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石立鉄男ドラマシリーズというのは、松木ひろし脚本、石立鉄男主演で制作され、水曜もしくは日曜午後8時に放送されたドラマ

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石立鉄男ドラマシリーズというのは、松木ひろし脚本、石立鉄男主演で制作され、水曜もしくは日曜午後8時に放送されたドラマ

石立鉄男ドラマシリーズというのは、松木ひろし脚本、石立鉄男主演で制作され、水曜もしくは日曜午後8時に放送されたドラマです。今もネットでは取り沙汰されることが多いドラマですが、半世紀たっても語り継がれる魅力を考えてみました。

石立鉄男ユニオン映画ドラマシリーズとは何だ

Facebookには、昭和時代の文化について投稿し合うグループがありますが、そこで出てくるドラマの話題で、もっとも多く出てくるのが、石立鉄男ドラマシリーズです。

松木ひろし脚本、石立鉄男主演で制作され、ユニオン映画という制作会社が作り、水曜もしくは日曜午後8時に放送されたドラマです。

ジャンル的にはホームコメディですが、いわゆるセットドラマと違い、現実に存在する町を舞台として、ふんだんにロケのシーンがあります。

番組名放送期間1-2舞台
おひかえあそばせ(1971年4月7日~1971年9月22日、全13話)川崎
気になる嫁さん(1971年10月6日~1972年9月20日、全40話)成城学園
パパと呼ばないで(1972年10月4日~1973年9月19日、全40話)佃島
雑居時代(1973年10月3日~1974年3月27日、全26話)成城学園
水もれ甲介(1974年10月13日~1975年3月30日、全25話)豊島・鬼子母神
おふくろさん(1975年4月6日~1975年9月28日、全21話)世田谷・赤堤
気まぐれ天使(1976年10月6日~1977年10月19日、全43話)早稲田
気まぐれ本格派(1977年10月26日~1978年9月20日、全38話)神楽坂

そして、会社名に映画と着くだけあり、16ミリフィルムで撮影。(『おふくろさん』のみ日本テレビ制作)

1台のカメラで角度を変えて撮る映画の撮影方法を採用しています。

どういうことかというと、テレビ局のスタジオにセットを構え、3台のカメラでひとつのシーンを撮るのがテレビドラマの撮影方法です。

一方、映画の撮影方法は、役者はひとつのシーンを何度も演じ、ひとつのカメラで、そのたびに別の角度から撮ります。

役者は、同じ演技を続けなければならないので大変ですね。

ただ、その方が自然に撮れます。

たとえば、『パパと呼ばないで』は、主要な登場人物(大坂志郎)でも背を向けていますが、

主要な登場人物(大坂志郎)でも背を向けています

TBSのテレビドラマ『寺内貫太郎一家』は、必ずテーブルの手前の一辺を開けて座っています。

手前の一辺を開けて座っています

それは、カメラに出演者の顔が入るようにそうしているわけですが、背を向けている大坂志郎が、右端の江守徹のセリフを受けて、次のカットでは酒を飲みながらセリフを言っています。

酒を飲みながらセリフを言っています""

しかし、そのカットを撮っているであろう位置にカメラはありませんでした。

いったい、いつ大坂志郎と向き合う位置に移動したのか。

実は、同じシーンを役者が何度も演じ、その都度カメラが違う位置から何度も撮って、ひとつのシーンとしてつなぎ合わせています。

このように、フィルムで映画のような撮り方をするドラマを「テレビ映画」と呼びました。

シリーズはラブコメでもありました。

石立鉄男ホームコメディドラマシリーズは1971年~1978年に放送されたホームコメディ。ヒロインMVPは松尾嘉代?大原麗子?
石立鉄男ホームコメディドラマシリーズは、1971年~1978年にかけて、ユニオン映画が制作、日本テレビ系で放送されたドラマです。すべて独身男性を演じた石立鉄男の相手役としての女優が各作品に登場しますが、とくに印象深いのが松尾嘉代と大原麗子です。

特に、『パパと呼ばないで』の松尾嘉代と、『雑居時代』の大原麗子が双璧ですね。

何度も再放送する中で作品を評価される

石立鉄男というと、『パパと呼ばないで』におけるセリフ「チーボー」や、CMの「わかめ」、大映テレビの『少女に何が起こったか』の決め台詞「このうすぎたねえシンデレラ」といったものが今も取り沙汰されますが、それらは1980年代に柳沢慎吾がモノマネで流行させたものです。

その前には、竹中直人がオーディション番組で、「チーボー」というモノマネをしたのが始まりではないでしょうか。

しかし、竹中直人がそのモノマネを最初に行ったのは、シリーズがすでに終了していた70年代後半の『TVジョッキー』(日本テレビ系)。しかも、あくまで“素人芸”としての出演だったのでイマイチ広がらず、1983年にテレビ朝日の『ザ・テレビ演芸』でグランドチャンピオンになったときのネタとして、「遠藤周作」とともに脚光を浴びるようになったものです。

それまでは、石立鉄男がメディアで取り沙汰されることはあまりなかったと思います。

それは、石立鉄男が、番宣にもあまり積極的には出演せず、芸能人としての話題作りも行わず芸能マスコミを上手に利用しなかったからだと思います。

なにしろ、シリーズで最も人気のある『パパと呼ばないで』は、午後8時に放送されたにもかかわらず平均視聴率が11%に過ぎなかったのです。

それでも、打ち切りにもならずにシリーズ化されていたのは、リアル放送時、この一連の石立鉄男ユニオン映画シリーズは、安価でしのげるナイター中継の雨傘番組、という位置づけだったようです。

杉田かおるの著書によると、『パパと呼ばないで』のギャラは1万円。しかも、チーボーが他所の家に引き取られるかもしれない『猫ふんじゃった』の回は、杉田かおるの自宅で撮影したという超吝嗇ドラマでした。

そもそも、まだ映画のスターシステムが序列として残っていた時代ですから、他はともかく主役が、石は石でも「石原裕次郎」ではなく石立鉄男ということ自体、いささかドラマとしては小粒なイメージが有りました。

ですから、本来はそんなに大きな扱いは受けなかったはずですが、それがどうして今も語り継がれる名作シリーズになったのか。

やはり、放送終了後も、午後の4時からの再放送枠で何度も放送したことで、視聴者には刷り込みと親近感が生じたのではないでしょうか。

もちろん、それは、シリーズ各作品がしっかりとした出来だったからであることは言うまでもありません。

つまらない作品なら、むしろ再放送でボロを出してしまいますからね。

スルメではありませんが、噛めば噛むほど味が出たのでしょうね。

まとめ

ユニオン映画シリーズに共通して言えるのは、オンエア時にバーンと視聴率を上げて世間の注目を集め、スポンサーや出演タレントの時価を上げる、株で言うキャピタルゲイン型ではなく、再放送の繰り返しの中で、世代を超えてゆっくり時間をかけて評価が高まっていったインカムゲイン型の名作だったということです。

『パパと呼ばないで』が世間に認知されることを証明したのが、竹中直人による石立鉄男のモネマネ(83年)ですが、本放送からなんと11年もたっていました。

視聴率11%の番組が、11年たってモノマネのネタになる。こんなことは今のドラマでは不可能だと思います。

テレビがつまらなくなったという昨今の視聴者の評価は、『パパと呼ばないで』のようなインカムゲイン型の番組が消滅したからだと私は思います。

以上、石立鉄男ドラマシリーズというのは、松木ひろし脚本、石立鉄男主演で制作され、水曜もしくは日曜午後8時に放送されたドラマ、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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