健康食品はがんを克服するのか。まあ常識的に見て「しない」と普通は回答するだろう。では、なぜそれでも抗がん健康食品は売れるのか。売る側のやり方が上手いこともあるし、買う側の価値観の問題もあるだろう。今回は立川談志と健康食品について書いてみた。
がんを克服するためには、多くの要因が関与している。
健康食品ががんを克服できるという主張は、一部の製品の宣伝によって促進されることがあるが、科学的な証拠に基づく正確な主張ではない。
たとえば、フコイダンが新機軸の抗がん健康食品であるかのようにいわれているが、その科学的根拠は曖昧であることをご紹介したことがある。
まず、ここをはっきりさせよう。
健康食品ががんに対する影響については、様々な研究が行われているが、その多くはまだ初期段階であり、確実な結論を得るためには、さらなる研究が必要である。
一方で、一部の健康食品には、がんリスクを減らす可能性があることが示唆されていないわけでもない。
といっても、業者が宣伝する「抗がん健康食品」ではなく、例えば、野菜や果物、全粒穀物、健康的な脂肪、そして抗酸化物質を含む食品を消費することが、がんリスクを減らすのに役立つとされている。
たとえば、このブログでは、玉ねぎが健康食品として、いかに有用であるかを述べている。
また、健康的な食生活を維持することは、がん治療のサポートにも役立つことがある。
がん治療中には、十分な栄養を摂取することが重要であり、体重や筋肉量を維持することが望ましいといわれている。
最終的には、健康食品は健康的な食生活の一部として消費することが望ましい。
がんリスクを減らすためには、一般にはバランスのとれた食事を摂取することが重要といわれている。
過度に加工された食品や脂肪分の高い食品、そして砂糖の多い飲料を避けることが望ましい。
一部には、「バランス」や「カロリー」云々ではなく、ケトン体ががん予防にいいとする説もある。
この場合は、むしろ高脂肪を摂取することで、エネルギー源とする考えだ。
いずれにしても、がんを克服するためには、個々の状況に合わせた適切な治療を受けることが必要である。
といったことを踏まえた上で、以下をお読みいただければ幸甚である。
立川談志が「効いているのかなあ」
立川談志が「声門がんを克服していた」との記事が『日刊スポーツ』(2009年2月日付)出ている。
立川談志については、『立川談志は気配りのできる「変人」だった、というのは世間の評価です。生前は吝嗇家でかつ面白困ったエピソードがいくつもあった』という記事で詳しくご紹介した。
声門がんは喉頭がんの一種で、圧倒的に男性に多い。
転移のない段階で発覚することが多いので、一般に予後はよいとされている。
ちなみに、記事に「28回もの放射線治療」と書かれているが、これは2Gyずつ照射する1コースの治療であり、特別照射量が多い訳ではない。
このへんの表現は、軽視するのも過剰に恐怖を煽るような書き方も慎むべきだと思う。
ところで、立川談志は、幼なじみからある健康食品を勧められ、それを飲み続けて「効いているのかなあ」と言ったという話がある。
超ミネラル水である。
↑の記事で書いたように、超ミネラル水という抗がん健康食品の原材料シーマロックスの元締めが、三根健二朗さんである。
往年の名歌手、ディック・ミネさんの次男で、立川談志とは幼なじみだという。
三根健二朗さんによると、立川談志のがん発症を聞き、超ミネラル水を勧めたという。
三根健二朗さんによると、立川談志はそれを飲み続けて「効いているのかなあ」と言ったというわけだ。
テレビで見る立川談志のイメージでは、「そんなのきかねえよ」といいそうではないか。
しかし、命をおびやかす病でなんでもやってみようと思ったのか、友情に感謝したのか。
たぶん、そのどちらもと思うが、三根健二朗さんの話では、立川談志は超ミネラル水を飲んだわけだ。
立川談志も毒舌を忘れたのか
「毒舌の談志」といわれているが、それにしては何とも素直というか単純な感想という気がした。
私生活のごく親しい人には違う面を見せるのか、命がかかって立川談志も毒舌を忘れたのか、三根健二朗さんが作った話なのか、真実は定かでない。
別に確認をとる気もないし(笑)
三根健二朗さんは立教大学出身なので、その関係でも、いろいろな人に勧めているという話を聞いた。
そして、三根健二朗さん自身が、ステージIVの大腸がんになり、術後は超ミネラル水を飲んだそうである。
そのエピソードは、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しい。
健康食品はがんを克服するのか。懐疑的でも抗がん健康食品はなぜ売れるのか。立川談志も飲んだと言う話を聞いたことがあるが……、でした。
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