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東京都立城南特別支援学校(東京都大田区東六郷)は、自力歩行で通学できない下肢に障害がある児童・生徒が対象である。

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東京都立城南特別支援学校(東京都大田区東六郷)は、自力歩行で通学できない下肢に障害がある児童・生徒が対象である。「手のみ」「足のみ」の障碍もなくはないが、どちらも障碍があったり、知的な障害があったりするお子さんも在籍している。

東京都立城南特別支援学校(東京都大田区東六郷)は、自力歩行で通学できない下肢に障害がある児童・生徒が対象である。「手のみ」「足のみ」の障碍もなくはないが、どちらも障碍があったり、知的な障害があったりするお子さんも在籍している。(画像は学校案内より)

東京都立城南特別支援学校が大田区東六郷にある。

初等部、中等部、高等部がある。

かつては養護学校といった、健常児の普通学級に比べて特別な理解と支援が必要な生徒・児童の学校である。

いつもスケプティクス(懐疑的)な立場から論考するが、今回は真っ向から障害児療育をご紹介しよう。

障害児者と特別支援学校

障害児を対象にした教育はどうなっているのか、ということから始めよう。

障害のステージによって、通常学級、通常校における特別支援学級、特別支援学校などにわかれる。

障害児だからどこ、と最初から決まっているわけではない。

入学前に、自治体によって判定を受ける。

それは命令ではないから、障害児を普通学級に入れても構わない。

かつては、特殊学級、養護学校といわれていたところだ。

普通学級に在籍しながら、個別的な特別支援教育を受ける通級、逆に、特別支援学校に在籍しながら、普通学級の活動に参加する復籍という制度もあるが、どこに在籍するか、という点で見れば、通常学級、通常校における特別支援学級、特別支援学校という3通りから選ぶことになる。

そして、障害とは、視覚、聴覚、肢体、知的、病弱、言語、情緒等に分類される。

最近注目されている「発達障害」というのは、特定の障害名ではなく、そうした障害の総称である。

遷延性意識障害、高次脳機能障害などの中途障害、ダウン症などの染色体異常は、それ自体で療育手帳や身障者手帳が発行されるわけではなく、あくまで視覚、聴覚、肢体、知的、病弱、言語、情緒等の障害の度合いで判定される。(高次脳機能障害には、精神の手帳が該当する)

そして、特別支援学校は、分類された障害に応じた療育が出来るよう作られている。

たとえば、視覚障害者は、視覚障害の療育を行う特別支援学校に進み、知的障害者はやはり同じように知的障害の療育を行う特別支援学校に入学する。

肢体不自由で、かつ知的障害がある、という場合には、その障害のステージによって、どちらかを選択する。

前置きが長くなったが、今回見学したのは、東京都立城南特別支援学校といって、肢体不自由の障害者、いわゆる身体障害者を対象にした特別支援学校である。

OTやPTを採り入れた支援プログラム

東京都立城南特別支援学校は、小・中・高と3つの教育課程があるが、児童・生徒は、ほぼ車椅子である。

東京都立城南特別支援学校

つまり、障害児の中でも、(介護者付きでも)自力歩行で通学できない下肢に障害があるお子さんが対象である。

そして、障害が、「手のみ」「足のみ」という場合もなくはないが、下肢が自力歩行できないほどの障害がある方は、手にも何らかの障害がある場合が多い。

さらに、知的障害もともなうお子さんもいる。

学内では、それぞれクラスがわかれる。

もし知的障害がないクラスなら、体育以外の授業、少なくとも主要5科目は普通に文部科学省の検定済み教科書で学ぶ。

障害者療育をコバカにしている人はいるかもしれないが、それは差別的な誤解である。

もとの教材は、知的障害でない限り、そう変わるわけではない。

ところが、身体障害に限らず、特別支援学校は、法律、いわゆる一条校として認められていないので、まあ私塾と同じ扱いである。

つまり、東京都立城南特別支援学校の高等部を卒業しても高卒にはならない。

どこかの民族学校のように、学校教育法に逆らっているわけではないのに、障碍者には学歴すら与えられない。

普通学級の教員の中には、支援学校に進まない障害児を批判する人がいるが、そこには、障害児には学歴はいらないという差別の了見を筆者は疑わざるを得ない。

少なくとも、意図や自覚にかからわず事実として存在するその憾みを指摘する。

大学進学は、その大学に受け入れる意思があれば受験資格があるが、障害児の全員が大学に進学するわけではないのだから、特別支援学校を「学校」として認めるべきである。

肢体不自由である以上、普通学級と明らかに異なる、普通学級とは質も量も違うのは体育である。

その一方で、肢体不自由の特別支援学校らしいカリキュラムもある。

それは、OT(作業療法士)や、PT(理学療法士)のアドバイスを受けて、担任の先生がストレッチ等を行う「自立活動」という時間である。

たとえば、脳腫瘍で亡くなった元横浜の盛田幸妃投手は、脳の手術で神経をずたずたに切断され、野球どころか日常生活も介助なしで行うのは難しい状態まで陥った。

しかし、理学療法士との二人三脚で、なんとマウンドに復帰するところまで回復した。

生まれつきの障がいであっても、可動範囲を広げることは可能といわれている。

その意味で、OT(作業療法士)や、PT(理学療法士)の訓練は、諦めてはならないと筆者は考える。

筆者の長男も、OT(作業療法士)や、PT(理学療法士)の訓練を6年間受けた。

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諦めず、粘り強くリハビリは行った方がいい。

残念ながら嫉妬で足を引っ張る人もいる

しかし、残念ながら、障害児が健常児に近づくための訓練は、ほかでもない、障害児の親の一部がそれを批判的に述べることがある。

障害は病気や怪我と違って治らないから、訓練しても意味はないという考えである。

だから、できないことをリハビリでどうにかしようとするより、出来ることを伸ばせばいいと。

これは、重度の障害者の親が、嫉妬から言うことが多い。

だから、鵜呑みにしてはならない。

少なくとも中途障害の人がこれを鵜呑みにするのは、あるかもしれない将来をミスミス放棄する危険な考えであると筆者は思う。

諦めずに、前向きにチャレンジしてほしいと思う。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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