障碍者マークとは、障害者の利用する施設、建物、標識等であることを明確に表現するための世界共通のシンボルマークだ。今回ご紹介するのは10+1マーク。いずれも、どこかで見たことあるだろうものばかりかもしれないが、改めてご紹介しておこう。
障碍者マーク、あなたはいくつご存知だろうか。
内閣府公式サイトによると、我が国では障がいがあることを表すマークは、少なくとも画像の10章あるという。
しかし、筆者の認識ではそれらにもうひとつ加えたい。
今回もスケプティクス(懐疑的)にまとめていこう。
障害者は困ったことがあっても表現しにくい
障害者は一般に、周囲の理解と支援を必要とする。
しかし、障がいが可視化されにくかったり、また困ったことがあっても表現しにくかったりする場合が少なくない。
そのときは、周囲が配慮することが求められる。
そこで、不自由なところがあることを表現し、周囲に理解をお願いできるようにできる、いくつかのマークが定められている。
あなたはいくつご存知ですか
では、前置きはこのくらいにして、ひとつひとつ見ていこう。
障害者のための国際シンボルマーク
国際シンボルマーク。
英語のInternational Symbol of Accessを日本語とした呼び名でうる。
そのマークは、「障害者が利用できる建築物、施設であることを明確に示す世界共通のシンボルマーク」である。
障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークである。
障害者のための国際シンボルマークは、障害者の人々のアクセシビリティ(利用可能性)を向上させるために作成されたグラフィカルなシンボルである。
このシンボルは、国際的に認知されており、障害者が利用できる建物、公共交通機関、駐車場、トイレ、エレベーターなどの場所を示すために使用されている。
このシンボルは、1969年にデンマークのグラフィックデザイナーであるSusanne Koefoedが制作したイラストに基づいて作成された。
初期のバージョンは、車椅子を使用している人の姿勢を表していた。
しかし、その後の改訂により、よりアクティブなシンボルに変更され、車椅子を使用している人が自分で移動しているように描かれるようになった。
このシンボルは、白い背景に黒い図形で描かれ、上半身が前方を向き、左腕が胴体から離れて上方に向かって伸び、右腕が胴体に付いている姿勢で描かれている。
このシンボルは、車椅子だけでなく、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者など、様々な種類の障害を持つ人々を表している。
このシンボルは、国際連合が推奨するアクセシビリティに関するガイドラインである「国際アクセシビリティシンボル及び国際規格化」(ISO 7001)に準拠している。
このガイドラインは、障害者が建物、公共交通機関、情報、コミュニケーションにアクセスできるようにするために、国際的に認められたシンボルを提供することを目的としている。
身体障害者標識
肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークである。
表示自体は努力義務、つまり強制ではないが、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられることになっている。
聴覚障害者標識
聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークである。
こちらは、表示することが義務である。
もちろん、身体障害者標識同様、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられることになっている。
盲人のための国際シンボルマーク
世界盲人会連合で1984年に制定された、盲人のための世界共通のマークである。
デザインから見て、視覚障がい者のたのマークであることはわかるが、具体的なことはあまり知られていないかもしれない。
このマークを見かけたら、視覚障害者の利用への配慮に御理解、御協力をお願いするものである。
耳マーク
聞こえが不自由なことを表す、国内で使用されているマークである。
たしかに、よく見るとデザインが耳の形をしている。
ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬同伴の啓発のためのマークである。
お店の入口などでこのマークを見かけたり、補助犬を連れている方を見かけた場合は、御理解、御協力を求めるものである。
オストメイトマーク
人工肛門・人工膀胱を造設している人(オストメイト)のための設備があることを表している。
対応のトイレの入口・案内誘導プレートに表示されている。
これは意外かもしれない。たとえば人工肛門をつけている人は、身体障害者であることを知らない人もいるのではないだろうか。
つまり、障がい者は、生まれたときそうでなければ縁のないものではなく、誰もが中途障害になりえるものなのである。
ハート・プラス マーク
内蔵や免疫機能など、身体内部に障害がある人を表している。
可視化されにくい障がいの典型的なもののため、様々な誤解を受けることがある。
障害者雇用支援マーク
公益財団法人ソーシャルサービス協会が、障害者の在宅障害者就労支援並びに障害者就労支援を認めた企業、団体に対して付与する認証マークである。
企業側と障害者の橋渡しになればとの意向から作られたものという。
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク
白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークである。
このシグナルについては、視覚障害者の一部から不満も出ていることはすでにご紹介した。

しかし、このように公然としている以上、これを利用できる人はこのシグナルを示しているはずなので、私たちはこれを覚えておきたい。
ヘルプマークとヘルプカードも知っておいてほしい
と、ここまでは内閣府が公式サイトで紹介している「主」なものである。
実は、障碍者が障碍のあることを表現し、理解と支援を求めるあらゆる障がい者共通のカードがある。
それは、ヘルプマークとヘルプカードである。
上は東京都が、下は大田区が発行しているものである。
ヘルプマークは、施設ではなく、障碍者自身がつける、東京都福祉保健局により2012年に作成されたピクトグラムである。
義足、人工関節を使用している患者、内部障害、難病の患者、さらには妊娠初期の女性など、援助や配慮を必要としていることが外見では分からない人々が、自分について配慮を必要なことを周囲に知らせることで援助を得やすくなるよう作成された。
いずれにしても、こうしたマークは、制定されても人々に知られなければ意味をなさないので、これからも機会があればご紹介していきたい。
以上、障碍者マークとは、障害者の利用する施設、建物、標識等であることを明確に表現するための世界共通のシンボルマークだ。でした。
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