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飲酒は量にかかわらず脳に悪影響という英国の研究を報告したCNN記事が話題です。では、ひところ言われていたJカーブ効果は?

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飲酒は量にかかわらず脳に悪影響という英国の研究を報告したCNN記事が話題です。では、ひところ言われていたJカーブ効果は?

飲酒は量にかかわらず脳に悪影響という英国の研究を報告したCNN記事が話題です。では、ひところ言われていたJカーブ効果は?飲酒をすればするほど、脳の脳の中で情報を処理する重要な部位を構成する灰白質の容量を小さくすることが分かったそうです。

飲酒は脳の中灰白質容量を小さくする

もとの記事は、CNN。

『量にかかわらず飲酒は脳に悪影響 英研究』というタイトルです。

飲酒に「安全な」レベルというものは存在せず、アルコールの摂取が増えればそれに関連して脳の健康は悪化するとの新たな研究結果がこのほど発表されたといいます。

英オックスフォード大学の研究者らが英国内の25000人からアルコールの摂取量を申告してもらい、各自の脳の断層写真との関連を調査。

論文の筆頭著者を務めたアニヤ・トピワラ氏によれば、調査の結果、飲酒をすればするほど、脳の中で情報を処理する重要な部位を構成する灰白質の容量を小さくすることが分かったそうです。


「脳容量は年齢とともに縮小するが、その度合いは認知症でより深刻化する。脳が小さくなれば、記憶に関するパフォーマンスの低下にもつながる」というから、ただ事ではありません。

Web掲示板のスレッドです。


主なコメントを引用します。

2名無しのひみつ2021/05/20(木) 19:04:28.77ID:rtngb6XK
つまり「酒飲みはアホ」という話か

7名無しのひみつ2021/05/20(木) 19:44:18.53ID:LiFYrK+a
脳をバカにしたい辛い人が多いってことでしょ?

10名無しのひみつ2021/05/20(木) 19:50:51.26ID:Gq28V2aw
みりんもダメ

15名無しのひみつ2021/05/20(木) 20:06:05.58ID:92vHtERG
酒は百薬の長、とは何だったのか


ということで、みなさんはいかが思われましたか。

ところで、飲酒については、ひところ『Jカーブ効果』というのが取り沙汰されました。

「全く飲まないよりは適量の飲酒の方が健康に良い」という主張の根拠になっています。

これはどう考えたら良いのでしょうか。

Jカーブ効果と疫学調査の虚実

Jカーブ効果って聞いたことありますか。経済や疫学調査などで使われていますが、今回は「お酒のJカーブ効果」に限定して述べてみます。

過去の疫学調査に、総死亡率や脳梗塞などは、非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクが低く、その後飲酒量が増えればリスクが高くなるというJ字型を描く統計になることから、「全く飲まないよりは適量の飲酒の方が健康に良い」という主張の根拠になっています。

しかし、その「効果」に異を唱えているのが吉田たかよし医師です。

『東京スポーツ』(2013年6月6日付)

『東京スポーツ』(2013年6月6日付)

吉田たかよし医学博士は、以前『東京スポーツ』(2013年6月6日付)の連載、「日々是アンチエイジング」で興味深い指摘をしていました。

カリフォルニア大学(米国)などの国際研究チームが、飲酒と健康状態との関係を調べた代表的な54本の論文を再検証した結果、Jカーブ効果には大きな落とし穴があることが分かったのです。糖尿病や肝臓病など重い病気を患うと、飲酒は厳禁です。だから、飲酒量の調査をすると、病気のために飲酒をしない人が必ず含まれます。これを単純に集計すると、全く飲酒をしない人は適度に飲酒する人より死亡率が高いという結果が表れてしまうのです。つまり、お酒を飲まないために死亡率が高くなったのではなく、病気の人がお酒を飲まなかっただけだということです。適量を超えた飲酒が健康に良くないのは当然ですが、適量以下の飲酒は健康に悪くもないが良くもないというのが医学研究の結論です。

適量の場合、飲んだから体に悪いというわけではないが、かといって、飲めば脳梗塞など死亡に至る病のリスクが減る、という医学的根拠もない、という話です。

ここでいいたいのは統計の解釈についてです。

たとえば、関係業者が、「酒は百薬の長」に医学的なお墨付きを添えたいと思えば、「Jカーブ効果」をもって、「飲めば死亡リスクが減る」かのように語るかもしれません。

しかし、それを額面通り受け止めて、飲めない人が健康のためと自分に言い聞かせて無理に飲むような事態もあり得るわけで、それはあってはならないことだと私は思います。

統計で語られると、説得力があるように見えるかもしれませんが、統計はそれだけで因果関係を語れるわけではなく、たんに○○○という条件の時□□□という結果が出た、というだけの話です。

そこから踏み込んだ結論を出す様々な研究を行うきっかけに過ぎないのです。

このことに限らず、統計が「根拠」だからといってすぐには信じ込まず、むしろ、他の見方はできないだろうか、と懐疑の視点を持つクセをつけることです。

それによって物事を見る幅がひろがれば、「情弱」などというレッテルもおよびではなくなるでしょう。

このコロナ禍で、外での飲酒の機会が減っている人も多いと思いますが、できれば家飲みも減らしてみてはいかがでしょうか。

以上、飲酒は量にかかわらず脳に悪影響という英国の研究を報告したCNN記事が話題です。では、ひところ言われていたJカーブ効果は?でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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