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『ロイ・ビーン』ジョン・ヒューストン監督でポール・ニューマン主演1890年代の米国で「判事」と自称し悪人を処罰した話

『ロイ・ビーン』独善的で横暴で頑固で女好きの「判事」の話

『ロイ・ビーン』という映画を見ました。ジョン・ヒューストン監督でポール・ニューマン主演です。アメリカに実在した「判事のロイ・ビーン」を題材としています。1890年代の米国で「判事」と自称し、自己判断で悪人を縛り首にしていった話です。

無法のはびこるテキサスの19世紀末、西部の名物男ロイ・ビーンの活躍を描いています。

ペコス川の西には、法律も正義もなく、あるものといったら暴力と無秩序とガラガラ蛇。

1人の流れ者が、そんな暴力の洗礼を受けると、薄れてゆく意識の中で復讐を誓いました。

メキシコ人娘からピストルを借りると、流れ者は悪党どもがたむろする酒場へとって返し、見事な拳銃さばきで全員を射殺してしまいました。

流れ者は次の日から、判事ロイ・ビーン(ポール・ニューマン)と名乗るようになりました。

司法試験を受けた判事ではなく、自称です。

自分の判断で刑を下す。しかも射殺を。

ひらたくいえば、自分にとって気に食わない奴は射殺するのです。

そんな判事ロイ・ビーンが、あらゆる美と理想の象徴であるとしたのは、イギリスの大女優大女優リリー・ラングトリーです。

独善的で横暴で、頑固で女好きのロイ・ビーンは、自分の仕事部屋などをラングトリーのポスターなどで一杯にして、ひと目会いたいと思っていました。

そして、たとえポスターに対してであろうと、彼女に対して無礼な態度をする人間には容赦しない。

穴を空けた人物は即座に射殺刑にしました。

そんなリリー・ラングトリーが、テキサスのサン・アントニオにやってきました。

ロイ・ビーンの死後、その噂を聴いたリリー・ラングトリーは彼の残した「美術館」を訪ねます。

その中へ入り、空間を占める幾多のポスターなどを目にし、自分がロイ・ビーンという男にいかに愛されていたかを知り、大きな幸福感を味わうのです。

独善的で横暴で頑固で女好きの結末をどうするか

リリー・ラングトリーが、穴を空けた人物はどうなったのかと問い、ロイ・ビーンが即座に射殺刑にしたと答えたら彼女は満足そうに微笑む…というところがいかにも白人史観の象徴と言える西部劇らしいですね。

私だったら、そこでリリー・ラングトリーがロイ・ビーンに対して、微笑みながらも手短な何らかの決め言葉でスパッと咎めて(ネチネチやらない)、ロイ・ビーンがそれまでひたすら「美術館」までこさえた思いが一瞬にしてぶち壊されるエンディングとする、人生無法してきたバツを与える淡々と残酷な展開が好きなんですけどね(笑)実在ならなおさらそんな思いがあります。

いや、あくまでも未見なので、実際に見たらまた考えが変わるかもしれませんが、日本の場合、実録とされる「勝った者が正しい」ヤクザ映画でも、決して人殺しは誰も幸福にはさせない道徳的な展開になっているので、そういう世界観に慣れちゃってるのかもしれません。

でもまあ、時代劇なども考えてみれば、奉行は知事と裁判官を兼ねてますから、自分が判事で好き勝手やってますけどね。

鬼平犯科帳で長谷川平蔵は、自分の手下の女(梶芽衣子)が惚れた相手(世良公則)についていくことになったら、女には「行け」と言っておきながら、相手の手癖に対してバツとして腕を切り落としており、どう考えてもヤキモチ裁定だろうと思いますが、時代劇も西部劇も、そこは「いかなる価値観で観るべきか」というところをきちんと決めておかないといけませんね。

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