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湿潤療法は擦過傷(擦り傷)ややけど(熱傷、火傷)褥瘡(じょくそう)などについて、消毒せず乾かさない治療方法です

湿潤療法は擦過傷(擦り傷)ややけど(熱傷、火傷)褥瘡(じょくそう)などについて、消毒せず乾かさない治療方法です

湿潤療法は、擦過傷(擦り傷)ややけど(熱傷、火傷)褥瘡(じょくそう)などについて、消毒せず乾かさない治療方法です。従来の、消毒して乾燥させるこれまでの手当てとは正反対のため賛否両論ですが、採用している皮膚科のクリニックも増えています。

湿潤療法とはなんだ

湿潤療法と書いて「しつじゅんりょうほう」と読みます。

湿潤療法(モイストケア)ともいいます。

自己治癒能力を最大限に生かす治療法といわれ、けがの治りが早く、痛みが少なく、しかもきれいに治るという特長を標榜しています。

創傷(特に擦過傷)、熱傷、褥瘡など皮膚潰瘍について、従来のようにガーゼを当てて消毒すると治療ではなく、水道水のみで洗う程度で消毒せず、創傷部を乾燥せず、ガーゼの代わりに被覆材(ドレッシングフォーム)を使用して回復を待つ治療法です。

一部では、ラップ療法などともいわれますが、食品に使うラップを患部に巻いて空気を当てないようにするわけです。

これまでは、患部はしっかり消毒し、通気性のある絆創膏や包帯を使うのが常識的な手当てでした。

化膿しない、膿まないということに主眼が置かれていたわけです。

が、1990年代後半ぐらいから、湿潤療法はそれと正反対に、患部から滲み出てくる滲出液こそが免疫力と回復力の原動力として、必要以上にきれいにしたり乾かしたりすることで、体液を使った自己回復の邪魔をしない治療法が登場しました。

外用薬も、ワセリン(プロペトR)や油脂性基剤の外用薬(ステロイド軟膏,ゲンタシン軟膏Rなど)のみにとどめ、消毒薬や消毒液を含む外用剤(イソジンゲルR,カデックス軟膏R,ユーパスタRなど)、クリーム基剤の外用薬(ゲーベンクリームR,エキザルベR,ヒルドイドソフトRなど)などは使用しません。

では、湿潤療法にすることでどんなメリットが期待されているのでしょうか。

湿潤方法が標榜するメリット

湿潤療法の施術者や支持者、体験者などが標榜している点を簡単にまとめるとおおよそこのような内容です。

痛みが少ない

キズロを常に湿らせた状態におくことで、乾燥による神経への刺激が少なくなり、痛みが和らぐといいます。

早くきれいに治る


うるおいを保つことで、細胞の働きがスムーズになり、皮膚の再生が早くなるといいます。

また、かさぶたを作らずに、なめらかな皮膚が再生されるので、傷あとがきれいに治るそうです。

消毒せずそのままにすることで、傷の表面に白血球が集まりやすく、細菌への抵抗性が上がります。

つまり、従来の消毒療法では本来の人間の細胞も殺してしまうので、結果的に治癒に必要な細胞も殺してしまっていたということです。

患者が湿潤療法を選ぶ最大の理由がここにあるようです。

消毒液を使用しない

消毒液を使うと傷を治す細胞のはたらきを弱めてしまうため使用しないそうです。

包帯を使わない

ガーゼを当てると乾燥して、やはり傷を治す細胞が死んでしまうからだそうです。

家庭で使われている食品用ラップフィルムを包帯のように巻くので、ラップ療法とも呼ばれます。

絆創膏のガーゼ部分は傷にくっつくと交換するときの痛みがありますが、創傷被覆材はガーゼのようにくっつくことがありません。

また、傷口以外のむれ、カブレが生じにくいことも特長です。

湿潤療法で治療してみました

私の妻が昨年、顔面、喉元、左腕に熱湯をかけるヤケドをしてしまいました。

当初、非湿潤療法の皮膚科クリニックで受診しましたが、左腕のヤケドは跡が残ることを示唆されたので、湿潤療法を標榜する皮膚科クリニックに転院しました。

メモをもとに振り返ります。

  1. 1月24日、熱湯で顔と胸、上腕部をやけど。従来の手当てを行う皮膚科受診。胸と上腕部はふだん外に出ない部分だから跡が残るだろうと言われる。
  2. 跡が残るだろうと言われる

  3. 1月26日、湿潤療法を標榜する違う皮膚科受診。当然というか、湿潤療法を勧められる。薬を薄く患部に伸ばしたあと、ラップで覆うように言われる。熱湯でのやけどなら跡は残らないと言われる。
  4. 湿潤療法

    ここで、従来の方法を採用するクリニックでは「跡が残る」、湿潤療法を標榜するクリニックでは「跡は残らない」と診断が別れたわけです。

  5. 1月30日、患部の水ぶくれが潰れてきたので、こんどはテープを貼るようにいわれる。
  6. テープを貼る

  7. 2月3日、白く膨れる部分が小さくなってきたので、白い部分だけにテープを貼り、あとは薬(リンデロン)を塗るように言われる。顔と胸は水ぶくれもなく赤い部分だけ塗ればよいと言われる。
  8. 顔と胸は水ぶくれもなく赤い部分だけ塗ればよい

  9. 2月9日、白い部分がなくなったのでリンデロンのみにする。顔と胸は一部分だけまだ赤いので塗りつづける。
  10. 2月17日、リンデロンはやめてヒルドイドに変える。一本なくなるまで何ヶ月か塗り続けて、あとは跡が目立たなくなるまで1年ぐらい待つように言われる。顔はまだ鼻だけ赤いが、胸はほとんどわからなくなったので塗り薬もやめる。皮膚科の診察終了。
  11. 皮膚科の診察終了

  12. 2月23日、まだ17日とそんなにかわりありませんが、赤みもひいて、皮膚も入れ替わった感じです。
  13. 皮膚も入れ替わった感じ

  14. 4月25日、だいぶ赤みも消えてきました。

従来の方法を採用するクリニックのすべてが「跡が残る」と診断したかどうかはわかりませんし、従来の方法でも順調に回復できたかもしれませんが、少なくとも今の段階で、湿潤療法で失敗したわけではないかな、といっていいのではないかと思います。

ここからうっすら赤いまま残るのか、さらにもとに近くなっていくか。今後どうなるかはわかりませんが、まあネットを見ると、もっとひどい人でもきれいに治っているようですし、希望を持ちたいと思います。

湿潤方法をめぐる議論

湿潤療法は、病院にかかれない貧乏人の治療法とするサイトもあります。

たとえば、特定非営利活動法人・創傷治癒センターというサイトによると、土浦協同病院皮膚科の盛山吉弘氏が、日本皮膚科学会の学会誌にて「ラップ療法の功罪」について、こう述べていると書かれています。

“ラップ療法”は、人手もなく、経済的にも苦しい、病院以外の施設や在宅などで、いかに安価で効率よく、創傷(褥瘡)を治すかという善意のもとで、開発され広まった治療法であるが、様々なトラブルを惹起してきた。そんな中、2010年3月に日本褥瘡学会理事会の見解として以下が示された。
『褥瘡の治療にあたっては医療用として認可された創傷被覆材の使用が望ましい。非医療用材料を用いたいわゆる「ラップ療法」は、医療用として認可された創傷被覆材の継続使用が困難な在宅などの療養環境において使用することを考慮してもよい。ただし、褥瘡の治療において十分な知識と経験を持った医師の責任のもとで、患者・家族に十分な説明をして同意を得たうえで実施すべきである。』 (https://www.woundhealing-center.jp/whatsnew/110406.php)

やけどをしても、状態の診断もないまま、「ああ、やけどね。ラップ巻いておけば大丈夫」と安易に考えるのは危険で、湿潤療法を標榜する医療機関で診断と治療をすべきだと述べているわけです。

つまり、湿潤療法によるリスク、もしくは家庭で処理するにはむずかしいケガもあるということだと思います。

たとえば、傷口が深い場合は、神経まで切断している可能性や、感染症の問題などが考えられます。

湿潤療法を選択するにしても、医療機関の診察は行うべきだと思います。

以上、湿潤療法は擦過傷(擦り傷)ややけど(熱傷、火傷)褥瘡(じょくそう)などについて、消毒せず乾かさない治療方法です、でした。

キズ・ヤケドは消毒してはいけない―治療の新常識「湿潤療法」のすべて - 夏井 睦
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、曾祖叔父と“日本のケインズ”高橋是清の接点(仙台藩でワキジ時代のお世話役、そして姻戚関係か)を発見。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場からMMT支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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