小六禮次郎さんといえば、何より印象的なのは1970年代の青春学園ドラマに提供された、コミカルで切ない伴奏音楽(劇伴)です。きれいなメロディーとアレンジは、ドラマを見たことのない人にも、そのすばらしさが伝わると思います。
非熱血教師の生徒に寄り添う姿を演奏した
先日、『おれは男だ!』が、放送開始日からまる50年を経過したことを記事にしました。
そのときもまとめた、日本テレビが放送した、テレビ映画形式の、いわゆる青春学園ドラマシリーズを挙げてみましょう。
【日本テレビの青春学園ドラマシリーズ一覧】
青春とはなんだ(夏木陽介、1965年10月24日~1966年11月13日)
これが青春だ!(竜雷太、1966年11月20日~1967年10月22日)
でっかい青春(竜雷太、1967年10月29日~1968年10月13日)
進め!青春 (浜畑賢吉、1968年10月20日~1968年12月29日)
(炎の青春)(東山敬司、1969年5月12日~1969年7月14日)
☆おれは男だ!(森田健作、1971年2月21日~1972年2月13日)
飛び出せ!青春(村野武範、1972年2月20日~1973年2月18日)
☆おこれ!男だ(森田健作、1973年2月25日~1973年9月30日)
われら青春!(中村雅俊、1974年4月7日~1974年9月29日)
★青春ド真中!(中村雅俊、1978年5月7日~1978年9月24日)
★(ゆうひが丘の総理大臣)(中村雅俊、1978年10月11日~1979年10月10日)
★(あさひが丘の大統領)(宮内淳、1979年10月17日~1980年9月17日)
()のドラマは、日曜20時以外の放送枠
☆は松竹製作、★はユニオン映画製作、無印は東宝製作です。
一口に『青春学園ドラマ』と書きましたが、大きく2つの傾向があり、松竹制作の『おれは男だ!』と『おこれ!男だ』は、「学園」の生徒の側から描いたドラマで、それ以外は先生の側から描いています。
そして、先生が主役のドラマは、『われら青春!』までは、いわゆる熱血教師が描かれており、音楽はいずみたくさんが担当しています。
それが、『青春ド真中!』になると、同じ中村雅俊主演なのに、いわゆる熱血教師ではなく、等身大の青年へと変わっていきます。
それは、音楽でもはっきり分かれていて、『青春ド真中!』と『ゆうひが丘の総理大臣』は、小六禮次郎さんが担当しています。
『あさひが丘の大統領』は、別に音楽担当がいるのですが、前2作で使った小六禮次郎さんの音楽を流用しています。
つまり、非熱血教師版の青春学園ドラマのシンボルが、小六禮次郎さんの音楽といってもいいでしょう。
「青春ド真中!」サントラ盤。
中村雅俊の学園モノ。このアルバムの曲は後番組「ゆうひが丘の総理大臣」にも流用された。音楽は小六禮次郎。涙の名盤。 pic.twitter.com/5wS5R4KE— Sasuga,Watari a.k.a.Robert Bloodstar (@R_Bloodstar) March 3, 2012
私は世代的に、リアルなのは『青春ド真中!』や『ゆうひが丘の総理大臣』あたりなので、小六禮次郎さんの音楽には、青春のノスタルジーが湧き上がってきます。
その2つのドラマの劇伴がCDで発売されているのは、ご存知でしたか。
青春を奏でる小六禮次郎の世界
青春ド真中! ミュージックファイル
『青春ド真中! ミュージックファイル』は、小六禮次郎作曲によるBGMを集めたアルバムです。
青春ド真中! ミュージックファイル – TVサントラ, TVサントラ
まだレコードの時代にLP盤でリリースされたことがあったそうですが、とにかくCDとして販売されているのは嬉しいことです。
きれいなメロディーとアレンジは、ドラマを見たことのない人にも、そのすばらしさが伝わると思います。
このページで視聴できます。
レビューも絶賛が並びます。
それにしても青春ドラマの作曲で小六禮次郎を超える作曲家は未だ現われてない聞くたびに元気になれるステキな曲です!
当時から番組内に流れる挿入歌が大好きでした。あれから35年も経ちますが、あの時の記憶がよみがえります。
全篇さわやかなアレンジが印象的ですが、その反面切ないメロディーにはドラマの場面が浮かんできます。
子供の頃の自分、既に他界した祖父母や母親も家の中もあの頃に戻れます。
これらのBGMは、次の『ゆうひが丘の総理大臣』でも流用されます。
さらに、『ゆうひが丘の総理大臣』では、改めていくつかのBGMが作られています。
「ゆうひが丘の総理大臣」ミュージック・ファイル
「ゆうひが丘の総理大臣」ミュージック・ファイルは、やはり小六禮次郎作曲によるBGMを集めたアルバムです。
「ゆうひが丘の総理大臣」ミュージック・ファイル – TVサントラ
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とくにこの2作に傾向の違いはないと思いますが、寂しさをモチーフとしたものが追加されている印象があります。
レビューから引用します。
大好きなドラマでサントラ盤が出てるなんて知りませんでした。とにかく懐かしく、後半はとにかく涙、涙!車の運転は出来ません!名曲のパレードです!が、しかし!聴けども聴けどもイチバン大好きな曲が入ってない!!マンドリンのとても切ない曲なのですが………。愕然として解説を読んでみると前ドラマの青春ド真ん中、と共有の曲も在るから、その曲はそちらに収録とありました。そちらも購入しなくては!
曲を聴いていると、映像の中のソーリや柴田君たち、大好きな岡田さん(斎藤とも子さん)遠藤君らの笑顔や、悩んで悩んで涙する彼らの表情が鮮明に蘇ります。柴田君や前島君に憧れて彼らの劇中での真似ばかりしていた学生時代に戻りたいなぁ……。
イーカ先生役の小松政夫さんがお亡くなりになりましたね。寂し限りです。合掌。自己満足に過ぎないのですが、当時ドラマを見ながら、泣いていたシーンを音楽だけでも思い起こすことができました。物語は毎回レギュラー陣が悩みや問題を抱えて、総理はじめみんなで解決して最後は「海を抱きしめて」のお決まりなのですが、それがいいんです。
ゆうひが丘の総理大臣は学園ドラマで一番好きなのですが、劇伴もとても印象的。
地上波で視聴する機会があり、改めてドラマの良さを実感。繰り返し視聴するうちに音楽にも浸りたいと思い購入。
個人的に好きな曲は全て入ってました。
小六禮次郎さんは本当に素晴らしい
私も全く異論はありません。
まとめ
今回はとくに申すことはありません。
論より証拠です、
ぜひ聴いてみて下さい。
以上、小六禮次郎さんといえば、何より印象的なのは1970年代の青春学園ドラマに提供された、コミカルで切ない伴奏音楽(劇伴)です、でした。
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