夫婦別姓が話題になっていますが、ハフポストでは結婚して妻側の姓を名乗る「妻氏婚(つまうじこん)」夫たちの座談会を記事にしています。妻の姓を名乗ったからと言って必ずしも別姓に賛成ではないなど、考え方が多様であることがわかります。
妻氏婚夫たちの本音
例の森喜朗発言以来、「男女平等」や「女性蔑視」というキーワードが、いささか神経質なくらいに私たちの生活に迫っている感がありますが、その流れか、今がチャンスということか、選択的夫婦別姓を待望する機運が、高まってとされる風潮があります。
ただ、夫婦別姓という制度自体は、男女同権と直接は関係ありません。
もちろん、圧倒的(96%)に妻側が夫の姓を名乗るのは背景に「男社会」ということはあるかもしれませんが、夫側の姓を名乗ることは決して強制ではないし、当事者が自由意志で決めることができるものです。
何より、夫側が妻側の姓を名乗る婚姻も少数ですがあります。
ということで、ハフポストでは、妻の姓を名乗った夫の本音を聞く座談会を記事にしています。
だから僕たちは妻の姓を選んだ。「妻氏婚」した夫の座談会 https://t.co/EB07ZuRPKc
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) March 25, 2021
ざっとまとめます。
小学校で教員
仕事は旧姓使用。
姓を変えるのは男性側でもいいんだ、という事実を示すことで、いつか子どもたちが大人になって結婚するときに、このことについて選択肢を持って考えてみるきっかけになればと思った。
「結婚したら夫婦の姓の一文字ずつを取って新苗字を創ればいい」という福沢諭吉の思想に影響を受け、どちらの姓かで悩んでいるならば女性側を尊重しようと決意
別姓がOKになったら、旧姓に戻してもいいと思っている。別姓賛成。
法律婚であっても事実婚であっても、同性婚であっても同様に保障されるといい。
「ふたりで話し合う」ってすごく重要なこと。
多国籍企業に勤務
仕事も新姓に切り替える。
直感的に「名字を変えるのも経験として面白いかな」と思ったのも関係している。
結婚によって家族が同じ姓になり、同一のラベルを持つことには、社会的な合理性と意義があると思う。
選択的夫婦別姓それ自体に反対ではないが、社会でもっと話し合いをしていく必要性はある。
法律婚と事実婚の扱いの違いは、なぜ両者に違いが生じているのか、という背景を理解したうえで議論していくべき。つまりどっちも同じ扱いにすることは留保をつける。
家族としてのベネフィットはあるから、家族の屋号が統一されること自体は合理的。
妻の姓を選んだことで、「価値観がアップデートされている男性」のように見られたいわけではない。夫婦で対等に話し合った結果として妻の姓を選んだ。そこが伝わると嬉しい。
サイボウズ勤務
仕事は旧姓使用。
「改姓したらどうなるんだろう?」と好奇心。
妻が二人姉妹だった
「男が姓を変える=婿養子」という誤解が世間にはまだまだあるんだな、と感じた。
改姓手続きの煩雑さにはうんざりした。
別姓に賛成と言ったら、妻には「じゃあ娘の姓はどうするの?」と聞かれた。
法律婚と事実婚、差別はないほうが良い。
まとめ
対談の結論としては、「どちらの姓にするか」よりも、夫婦が対等に話し合うことで姓を選ぶという行為自体が大事、と結んでいます。
しかし、それは言い方を変えると、対等に話し合える関係なら、必ずしも選択的夫婦別姓にこだわらなくてもいいという見方もできるし、対等に話し合える前提がないのに、選択的夫婦別姓という制度が先行することに意義や意味はあるのか、という懐疑もあります。
もっと意地悪な言い方をすれば、対等に話し合える関係構築ができない「逃げ」として、選択制別姓という制度の変更に活路を見出そうとしているのではないか、と勘ぐることもできます。
選択的夫婦別姓賛成派は、その点、どう弁明するのか伺ってみたいものです。
私の持論は、家制度自体を否定し、現在の家族制度を徹底させるという考え方をしているので、別姓の賛成派だろうが反対派だろうが、姓にこだわる人たちの気持ちなどわかりません。
どっちも応援する気もないし、支持もしません。
具体的には、「鈴木」と「佐藤」が結婚したら、「鈴木」「佐藤」そして「高橋」でも名のれる選択制なら賛成します。
だって、家族制度というのは、結婚すると親子でも別戸籍になるわけですし、戸主だの、家督相続だのといった記載は現在の戸籍にはいっさいされません。
すなわち、親や先祖とは別の戸籍ということですから、別の姓で何が悪いんだ、と思います。
現在の別姓議論は、しょせん、一つの姓を残すか、2つとも姓を残すかという、家制度の亡霊論争だと思っています。
以上、夫婦別姓が話題になっていますが、ハフポストでは結婚して妻側の姓を名乗る「妻氏婚(つまうじこん)」夫たちの座談会を記事に、でした。
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash
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