萩本欽一さんは、あまり自分のプライバシーを売り物にしませんが、連載記事でめずらしく自分の母親について振り返りました。内容は、自分の母親がボケて『欽どこ』で演じている家族とリアルを間違えたという話ですが、笑うべきか考えてしまう話です。
萩本欽一さんの母親が話題になっています。
というより、萩本欽一さん自身が話題にしています。
『アサヒ芸能』(2013年10月31日特大号)では、萩本欽一さんの連載で、自分の母親について振り返っているのです。
出演していた番組の設定を、現実の生活と思い込んだり、山口百恵さんとのたあいないやりとりで、笑顔で「いやだぁ、欽ちゃん、嫌い!」といった場面の言葉だけ切り出して、「欽一、お前は百恵ちゃんに嫌われてるよ、謝んなさい」と萩本欽一を叱りつけたりしたというのです。
真屋順子さんをリアル配偶者に!?
さっそくですが、記事から該当部分を引用します。

『アサヒ芸能』(2013年10月31日特大号)
5年前に101歳で亡くなったおふくろですが、70を過ぎた頃から、時々、ボケている時期がありました。ある日、おふくろから電話がかかってきました。
「欽一 しかたないことだけどね、澄子さんのことも少し考えてあげたほうがいいよ。テレビに別の奥さんや子供を出すのは、お母さん、やめたほうがいいと思うんだよ」
「澄子」って僕の女房の名前なんですけど、何のこと? と思ったら、テレビで「欽どこ!?」を見てたらしいんです。そしたら「萩本欽一一家」で、奥さんの順子さんや見栄晴。そして、のぞみ、かなえ、たまえの娘たちが出ているわけです。
順子さんは僕のことを「あなた」と呼び、子供たちは「お父さん」と呼びます。
おふくろはすっかり「欽どこ!?」を、僕の別の家庭だと思い込んでしまったらしいんです。親父が、外で別の家庭を持っていて、そのことを体験しているおふくろとしては、「あれっ! 欽一もお父さんと同じことをしてるよ」と勘違いしたのです。
それで「男なんだからしかたないかもしれない。でも、テレビという公の場で別宅の家族と出演するのはやめたほうがいい。本妻の澄子さんがかわいそうだ」と、僕をいさめる電話をしてきたのです。
「お母さんがさ、澄子さんにはうまく話しておくから。でも、お前も水くさいねぇ。あんなに大きな子供がいるなんて、お母さんには内緒なんだから」
もう、トンチンカンで、しかも、すぐにうちの女房にも、おふくろから電話が行きました。
「澄子さん、許してあげてね。欽一は悪くないの。これはお父さんの血なの。向こうの家庭は子供が4人いるけど、澄子さんの男の子3人のほうが、ずっと出来がいいわよ。向こうにはね、見栄晴っていう、ちょっと頭の悪い子がいるの」
コメディアンだからネタなのだろう、話を面白くしているのだろう、とはいえません。
こういうこと、ありがちなんですよ。
人間は歳を取ると大脳皮質の衰えで、物忘れをしたり判断を間違えたりすることは誰にでもあります。
自然な加齢現象です。
しかし、それも度を越すと、萩本欽一さんの母親のように現実の判断がつかなくなります。
そうなると、他人に迷惑をかけたり、その人自身にとっても取り返しの付かない行動に走ったりする場合もあります。
萩本欽一さんは、そんな母親でも決して悪く書いていませんが、そして、ちょっと笑えるエピソードとして紹介しているのでしょうが、よく考えると、少なくとも独居老人を抱える立場の者には笑えない話です。
ただ、人によっては、そもそも自分の家族(親など)を認知症と認めたがらず、それゆえ本人への対応を誤ってしまうこともあるので、萩本欽一さんの場合はこうやってネタにするぐらいですから、きっと認知症としてきちんと対応したのだろうと思います。
そもそも認知症ってなんなんだ
認知症というのは、脳の損傷によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態を指します。
主に高齢者に多く見られますが、若年性認知症も存在します。
認知症の原因は脳の疾患や障害によって引き起こされます。
主な原因として、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが挙げられます。
これらの疾患によって、脳の神経細胞が障害され、脳内の神経回路や神経伝達物質の働きが低下し、認知機能が低下します。
認知症では、大脳皮質の機能障害が見られます。
大脳皮質は、人間の脳の表面にある、複雑な神経回路が密集している部分で、認知機能や感覚の処理などを担当しています。
アルツハイマー病では、脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積し、神経細胞が死滅することで大脳皮質の萎縮が進行します。
脳血管性認知症では、脳内の血管に障害が起こり、脳細胞が死滅することで大脳皮質の機能低下が起こります。
認知症の症状には、記憶力の低下、言葉の出しにくさ、判断力の低下、日常生活の動作の困難などがあります。
認知症は進行性の疾患であり、治療法はまだ完全に確立されていません。
現在の治療法では、症状の緩和や進行の遅延を目的として、薬物療法やリハビリテーションなどが行われます。
しかし、予防については、適度な運動や健康的な食生活、社会的交流の維持などが推奨されています。
ということで、萩本欽一さんだけでなく、決して人ごとではない話です。
それはともかくとして、萩本欽一さんについては、いくつか記事を書いていますので、そちらも併せてお読みいただけると幸甚です。




以上、萩本欽一さんは、あまり自分のプライバシーを売り物にしませんが、連載記事でめずらしく自分の母親について振り返りました。でした。
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