ドラディション(シーホースコーポレーション)が主催する「DRADITION 2018 THE REVENGE TOUR in TOKYO」(、2018.10.19 後楽園ホール)が話題です。注目点は、藤波辰爾とエル・カネックの「30年ぶり」の対戦が実現!「敵前逃亡事件」の因縁に決着か。
試合カードは、藤波辰爾&越中詩郎&丸藤正道VSエル・カネック&藤原喜明&KAZMA SAKAMOTOです。
それにしても、藤波辰爾64歳。
いつまでやるか、プロレスを。
丸藤正道、KAZMA SAKAMOTOという現役を1人ずつ入れて、あとは「昔の名前で出ています」でしょう。
この試合以外も、現役選手、引退宣言していないだけで現役としての限界を超えている選手などが登場しました。
2018.10.19 後楽園ホール「DRADITION 2018 THE REVENGE TOUR in TOKYO」試合結果:ドラディション公式サイト https://t.co/yImzMMjjKX
— 秘書筒井@相互フォロー希望ですの (@hishotsutsui) 2018年10月27日
今更ですが、プロレスはもちろん、純粋に勝敗を争う格闘技ではありません。
ミスター高橋も、プロレスは少なくとも格闘技ではありません、といっていましたね。
「プロのレスリング」でもありません。
ただ、打撃技、寝技などやはり実際に技を繰り出している以上、鍛え抜いた体で、身体能力の高い年齢でないと、なかなか務まらないのではないかとおもいます。
今回はわざわざエル・カネックを呼んでいますが、いくら「敵前逃亡」の因縁があるからといって、いまさらその解決戦とは思わないでしょう。
この前はボブ・バックランドも招聘していましたが、どうせならプロレスの歴史を概観しながら、技や試合内容の発展などについてのレクチャー的なものをリング上で展開していただきたいですね。
ただ、昔有名レスラーだった高齢レスラーがぞろぞろ出てきて試合するというのもいかがなものでしょう。
しかし、あまりにもとうの立ちすぎた人たちでも、ある程度の観客は入るのですね。
それだけ、プロレス人気は根強いということでしょう。
格闘技関係では、寝技中心のレスリング、柔道、あるいは分かりやすい立ち技の空手やキックボクシングでさえ、「世界的」にはメジャープロスポーツとはなっていません。
そんな状況の中、何だかんだ言って、プロレスがずっと生き残っているのはとても興味深い事実ではないでしょうか。
感情移入できるかどうかがポイント
まあたぶん、「純粋に勝敗を争う格闘技」ではないからこそいいんでしょうね。
そして、「プロのレスリング」でないことも。
プロレスの起源は詳しくありませんが、少なくともアメリカで流行ったのは、西部劇と同じで、アメリカ人の自己正当化の劇として成立していることに意義があったのでしょう。
物語を面白くするには、いろいろなキャラクターや、奥深いルールであった方がいいわけで、ただのレスリングで純粋に勝敗を争うだけでは感情移入しにくいし、なかなか豊かな物語は無理ですからね。
今日も『1964年のジャイアント馬場』を読んでいましたが、ジャイアント馬場がアメリカで売れていた頃は、なぜか大阪出身ということになっていて(新潟ではアメリカ人はわからない?)、大リーグからオファーがある優秀な野球選手で、その上柔道、空手、柔術の達人というふうに大ぼらを吹いた売り方をされていたそうです。
でも観客はそれを信じて、興行戦争になっても、ライバルはクラッシャー・リソワスキーやフリッツ・フォン・エリックやザ・シークやボボ・ブラジルなどを揃えても、バディ・ロジャース対ショーヘイ馬場の興行に負けてしまうというのが痛快でした。
立花隆氏が言うように、観客は低級な人達だったのかもしれませんが、それでもたぶん、その頃のジャイアント馬場は、そう信じさせることができる身体能力をもったパフォーマーだったんでしょうね。
日本ですと、上田馬之助と組む前のタイガー・ジェット・シンというのは、そういう意味でかなりストイックにイメージ作りをしていましたね。
だから週刊ファイトで、記者とすき焼きを食べている写真が出た時、ちょっとがっかりしましたけどね(笑)
そういう意味では、観客が感情移入できることがプロレスの醍醐味で、それを実現できる説得力があるかどうかが大事なんでしょうね。
以上、ドラディションは藤波辰爾とエル・カネックの「30年ぶり」対戦がありましたが「敵前逃亡事件」の因縁に決着はオーバー、でした。
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