成功には運が重要という動画です。といっても、天分や才能も重要ですが、運そのものを自分自身で良くも悪くもできるという話です。最近、チャンネル登録者数が急上昇の占い師・けんけんさんの動画では、非合理主義を排除した「成功と運」の解説をしています
成功には才能<〇 コレがないとピンチ! https://t.co/E6Gk3xPffy @YouTubeより
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) March 23, 2023
彩聖健人さん(けんけんさん)の動画チャンネル、成功と運の相関性について解説した『成功には才能<〇 コレがないとピンチ!』が話題です。
動画では、成功には運が重要であるという研究結果が紹介されています。
天分である才能も重要ですが、運も自分自身で良くも悪くもできると説明されています。
一般的なイメージとして、占い師が「運が重要」というのはともかくとして、「運も自分自身で良くも悪くもできる」というところに、独自性を感じるかも知れません。
けんけんさんは、「オカルト」(迷信など、哲学で言う非合理主義)を否定している稀有な占い師です。
動画の中では、項目1から項目5まで、成功するためにはどのような要素が必要かについて話されています。
イタリアのカターニア大学が発表した論文も紹介され、才能よりも運が重要だということが論じられています。
最後に、視聴者からのコメントをもとに、色々なサイトでフォローしていただけるよう呼びかけています。
才能よりも運が大事
この記事を読まれているみなさんの中で、よもや「この世の中に『運』などというものはない」などと思っている人はいないですよね。
私が以前、更新していた無料ブログサービスで、世間知らずのうぬぼれ屋さんがいまして、その人が、「世の中に運なんかない」と言い張るんですね。
こいつ、正気か、と思いました。
世の中のすべてが、個人の意志や合理的判断だけで回っていないことぐらい、幼稚園児にもわかると思うんですが、「科学的」とか「論理的」でないものは認めてはならない、世の中のすべては合理的に説明できると思いこんでいるのですね。
しょせん、人間がわかっていることなどは一欠片で、「科学的」なことも「論理的」なことも、世の中のすべてを説明しきったものではないのですがね。
もちろん、だからといって、わからないことは引き続き調べるものであり、それを直ちに超能力とか霊力とか思い込んではなりませんが、いずれにしても、「運」という言葉は、ただちに非合理的なことというわけではありません。
簡単に言えば、「運」がいいか悪いかというのは、結果に対する自分の都合の善し悪しを述べているだけだから、原因への合理的な接近を試みた言い方ではないことは確かです。
ただし、人間は自分の思考や経験をいちいち合理的に整理して、科学的なお墨付きのある手法で処理し裏付ける習慣も必要性もありませんから、結果としての経験の善し悪しを「運」という言い方で済ませている。
それだけのことです。
「運」なんてない、とムキになって言い張っている人のほうが、よほどオカルトチックで気持ち悪いです。
そこで、YouTuberけんけんさんの動画です。
タイトルは、『成功には才能<〇 コレがないとピンチ!』。
〇に入る言葉は「運」です。
要するに、才能よりも運が大事、ということです。
ただ、動画を拝見した限りでは、マイケル・サンデルさんがいわれている、いわゆる「親ガチャ」の「運」は含まれていません。
あくまでも、自分で変えることのできる後天的なものに限っています。
それから、「運」と「ツキ」も分けています。
ただし、「ツキ」は「運」によるところが大きい、としています。
詳細はネタバレになるので、ここから先は書きませんが、自分で「運」を変えられるやり方について詳しくは動画をご覧ください。
非オカルト人間、現実主義者、金にしっかり者
けんけんさんは、動画で、運のいい人は、
非オカルト人間、現実主義者、金にしっかり者
であるといいます。
運気はもって生まれたものではなく、自分のやり方、生き方で、上がることも下がることもあるとも述べています。
この結論に対して、目に見えない力で都合よく奇跡を起こしてもらいたい人たちは少しがっかりし、前述のようにわれこそは合理主義者と思っている人たちは、「運気」という言葉自体を使うことに抵抗を示すかも知れませんね。
補足というわけではありませんが、ジャパンスケプティクス前副会長であり、東京唯物論研究会の一員である私が、哲学的に一言します。
世間の人がオカルトに騙される、その逆に自分の目標設定や自己実現に対して控えめすぎて損をする、といったことは、非合理主義と神秘主義の区別と両立ができていないのではないかという気がします。
ここで、仏教学者、佐々木閑さんお得意の例え話を使わせていただきましょう。
『別冊NHK100分de名著集中講義大乗仏教こうしてブッダの教えは変容した』(佐々木閑著、NHK出版)によると、カラスが、庭に来て鳴いた翌日に、母親が亡くなったとして、「母が死んだのはカラスが鳴いたからだ」としてしまうのは、そこに生成性も契機性も見ない、つまり因果関係は存在しないから、ただの思い込みにすぎない。
けんけんさん的に言えば、「それはオカルトです」。
一方の「神秘」とは、現象の奥に人智では説明不可能な力をその人が内心で感じ取ることだといいます。
あと1週間の命と言われていた人が、娘の結婚を見届けるまではと、お経を唱えて頑張り半年以上生きたとします。
お経そのものに延命の力があるかどうかはともかくとして、その人がお経を心の支えに頑張ったことは確かで、そこに人智を超えた不思議な力を感じ取るならば、プラシーボであろうが何であろうが、その人にとってお経は神秘な力を持っていたということになる、との説明です。
半年は頑張りたいと思って、それを達成できたことが大事なのであって、プラシーボであるかないかは、疫学調査ならともかく、その人自身にはどちらでもいいことです。
ただし、科学的に証明されたものでない以上、再現性が約束されているわけではありませんから、あくまでそう信じられるか、信じて実践できるかという話になりますから、それはやはり科学ではなく宗教というわけです。
余談ですが、けんけんさんは、「パワーストーンはただの石」といわれていますが、こうした「鰯の頭」の類の利用価値や利用方法も動画で述べられており、つまり佐々木閑さんがいわれている神秘主義自体を頭から否定しているわけではありません。
「運」と人生について考えてみたい方は、ぜひ動画をご覧ください。
以上、成功には運が重要という動画です。といっても、天分や才能も重要ですが、運そのものを自分自身で良くも悪くもできるという話、でした。
別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した – 佐々木 閑
別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した【電子書籍】[ 佐々木閑 ] – 楽天Kobo電子書籍ストア
コメント