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村野武範さんが「ステージ4余命いくばくもない」中咽頭がんと診断されるもIMRT(強度変調放射線治療)陽子線治療で復帰した話

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村野武範さんが「ステージ4余命いくばくもない」中咽頭がんと診断されるもIMRT(強度変調放射線治療)陽子線治療で復帰した話

村野武範さんが「ステージ4で余命いくばくもない」ステージ4の中咽頭がんと診断されIMRT(強度変調放射線治療)陽子線治療で復帰したことが一般のニュースで話題だ。当時の『日刊ゲンダイ』(2017年10月31日~11月7日)で村野武範さんがインタビューに答えている。

村野武範さんは、2015年に中咽頭がんの診断を受けた。

その後、陽子線治療を1カ月半受け、手術の必要はなかった。

陽子線治療とは、がん細胞を陽子線でたたく治療法だ。

放射線治療の一種で、がん細胞に対して高いエネルギーを持つ陽子を照射することで、がん細胞を破壊することができる。

陽子線は、がん細胞に集中的にエネルギーを与えることができるため、周囲の健康な組織にダメージを与えることが少なく、副作用が少ないとされている。

いわゆる、高度精神医療である。

しこりがあるのに「風邪」扱い

村野武範さんが、IMRT(強度変調放射線治療)いわゆる陽子線治療で復帰した。

以下、敬称略にしよう。

ああめでたし、という単純な美談ではなく、自分たちもそれにあやかるなら、そうなるためには何が必要なのか、という事の経過や、村野武範の話を聞きたいだろう。

2015年5月、首の小豆大のしこりに気づき診察を受けたところ「風邪」といわれたのに、別の病院で診察を受けたら、「ステージ4で余命いくばくもない」中咽頭がんとの診断。

絶望していたところ、麻美夫人が陽子線治療を行う病院を探し、IMRT(強度変調放射線治療)で生還した、という経緯だ。

そこには、スケプティクス(懐疑的)な考え方と、前向きな行動力がいかに大事かが語られている。

それにしても、最初に診断した病院は問題である。

しこりがあるのに、何の検査もせずに「風邪」とはいかなることか。

もっとも、医師も人間だから「信じられないミス」だって絶対にないとはいえないし、問診で自覚症状がうまく伝わらなかったのかもしれない。

納得行かない場合、納得行くまで調べることである。

村野武範は、スケプティクス(懐疑的)な立場からそうした。

そして、次に診察された時は、「ステージ4で余命いくばくもない」中咽頭がんだったわけだ。

ここから先の話は、『日刊ゲンダイ』(2017年10月31日~11月7日)で、村野武範本人がインタビューに答えている。

同紙Webで読むことも出来る。

村野武範といえば、青春学園ドラマの『飛び出せ!青春』で一世を風靡した

青春学園ドラマというと、私は1965年~1980年まで続いた日本テレビで放送された岡田晋吉プロデューサーの手掛けたドラマを連想
青春学園ドラマというと、私は1965年~1980年まで続いた日本テレビで放送された岡田晋吉プロデューサーの手掛けたドラマを連想します。日本の高度成長時代からオイルショック後の低迷まで、つまり新自由主義になる前の「古き良き昭和」の世相が反映されています。

そのときのあだ名が「レッツビギン」だったが、まさに今回の治療はその精神によるものである。

さて、病気を振り返ると、

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インタビューの引用で、5つの実践ポイントをまとめてみた。

これだけ知って実践したから効果があった

治療を諦めない

報道では、陽子線治療で生還したことばかりが強調されているが、それがあっても、そこにたどり着かない人の方が多い。

たどりついていたら、みんな助かってしまい、誰もガンで死なないではないか。

げんに、2度目の診察をした病院は、村野武範が陽子線治療のことを尋ねても、「どこで何をやっても同じです」と否定されたという。

最初の医師には「風邪」と誤診され、次の医師には「陽子線治療はやっても仕方ない」と否定され、村野武範もツイてない。

しかし、村野武範はそこでも妥協しなかった。

いや、厳密に言うと、村野武範夫人は諦めなかった。

IMRT(強度変調放射線治療)いわゆる陽子線治療を行う病院、やっぱり行ってみようよと村野武範に促したのである。

私はすっかり諦めて“ああ、近々死ぬんだな”と思っていましたが、その日の夜中、女房が寝ている私を起こして言ったんです。『やっぱり東北へ行きましょう』って。“どうせ死ぬならやってみるか”と思い、行くだけ行くことにしました(笑い)」(<1>より)

余談だが、村野武範は、本名を三浦武範という。

だから、所属する個人事務所は三浦企画である。

結婚の時、家を建ててくれることを条件に、夫人の姓を名乗ったのだ。

公務員の子弟であり、食えない新劇の道に進んだ村野武範にとって、家は魅力的だったのだろう。

夫人も、そんな村野武範を大切にして間もなく金婚式である。

それはたもかくとして、村野武範夫妻が訪ねたのは、福島県郡山市の南東北がん陽子線治療センター。

名前通り、がん陽子線治療を標榜する病院である。

抗がん剤治療に偏見を持たない

遠方まで訪ねた甲斐あって、病院側からは検査後に、『うちで治療できます』といわれ、村野武範は涙が出るほど嬉しかったという。

そして、治療が始まるが、転移箇所を殺したのか、IMRT(強度変調放射線治療)いわゆる陽子線治療に適応できるよう、腫瘍を小さくする必要があったのか、まずは抗がん剤投与から始まった。

普通の抗がん剤は、静脈注射で全身に薬が回るんですって。だから健康な臓器も傷めちゃう。でもそこの抗がん剤は、動脈注射でした。左耳の上の辺りからカテーテルで高濃度の抗がん剤を入れるんです。がん細胞にピンポイントに届くから、ほかの臓器を傷めないそうです」(<2>より)

がんのステージによるのかもしれないが、とにかく村野武範の場合、抗がん剤治療があって、次にIMRT(強度変調放射線治療)いわゆる陽子線治療になった。

併用することで、治療効果が上がるというエビデンスがあるのだろう。

要するに、抗がん剤治療をいやがる人は、この治療ができない。

昨今、名前は出さないが、抗がん剤を一方的に「悪」とする論陣をはる人が、医師にもいる。

抗がん剤は、たしかに、薬というより「毒」である。

しかし、それだけに、伊達や酔狂で無原則に投与しているわけではないだろう。

いずれにしても、機会の損失をしたくない人は、確度の不確かな、「医学・医療否定」情報は盲信しないほうがいいだろう。

医療保険は“高度先進医療”特約まで入っておく

村野武範の受けたIMRT(強度変調放射線治療)は、高度先進医療といわれ、健康保険が適用されない。

費用は280万円ぐらいかかりました。先進医療は保険が利きませんから。でも、たまたま医療保険に先進医療の特約を付けていたんです。それも、70歳になる前に保険屋さんに言われるがままに。追加した掛け金は月々500円ぐらいのものです。そのおかげで自己負担はゼロ。本当ですよ(笑い)」(<2>より)

今は、生命保険会社だけでなく損害保険会社でも、医療保険を発売している。

その内容には、がん治療のための高度先進医療特約をつけることができるものがある。

「医療」をがんだけに絞った、がん保険は、まず通常の商品なら、高度先進医療特約がある。

それをつけるべきかどうかは意見が別れるが、本稿では、村野武範の意見を尊重して、高度先進医療特約付保を勧めたい。

たとえば、医療保険自体に絶対はいらないという方針があるのならともかく、入りたい人、入っている人なら、主契約に比べればその何分の一化の特約保険料で入ることができるのだから、入ってもそう負担は感じないだろう。

医師との信頼関係を大切にする

約2カ月の治療中、効果を実感したのは2~3週間目ぐらいからだという。

舌根にあったがんの黒ずみが、目に見えて小さくなっていったというのだ。

ただ、振り返ると、一番うれしかったのは、退院の日より「治療できる」と担当医から言ってもらえたときだったという。

末期がんから生還した例がいくつもある病院だったので、女房も私も『治療できる』≒『治る』という思いでした。そして実際に治りました。再発はもちろん気になりますが、再発に向けての新しい研究も進められている病院なので、とても安心ですし、絶大な信頼を寄せています」(<3>より)

村野武範は、ステージ4という深刻な常態で治療に入ったのに、結果的に抗がん剤とIMRT(強度変調放射線治療)だけで治療が終わり、手術をしていない。

つまり、喉のガンで一番心配な、「声を奪われる」リスクがなかったということである。

ステージ4としては、最高の結果ではないだろうか。

セカンドオピニオン、サードオピニオンの重要性

村野武範が、今回の経験で一番言いたいことは、セカンドオピニオン、サードオピニオンの重要性という。

1人の医者の言葉をうのみにしないで自分で調べてみてほしい。今の時代なら可能ですから。うちは女房が命の恩人ですけど(笑い)。一時はステージ4の中咽頭がんで声が失われ、せりふを言うこともできないだろうと覚悟していました。しかし、先進医療のおかげで歌えるようになり、万感の思いを込めて新曲の『ハマナス』をレコーディングしました。私の体験が、皆さまの参考になればと思っています」(<4>より)

私がよく聞くのは、セカンドオピニオンは同じ科の医師にしないこと

診断の確認だけでなく、治療方法の選択肢も調べるためである。

たとえば、最初内科医に診てもらったら、次は放射線医にするなど、別角度からの治療があることを知っておく。

村野武範の中咽頭がん、まとめ

ピンピンコロリなんていうが、実際にそのような人生の終わり方をする人は、まずいない。

高齢でも、よほどのことがなければ、姑息的治療や対処療法は行うはずである。

いつも、自分にとって納得できる医師を求めることは、自分がその病気と真面目に向き合っているかどうかの証でもあるのだ。

以上、村野武範さんが「ステージ4余命いくばくもない」中咽頭がんと診断されるもIMRT(強度変調放射線治療)陽子線治療で復帰した話、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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