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梅宮辰夫さんが役員をつとめていた『梅宮辰夫漬物本舗』が提訴されたものの、原告と和解に至ったのは2003年5月7日のことです

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梅宮辰夫さんが役員をつとめていた『梅宮辰夫漬物本舗』が提訴されたものの、原告と和解に至ったのは2003年5月7日のことです

梅宮辰夫さんが役員をつとめていた『梅宮辰夫漬物本舗』が提訴されたものの、原告と和解に至ったのは2003年5月7日のことです。芸能人の知名度を利用した、フランチャイズ制度による齟齬であり、タレント商法の難しさを感じさせました。

フランチャイズ契約者との齟齬

俳優であり、料理上手としても知られた梅宮辰夫さんがプロデュースした漬物店、として華々しく開店したのは梅宮辰夫漬物本舗。

その会社とフランチャイズ契約していた女性が提訴して和解したことがありました。

 タレントの梅宮辰夫さんが役員を務めていた「梅宮辰夫漬物本舗」(本社・長野市)=昨年3月に「ナガノフーズ」に商号変更=とフランチャイズ契約し、カレー店を京都府山城町で開店した同府の女性が「適切な需要予測や立地調査がなく、閉店を余儀なくされた」として同社を相手取り、総額約3030万円の損害賠償を求めた訴訟で、同社が和解金777万円を支払うとする内容の和解が8日、京都地裁(鈴木謙也裁判官)で成立した。
訴状によると、女性は6年2月、同社との契約でカレー店「梅辰亭」を開店。契約前、女性は「1日19万円以上の売り上げが見込める」などと説明を受けたが、見込み額に一度も達しないまま13年4月、閉店。昨年2月に提訴した。
女性側弁護士は「和解金は女性が支払った内外装費、調理室機器費の一部など。説明義務が尽くされていない点が認められたと思う」と説明。同社の弁護士は「額の算定根拠は言えない。円満解決したと思う」と話している。梅宮さんは昨年3月、同社役員を退任している。(『毎日新聞』2003年5月8日付)

フランチャイズ制度というのは、飲食店など「チェーン店」展開しているお店の多くが導入しています。

簡単に述べれば、加盟店制度ということです。

つまり、梅宮辰夫漬物本舗とは全く別資本の独立した企業・事業者が、梅宮辰夫漬物本舗のチェーン店として加盟することで、その看板で事業を行うものです。

もちろん、加盟料を払いますが、それと引き換えに、「梅宮辰夫」の看板を掲げたり、「本部」から材料を卸したり、営業ノウハウを授けられたりしる制度です。

その契約上の齟齬で提訴に至ったのでしょう。

「タレントの味」商法のトラブル

かつては「夜の帝王」といわれた東映の不良番長、梅宮辰大さん。

娘さんの梅宮アンナさんが芸能人としての活動を始める前から、番組で家庭料理の腕をふるう機会がしばしば見られました。

そうしたタレントとしてのイメージを利用して、「梅宮辰夫」のブランドを前面に打ち出した外食産業のフランチャイズ商法が行われるようになりました。

“辰ちゃんコロッケ”なる宣伝をしていた「梅宮亭」や、漬物のフランチャイズ店事業の「梅宮辰夫漬物本舗」(現在は梅宮が役員を退任し、ナガノフーズに商号変更)などがそうです。

しかし、そもそも梅宮辰夫さんは料理のプロではありません。

料理ができる、もしくは料理が好きな俳優に過ぎなかったはずです。

それに、梅宮辰夫さん本人が直接作って売るのならともかく、フランチャイズというのは、たんに看板に「梅宮辰夫」の名前が出ているだけであり、作る人も売る人も別人です。

もとより、どんな有名人や腕のいい料理人の看板を掲げようが、その商売が成功するには、徹底したマーケティングやその店独自の努力が必要です。

そうした認識が、双方ずれていると、思ったような利益があげられずトラブルになります。

2002年2月7日、京都府内の女性が、立地調査もないまま開店を勧められて売り上げ不振に陥り閉店を余儀なくされたとして、梅宮辰夫さんが役員を務める「梅宮辰夫漬物本舗」を相手取り、タレントの設備費や赤字分など3030万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしました。

雑誌で同社のフランチャイズ店募集を知って連絡した女性に同社は、「最低でも日額19万円の売り上げを見込める」と、カレーハウス「梅宮亭」を京都府山城町に開店するよう勧めました。

女性は1997年11月に、フランチャイズ契約を締結して12月に開店。

しかし、日額平均6万円の売上しかなく、1999年4月に閉店。

「営業ノウハウなどを持つフランチャイザーは、正確な情報を提供する信義則上の義務がある」と主張して、梅宮辰夫漬物本舗を訴えたわけです。(『毎日新聞』2002年2月7日付)

それに対して、冒頭の和解が成立したのです。

タレント商法+フランチャイズ制度の難しさ

この手のトラブルは、梅宮辰夫さんにとって初めてではありません。

1998年2月には、元コロッケ店経営者に「経営指導がいい加減で閉店に追い込まれた」として、総額約20000万円の損賠償訴訟を徳島地裁に起こされたこともありました。

こちらは、1994年12月にコロッケの製造、販売のフランチャイズ契約を「梅宮辰夫漬物本舗」と締結し、翌年一月にJR徳島駅前に「梅宮亭徳島駅前店」を開店。

同年12月に売り上げ不振で閉店しました。

徳島地裁(松谷佳樹裁判官)は2000年8月8日、同社に約70万円の支払いを命じています。

松谷佳樹裁判官は、「適切な立地調査をせず、正確な需要予測の情報を提供しなかっめ営業廃止に至った」と「梅宮辰夫漬物本舗」の責任を認めましたが、「接客や油の交換など、原告が会社の指示に従わなかったと、一部元経営者の過失も指摘しました。(『スポニチアネックス』2000年8月9日更新)

芸能人が、その知名度やキャラクターを生かして、飲食店など他業種の「看板」となり、フランチャイズ制度で各店舗オーナーを求めるビジネスモデルは、現在も廃れたわけではありません。

双方、トラブルのないようにしたいところです。

以上、梅宮辰夫さんが役員をつとめていた『梅宮辰夫漬物本舗』が提訴されたものの、原告と和解に至ったのは2003年5月7日のことです、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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