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『妻、小学生になる。』(村田椰融、芳文社)はテレビドラマ化もされた人気漫画。原作も佳境に入り結末予想がかまびすしい

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『妻、小学生になる。』(村田椰融、芳文社)はテレビドラマ化もされた人気漫画。原作も佳境に入り結末予想がかまびすしい

『妻、小学生になる。』(村田椰融、芳文社)はテレビドラマ化もされた人気漫画。原作も佳境に入り結末予想がかまびすしい。新島家の笑いが絶えない温かい家庭、こんなにも純粋に愛し合えるのかと感嘆する夫婦の思いなど、ピュアな人間模様が描かれています。

『妻、小学生になる。』は、村田椰融さんが『週刊漫画TIMES』で連載し、芳文社で単行本リリースされています。

村田椰融さんは、『一〇〇一回目の命日』 (トレイルコミックス)、『わたしはおにのこ』 (トレイルコミックス)など、これまでも死生観を物語として表現してきましたが、いよいよ本格的にその世界に踏み込んだ感があるのが本作です。

2022年の1月クールではテレビドラマ化され、温かいホームドラマと大好評でした。

原作も佳境に入り、「妻」の魂が成仏するのか、それとも別の展開もあるのかとの結末の話題で盛り上がっています。

ということで、この記事でも、『妻、小学生になる。』の人気の秘密と結末について書いてみます。

「私は新島貴恵!あんたの妻!麻衣の母親!」

寂しげに帰路につく会社員・新島圭介。

それをじーっと見ている、ランドセルを背負った女の子。

家で仕事をする娘・麻衣が迎えます。

新島圭介は、娘の麻衣と2人暮らしです。

妻の貴恵は、10年前に早逝しました。

以来、圭介は魂の抜け殻になったような消化試合人生を送っています。

2人が、圭介が買ってきたコンビニ弁当を黙々と食べていると、ピンポーン。

圭介が玄関の戸を開けると、圭介を見ていた女の子が腕を組み、「ただいま」と一言。

「……えっと 君……。どこか他の家と間違えて……」

「間違えてないわよ!ここは私の家!私は新島貴恵!あんたの妻!麻衣の母親!……どちらも元だけどね」

小学生は、夫がプロポーズした場所、結婚記念日、家族旅行など、妻でなければ知り得ないことを知っており、貴恵であることを否定しようがありません。

「信じられないが、その口調、その雰囲気……貴恵だ。間違いなく言える」

「小学生の貴恵」が言うには、亡くなった年に輪廻転生で、別の家の娘である白石万理華として蘇り、また人生やり直しているのではないか、たまたまこの近くを通ったら、急にパーッといろいろ思い出してきちゃった、とのこと。

以来、貴恵は圭介にお弁当を作ってあげます。

圭介は元気を取り戻し、お弁当まで持ってくるようになったので、同僚からは「再婚フラグがたった」などといわれていますが、それを気にしているのは、女性社員の守屋好美。

圭介の娘の麻衣とほぼ同世代ですが、圭介のことが気になって仕方ありません。

娘の麻衣は、貴恵に背中を押され、就職して男性とも付き合うようになります。

そして、なんとか婚約までたどり着いた時、自分たちも将来また結婚しようか、と改めて思いを一つにした圭介と貴恵。

ところが、そのまもなく後、小学生の貴恵は貴恵としての自我のない白石万理華になってしまいます。

そのときは、しばらくして貴恵に戻ったため、たんに一時的に記憶を失ったと考えた圭介と麻衣ですが……。

見返りを求めない暖かさと純粋すぎる夫婦愛

漫画が人気なのは、まず、亡くなった人が蘇るという前提です。

「ありえないかもしれないけど、できれば本当にあってほしい」という思いから、感情移入できる作品ということです。

愛する人を突然失い、人生消化試合になっている時、その人が蘇ったらどんなに嬉しいでしょう。

それを漫画で実現してくれているのが、『妻、小学生になる。』です。

そして、ストーリーを豊かにしているのは、そのキャラクターです。

新島家の魅力は、温かい家庭であること。

いつも笑いが絶えない家庭であるのは羨ましいですね。

夫の圭介が、裏表のない人間性、そして、見返りを求めない愛情を注ぐ存在のため、人として信頼できることがあると思います。

もちろん、圭介だけでなく貴恵も、亡くなってもまた小学生として現れるほど、圭介が好きで仕方がない。

これだけ愛し合えるというのは、漫画であっても羨ましいの一言に付きます。

私はこの漫画が大好きで読んでいますが、楽しませていただいている一方で、妻帯者として複雑な気持ちにもなります。

私たち夫婦は、この新島夫妻のような、純粋で見返りのない、そして一途な愛し合い方をしているだろうかと……。

おそらくは、多くの読者が、人間的未熟さからそうとはいえない現状だからこそ、この美しい夫婦や家庭に羨望の思いをもって見ているのではないでしょうか。

結末を予想してみたが……

さて、ではこの漫画、結末はどうなるのでしょうか。

すでにテレビドラマはワンクールで完結しましたが、原作の方も佳境に入っています。

生まれ変わりだと思った貴恵が、実は白石万理華の肉体に憑依しただけだったらしいことを、貴恵自身も、そして圭介も感じています。

さすれば、いずれは万理華に肉体を返さなければならないし、それはすなわち、いよいよ貴恵が浄土に去ってしまうことを意味します。

その契機はおそらく、貴恵が現世から未練を取り去ること。

そのために、2人は別れたくないのに、それぞれが別れ方に腐心しているところです。

結末まで、あと1~2話なのかなあ。

『妻、小学生になる』の結末予想は、いろいろなブログで行われていますが、予想というより願望として、私はこの「生まれ変わりと互いに惹かれ合う運命」の結末に期待します。

たとえば、圭介がなにかの縁で知り合った人が、貴恵の今度こそ生まれ変わりである。

ただし、貴恵は貴恵としての記憶はない。

でもなにか惹かれ合うものがあり、2人は結ばれる。

という結末ではいかがでしょうか。

貴恵こと万理華は、小学校で同級生の美幸が、好きなタケルは私だけの彼であって欲しいのよと顔を赤らめながら言ったことに対して、小学生の時の恋愛と大人になってからの恋愛は全然違っていて純粋で欲張りだけど、私が圭介を想う気持ちと同じだと考えたシーンがあります。

ですから、このまま、貴恵がただ成仏をするだけでは寂し過ぎますし、このシーンの意味がありません。

かといって「憑依」であるのなら、よもやこのまま圭介と「万理華」の永遠の愛を結末にはできません。

何の罪もないのに体をとられた本来の万理華はどうなっちゃうの? ということになっちゃいますしね。

何より、亡くなった人は戻らない、という哲理をくずして安易に結婚させめでたしめでたしでは、作品の価値も失われてしまうような気がしますのですが、いかがでしょうか。

これまで「憑依」の物語としては、『天国から来たチャンピオン』(1978年)が有名です。

フットボール選手が、間違って本来の寿命より50年も前に火葬されてしまったため、いったんは大富豪の遺体を借りて蘇ります。

そこで、好きな女性ができたものの、大富豪の体を借りられる期限がきたため、今度は試合中の大怪我で寿命が尽きる予定のフットボール選手(しかも同じポジション)に生まれ変わることに。

しかし、今度は体を借りるのではなく本当の生まれ変わりのため、それまでの記憶は一切消失します。

ただ、好きな女性とはお互い何かを覚えていて惹かれ合うものを感じるところでエンディング、というストーリーです。

私は、この結末を踏襲したらいいのではないかと思います。

余談ですが、妻が夫を心配して、亡くなったあとも幽霊として夫を見守る話は、私が好きな作品だけでも2本あります。

ひとつは、『喜劇怪談旅行』(1972年、松竹)です。

フランキー堺が長距離列車の専務車掌、もしくは駅長をつとめる人気シリーズですが、相手はいつもの倍賞千恵子さんではなく、そういえばどこか似ている日色ともゑさんでした。

フランキー堺駅長夫人(日色ともゑ)が亡くなったものの、夫が心配で、夫だけに見える幽霊として現世にとどまります。

結末は、日色ともゑさんの二役ですが、フランキー堺さんが再婚するところで、安心して浄土に行きました。

テレビドラマでは、『あなただたけこんばんは』(1975年7月26日~1975年9月27日、フジ)という、倉本聰さんが脚本を担当し、若尾文子さんが主演したドラマがあります。

妻(若尾文子)は、夫(藤田まこと)のことが心配で極楽浄土できず、現世に残っています。

ただし、誰にでもその姿が見えるわけではなく、夫の兄(中条静夫)が寝ている時に枕元に現われ、兄は若尾文子さんの話を誠実に聞いてあげます。

最後は、夫が会社の女性(仁科亜季子)と再婚するのを確認して浄土しました。

どちらも、夫の再婚を確認して浄土する結末です。

『妻、小学生になる。』も、最初はこの展開かな、と思っていました。

ただ、先程書いたように、貴恵が圭介に対する独占欲としての愛を自覚しているシーンが入っている以上、貴恵のタマシイは役割を終えて浄土する、という結末とは少し違うのかなというのが私の予想です。

みなさんは、どう考えますか。

『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、AmazonKindleUnlimitedで、第1巻が読み放題リストに入っています。

また、amebaマンガ、まんが王国、コミックシーモア、U-NEXTなどでも第1巻を無料で読むことができます。

第1話については、村田椰融さんが原画をツイートして話題になりました。


以上、『妻、小学生になる』(村田椰融、芳文社)は、10年前に亡くなった妻が、ある日生まれ変わった小学生になって帰ってきた話です、でした。

妻、小学生になる。 1巻 (芳文社コミックス) - 村田椰融
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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