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司葉子と加山雄三の膨よかな姿を拝見して消せない過去に悩む男女の葛藤を描いた成瀬巳喜男監督『乱れ雲』を思い出した

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司葉子と加山雄三の膨よかな姿を拝見して消せない過去に悩む男女の葛藤を描いた成瀬巳喜男監督『乱れ雲』を思い出した
司葉子さんのお姿を久しぶりに拝見しました。星由里子のお別れ会に駆けつけて記念写真を撮っているのです。それにしても、加山雄三さんと司葉子さんのふくよかになったこと。かつては大映の若尾文子か東宝の司葉子かといわれたものですが。

星由里子のお別れ会に駆けつけて取材を受けた人たちは、みんな星由里子より年上なんですが、司葉子も加山雄三も、北島三郎も里見浩太朗も宝田明も、やせ細ってないですね。

とくに、久しぶりに拝見した司葉子が、京塚昌子なみにパツパツなのは何ともいいようが……。

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まあそれはともかくとして、こうしたご健在の方々が激やせしていないということは、少し小太りのほうが長生きという保健学の報告は本当かもしれませんね。

かつて、司葉子と加山雄三といえば、“禁断の愛”を描いた『乱れ雲』という映画で魅せた葛藤を思い出します。

過去を消せずに悩む男女の葛藤

『乱れ雲』(1967年、東宝)をご紹介します。

司葉子の代表作と言ってもいいでしょう。

夫のアメリカ行きが決まり、懐妊もして夢いっぱいの妻(司葉子)。

しかし、夫は突然、男(加山雄三)の運転による交通事故で死亡します。

司葉子は実家から放り出され、加山雄三も左遷されて婚約破棄もされました。

加山雄三は、賠償金を支払う接点を司葉子ともつうちに、司葉子に情がわきます。

司葉子と加山雄三

司葉子も、居場所がない自分の人生において、加山雄三の誠実さに引かれるようになります。

十和田湖を案内したときに、加山雄三が高熱。

看病した司葉子の手を握りしめると、司葉子も握り返します。

そして、ついに司葉子は意を決して加山雄三のアパートに。

宿で抱擁する司葉子と加山雄三。

いよいよ……というとき、大どんでん返しが起こります。

この頃は、司葉子こそ、東宝を代表する美しい女優です。

司葉子さんの『乱れ雲』は、7年経ってテレビドラマ化もされました。

相手は黒沢年雄で、その婚約者が酒井和歌子とぐっと若返っているのですが、主人公は司葉子のままです。

これは、司葉子の代表作であるとともに、司葉子は7年経ってもこの役を演じられる美しさを保っていたということなのです。

でも、だからといって、人間は歳を取るのですから、今も同じはずはありません。

今、ふくよかになられてご健在なのは、むしろかわいい歳のとり方をして何よりです。

乱れ雲
乱れ雲

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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