かどうかを「診断」する検査である。

診断だからどちらかがはっきりするが、侵襲性は大きく流産の可能性もある。

一長一短ある2つの検査のために、クアトロ検査に留めるか、クアトロ検査の結果次第で羊水検査も行うか、最初から羊水検査を行うか、妊婦は悩むわけだ。

妊婦の書き込みに対して、医師は多少苛立ってこう回答した。

大事なのは、まず染色体異常の子どもだったらどうなのか。

率直に言って産み育てる意思があるのか、その肝心な部分がはっきりしているのかどうかだ。

産むと決めていればそんな検査は要らない。

事情があって産めないのなら、羊水検査で結果を出せばいいだけのこと。たとえば、クアトロ検査で確率が「1/500」と出た場合、「数字が小さいから大丈夫」と思えるならいいが、しょせん確率だから「1」が心配な人もいる。

そういう人は、たとえ「1/1000」と出ても「1/10000」と出ても不安が残る。それなら最初から確率検査などに手を出さず、羊水検査をすべきだ。

医師の回答は合理的である。

書き込み者は、染色体異常の子どもが産まれた場合どうかということをまずはっきりさせるのではなく、検査の確率が悪かったら考えようとしている。検査で背中を押してもらうわけだ。

検査の使い方は正しくないのかもしれないが、質問者の気持ちもわかる。

人間は、いつも結論ありきでそのシーンをしっかりイメージし、逆算して自分の行動を理路整然と定められるわけではない。

そのときどきの心境や状況を実際に体験しないと前に進めない弱さがあるものだ。

クアトロ検査で確率が示されてから、初めて胎児の染色体異常の場合を現実の問題としてとらえ、羊水検査を検討するということもある。

それはそれでいいのではないだろうか。

人間はまちがい得る

これらの例は、掲示板の使い方や思考方法などに問題があるかもしれないが、掲示板を通して不安や結論の定まらない自分の立ち位置を明らかにさせたりしている。

書き込み者は掲示板の存在に感謝しているはずだ。

医療相談に限らず、掲示板の開設者は日頃、参加者が必ずしも自分の求める水準や価値観やふるまいでないことに、腹を立てたり失望したりすることもあるかもしれない。

しかし、少なくとも悪意でないものについては、寛大に受け止めて欲しい。

以上、医療相談掲示板で見た「迷惑書き込み」が話題になっている。症状を描いて病名や処方などを診断してくださいという要求だ。でした。
健康情報・本当の話
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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