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喫煙のがんリスクについて、昨今取り沙汰されている。しかし、喫煙者はニコチン中毒なので、そんな調査ではびくともしない

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喫煙のがんリスクについて、昨今取り沙汰されている。しかし、喫煙者はニコチン中毒なので、そんな調査ではびくともしない。

喫煙のがんリスクについて、昨今取り沙汰されている。しかし、喫煙者はニコチン中毒なので、そんな調査ではびくともしない。さすれば、現在よりも説得力のある疫学調査が必要ではないかという話だ。今回もまた、スケブティクスに切り込んでいこう。

喫煙はがんのリスクを増加させることが知られている。

喫煙によって、肺がんや口腔がん、喉頭がん、食道がん、膀胱がんなどのがんになるリスクが増加すると考えられている。

また、喫煙によって、発がんのメカニズムに関わる遺伝子の変異が引き起こされることが示されている。

特に、長期間、多量の喫煙を行うと、がんになるリスクが増加する。

さらに、喫煙には、心臓病や慢性呼吸器疾患などの他の健康リスクもある。

禁煙は、がんだけでなく、様々な健康上のリスクを軽減することができる。

その事を踏まえた上で、以下をお読みいただきい。

リスク増大による関連性

喫煙のがんリスクについて、昨今取り沙汰されている。

喫煙は健康によくない。受動煙も同様だ、という“世論”から、徹底したタバコ締め出しが行われている。その一方で、喫煙とがんの関係はエビデンスがないという主張もある。

タバコに発ガン物質が含まれていることは事実だが、それとがんになることには因果関係がないという意見だ。さ

て、実際のところどうなのだろう。

喫煙と大腸がんの関連性について、「日経ネット」が報じている。

(12/10)喫煙と大腸癌(がん)の関連性が明らかに
喫煙が原因となる悪性腫瘍のリストに新たに大腸(結腸直腸)癌(がん)が加わったことが、医学誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention(癌疫学、バイオマーカー&予防)」12月号(たばこ特集号)で報告された。これで喫煙に関連する癌の種類は17となる。

記事によると、今回の大規模前向き試験では、約20万人を13年間にわたり追跡。その結果、喫煙経験のない人に比べて、現喫煙者は大腸癌リスクが27%高く、元喫煙者は23%高いことが判明した。中でも喫煙期間が50年以上に及ぶ人は、喫煙経験のない人よりもリスクが38%高かった。一方、40歳前にたばこを止めた人、31年以上喫煙していない人にはリスクの増大は認められなかったという。

喫煙によるがんリスクは知られているが、大腸がんについてははっきりとしたものが出ていなかった。

記事によれば、これを受けて国際癌研究機関(IARC)は両者の関連を示すエビデンス(科学的根拠)について、これまでの「限定されている(limited)」から「十分にある(sufficient)」へと見解を変更したという。

大規模前向き試験であることや、「スクリーニングを受けない、肥満、運動、赤身肉や加工肉の多量摂取など、喫煙以外の大腸癌の危険因子(リスクファクター)について調整後もなお、喫煙によるわずかなリスク増大が認められた」ことなどからそのように判断したようだ。

規制してホイからこそ、この調査では「?」

さて、このての「何十年喫煙するとがんになる」「やめるとがんのリスクが下がる」という調査は、ちょっと意地悪な見方をすれば、喫煙者の中のとくにリスクが高いヘビースモーカーを都合良く使って、タバコ規制の意図を露骨にした試験という気がしてならない。

しかし、残念ながら、その意図に反して、規制が奏功するとは思わない。

考えても見て欲しい。

長年の喫煙者に対して、だ。

「吸えばがんになる、やめれば間に合うかもしれない」なんて生活(価値観)の一部を、まっこうから否定するようなことを言って承伏すると思うか?

喫煙の害を明らかにするな、といっているのではない。

規制自体には反対しない。

というより、大いにして欲しい。

だからこそ、曖昧なものではなく、喫煙者を追い詰めてほしいのだ。

なぜヘビースモーカーを「喫煙者」の代表にして「喫煙」の結論を出すのか。

タバコを吸わない「第三者」として気楽な野次馬を気取る筆者には不思議でならないのだ。

だいたい「喫煙者」というのはどういう状況を指すのだろうか。

日に1本でも吸えば喫煙者か。週に1本でもか?

このての試験で、何本吸うとニコチンがどのくらい血中に入って、という試験を見たことがない。
いつも対象は漠然と「喫煙者」で、たいがいは10本を超え長期間に渡る喫煙歴のある、全喫煙者の中でも比較的上位のスモーカーのようだ。

しかし、常識的に考えて20本以上吸う人と10本吸う人と1本吸う人ではリスクが違うだろう。

喫煙調査なら、ひとつの試験の中で、10本以内の少数の調査も並行して行うべきだ。

そこまで行わなければ、喫煙のリスクを合理的に明らかにしたとは言えない。

もちろん、「喫煙期間が50年以上に及ぶ人」が1本で足りるとは考えにくいが、10本以内ならとくに女性などには多く存在するのではないか。

1本、10本、20本ではどう違うのか、ということが明らかになれば、多様な喫煙者にとっても有益な試験となるだろう。

なぜなら、禁煙したい20本吸う喫煙者が、急に禁煙はできなくても、たとえば10本ならこれだけリスクが下がる、という数字が出ていれば、まずはリスクが下がる半分を目標にしようということになるかもしれないではないか。

その方が、この試験のような、「40歳前にたばこを止めた人」だの「31年以上喫煙していない人」だのといった、まるで今後の喫煙者の人生に無理ヤリお手本を突きつけられるような押しつけがましいケースよりも、よほど「リスク低減」に説得力があろうというものだ。

「科学的根拠」だけのオール・オア・ナッシングでは、喫煙者は得心しない。

段階を踏めば、得心する人はいるかもしれない。

価値意識(各自の判断)を尊重しない「啓蒙」は人の心をつかめない

このことは、タバコに限らない。

以上、喫煙のがんリスクについて、昨今取り沙汰されている。しかし、喫煙者はニコチン中毒なので、そんな調査ではびくともしない。でした。

健康情報・本当の話 - 草野 直樹
健康情報・本当の話 – 草野 直樹

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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