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MMTを理解する人が増えつつある一方、「MMTはいくらでもお金を刷れる」「無税国家を目指している」などデマも後を絶ちません

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MMTを理解する人が増えつつある一方、「MMTはいくらでもお金を刷れる」「無税国家を目指している」などデマも後を絶ちません

MMTを理解する人がふえつつある一方で、デマ発言も増えています。曰く、「MMTはいくらでもお金を刷れる」「税金要らない」etc。もちろんそんなことを提唱している人はいません。では真相はどうなのか。2つのコンテンツからまとめてみます。

「政府がいくらでもお金を刷れなら、なぜ税金は必要なの?」

MMTに関する『クーリエ・ジャポン』記事が話題です。

「政府はいくらでもお金を刷れるの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」という質問に提唱者が回答しています。

曰く、

「政府は必要な時にいくらでもお金を刷れるの?だとしたら、なぜ税金は必要なの?」
「政府(及び中央銀行)は、お金を刷ってその量を増やして、病院や学校など(資金不足に陥っている)公共サービスに直接お金を渡した方が良いのでは?その方がきっと簡単だし、問題改善につながって良いのではないかと思うのですが…」

それに対して、MMT(現代貨幣理論)の主唱者の一人であるステファニー・ケルトン教授が、3つの回答を行っています。

政府は好きなだけお金を作る(刷る)ことができるのか?

刷るお金は一部で、大半は口座に打ち込む情報。「政府は欲しいものを買う余裕があるのか」と言い換えてイエス。

それならなぜ市民に課税するのか?

インフレのリスクを防ぐため(市中のお金の量を調整する)

政府は本当に好きなだけお金を作り、使ってしまっていいのか?

投下したお金をインフレが始まる前に回収できるならイエス

国のお金は、個人の銀行残高や天資源のような「使い続ければいつか枯渇してしまうものではない」。それゆえ、「お金が十分にあるか否かよりも、お金に何をしてもらいたいのかを考えるのが重要だ」と、ステファニー・ケルトン教授は述べています。

こちらが、まとめ記事です。


大変参考になる読み物ですが、実はひとつ、大きな補足の必要があります。

それならなぜ市民に課税するのか?

インフレのリスクを防ぐため(市中のお金の量を調整する)

これは、市中のお金の量自体を調整するだけでなく、国民の持ち分の調整という意味も含まれます。

つまり、格差解消の狙いがあります。

この点については、西田昌司参議院議員の動画チャンネルから引用します。

徴税はインフレ率だけでなく格差解消のためでもある

西田昌司参議院議員は、自らのチャンネル(週刊西田)で、麻生財務大臣に関する視聴者の質問を公開しています。

麻生財務相は1月22日、10万円の特別定額給付金に関して、後世の借金をさらに増やすのか」と改めて再支給を否定したそうです。
麻生大臣は西田議員が常々仰っている通貨の件を熟知しているはずですが、なぜ未だにこんな馬鹿げた事を言うのでしょうか?財務官僚に何か弱みでも握られているのでしょうか?

これがOGPです。


私も全く麻生財務大臣ということ間違ってると思いますね。あのつまり一番の間違いはですね、国債発行して給付金を10万円皆さんに出しました。で、これで10万円で一応1億人ですと10兆円になるわけですね。
ですから12~3兆円の給付金をいったん出したわけです。これは莫大な金額です。
これだけの金額だしたのに商品に使われてないんじゃないかとね。消費に使ってくれると思ったらですね、民間の預金残高が増えただけだ。だからこんな意味がないんだ。こういうような発言も以前されていました。
これ全くおかしいんですよね。国債発行して10超円分民間にお金渡したら、当然民間の方に10兆円分の預金が増えるの当たり前なんですね。これなんか考えても当たり前です。
じゃあそれを使ったらどうなるのかと。使ったら私が例えば10万円使ったらですね。私の振り込んでもらった10万円は、これはその分預金量減りますけれども、その使ったお金は誰かの支払いに使いますから、誰かの預金残高を増やしますね。
ですから、マクロ、民間全体で言えばですよ。やっぱり預金量は増える形になるわけですね。(中略)ですから、それが増えたから「使ってないからおかしい」ということにはならないわけなんですね

ちなみに、西田昌司議員によると、国会議員は10万円を受けとるなと言われたのでもらっていないそうです。

ただし、西田昌司議員は、麻生太郎議員が「心配されていることも分からないではない」と、理解を示すかのように話を続けます。

今の日本の預貯金残高というのはものすごくあるわけなんですね。家計の方だけでも1500~600兆円あるんでしょうか。ものすごく預金超過なんですね。
ですから、10兆円出して、みなさんに出しても、もともと1500兆円を超えるような預貯金残高があるんだから、そんなところにお金を出しても、ただでさえ使ってないのに、それが本当に消費に回るのか、という疑問を麻生さんがお持ちになるのなら、それは当然のところがあるんですが。
ただ問題はですね、1500兆円あると言っているけれども、それ誰が持っているのかというと、私や皆さんが持ってるんじゃないんですね。もっと一握りの数パーセントのスーパーリッチの方の預貯金。まあ、そういうところにものすごいお金があってですね、そういう方はもうお金使わないわけですよ。
毎年毎年大きな所得が入ってきて、預貯金残高が積み上がるだけ。もちろん、我々より豊かな生活をシているでしょうから、家計でもたくさん使っているでしょうけれども、それでも何十億と稼いで、何十億とは使えないわけですよ。(中略)
つまり、格差社会を作ってしまうと、一部の人にどんどんお金が溜まってしまって、普通の人にはお金が回らなくなる。だから、回らなくなった人には、10万円渡したら生活に使われたんですね。パソコン買って仕事に使われたりとか、事実そういうところはすごく消費が伸びていますからね。
しかし、世の中全体として考えたときには、10万円の給付金を使ってくれたとしても、全体の大きな預貯金の量は消費にまわらなくなっているというのも事実だと思います。

ではどうすればいいのか。麻生大臣の話に、「それは一理ある」と黙ってしまわなければならないのか。

西田昌司議員は、困っているところは徹底して補償して、一方で溜め込んでいるところからは吸い上げて、国の予算で再分配して格差をなくせと結論づけています。

麻生さんは、やっぱり言うんだったら(そこまで)言っていただかなければならないわけですよ。
10万円出すのが意味がないとかいうんじゃなくて、格差社会をつくってしまうと、そういうことになっちまう、ということですからね。

MMTを提唱するのなら、税金なんて不要だ、というデマを飛ばす人もいるようですが、とんでもない話です。

まとめ


2ちゃんねるの創業者、ひろゆき氏のMMT「批判」は、知る人ぞ知るデマゴギーの塊ですが、その最たるものが、「MMTはお金を刷り放題だから税金が要らない」という藁人形論法です。

今見たように、MMTの立場にとって徴税は絶対に必要です。

ですから、ひろゆき氏の言っていることは虚偽です。


税金徴収は、財源を作るためではなく、

  • インフレ率を抑え
  • 格差をなくす

という大切な役割を果たすものです。

まあ、格差解消となれば、今の金持ちとしては困るわけです。

MMTにデマをとばしている人たちは、そういう人たちかもしれませんね。

以上、MMTを理解する人が増えつつある一方、「MMTはいくらでもお金を刷れる」「無税国家を目指している」などデマも後を絶ちません、でした。

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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