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ADHD関する記事が話題。実情から理解と支援を求めるだけでなく、「できない」ことの何が悪いのかという踏み込んだ訴えが必要

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ADHD関する記事が話題。実情から理解と支援を求めるだけでなく、「できない」ことの何が悪いのかという踏み込んだ訴えが必要

ADHDに関する記事が話題です。『高校生新聞online』において、『私は発達障害の一種である「ADHD」の当事者』が、ADHDに対する理解と支援を求めています。

ADHDの実情や当事者の心境を知らせることは大切です。ただ私は、「ADHDだから出来ないことは仕方ない」というスタンスで、理解と支援を求めるだけでは不十分だと思います。

障害の有無に関わらず、そもそも「できない」ことの何が悪いのか、という踏み込んだ訴えが必要です。

「ねばならない」と、社会的な美学や強制の価値観こそが、障碍のあるなしに関わらず自分らしく生きることの妨げになっているんだよ、というところまでわかってもらうことが、差別や偏見解消には必要だと思っています。

注意欠如・多動症(Attention Deficit Hyperactivity Disorder, ADHD)は、神経発達障害の一種であり、主に注意力や衝動抑制、運動過多などの症状が見られます。ADHDは児童期から成人期にかけて発症することがあり、男児によく見られます。

ADHDの症状は、以下のようなものが挙げられます。

【注意力の欠如】

・長時間の注意を払うことができない。
・途中で話を聞かなくなる。
・課題の途中で行動が止まってしまう。
・細かいミスを犯す。

【衝動性】

・急に何かを言ったり行動を起こす。
・まわりの人の話を遮ったり、割り込んだりする。
・物事を待つことができない。

【多動性】

・手足が動かせずに座ることができない。
・部屋の中を歩き回る。
・静かに座ることができない。

ADHDの原因は明確には分かっていませんが、遺伝的要因、脳内の神経伝達物質のバランスの問題、母親の妊娠中のストレスや喫煙、出産時の合併症などが関与している可能性があります。

ADHDの治療には、医薬品療法や心理療法があります。医薬品療法では、注意力や衝動性を抑える効果のある刺激性薬や非刺激性薬が用いられます。心理療法では、行動療法や認知療法などが用いられ、症状の改善や対処方法の学習が行われます。

ADHDは、治療を受けることで症状が改善されることがあります。また、ADHDの人々は、才能を発揮することができる場面もあり、環境の調整やサポートを通じて、自分らしい生き方を見つけることができます。

例によって、ネットでは「甘え」の大合唱

今回話題になっているのは、「私は発達障害の一種である「ADHD」の当事者です」というリードに始まる記事です。

ばけ谷=3年という署名で、「「私」がどのように生活しているのかや、ADHDについて思っていることなどを伝えます」と記載されています。

ADHDの高校生が語る日常 集中するのが苦手「甘えではない、個性ととらえて」|高校生新聞オンライン|高校生活と進路選択を応援するお役立ちメディア
私は発達障害の一種である「ADHD」の当事者です。私がどのように生活しているのかや、ADHDについて思っていることなどを伝えます。(ばけ谷=3年)珍しい障害ではない皆さんはADHDを知っていますか?A

ADHD当事者にも、さまざまな特徴がありますが、著者の場合、

  • 時間や期日を守ることが苦手
  • 一つのことに集中することが苦手で、ソワソワしてしまう

2つの特徴があることを告白しています。

例えば、授業中先生の話を聞いているときでも、窓の外に猫がいたり他のクラスの体育の授業が見えたりすると、ついついそっちの方が気になってしまいます。
私は中学校1年生のときに診断を受けてから、薬を服用しています。薬を飲み忘れると集中力が持たず、授業中に眠ってしまったり、そわそわしてしまったりします。

それを、事情を知らない人は、「甘えだ」「怠けている」「やる気がない」など否定的な意見を述べるが、ADHDは怠けでも甘えでもなく、「他の人より極端に物事の優先順位をつけることが苦手だったり、時間の感覚がずれていたりするだけ」で、「これらは努力でなんとかなるものではない」ことを訴えています。

これが、まとめサイトです。


Web掲示板は、おおむね誹謗中傷が好きなところですが、とくに障碍者への理解は「ない」と断言してもいいでしょう。

主なコメントです

2ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:00:29.31ID:eGFaJCrE0>>681>>832>>839
心配するな、就職できないからw

5ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:02:40.48ID:aTSud89n0>>12>>150>>448
周りの人は嫌な思いするだけだと思うけどそれも我慢しないといけないの?
一方的に迷惑かけてる構図だと思うけども

9ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:08:07.62ID:3tgNM8VT0
うんわかったけど、だからと言って回りに迷惑や負担を掛けておいて仕方ないや当たり前って顔するのはやめてね
常に足らない事を自覚する事と、してもらってる事に感謝ぐらいはしろよ

14ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:10:08.54ID:cGRPpWyY0
甘えとは思わないから周りの人達の事も考えよう

15ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:11:08.62ID:EpOjg1mC0>>25>>179
時間、期日が守れない
甘えだよこんなの(笑)
両親が死んだ時、自分は病気だからとあらゆることから逃げてきた事に心底後悔するんだよ
戸塚ヨットスクールみたいな所で矯正するのが一番の薬

20ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:12:42.57ID:mQt5PvwM0
おおおおーい甘えるな

23ニューノーマルの名無しさん2021/03/01(月) 02:14:36.01ID:/IdwybU30
>>1
間違いなく甘えだと思います。


ま、この程度ですよ。

こういう奴らは、直腸がんになってストーマをつけたり、脳卒中になって手足が不自由になったりして、障害者手帳をもらってから、「障碍(者)とはなんだろう」と、真面目に考えるようになるんでしょうね。

ADHDとは何か

それはともかくとして、ADHDについて整理すると、ADHD(注意欠陥多動性障害)とは、不注意、多動性、衝動性などを特徴とする発達障害です。

注意力や集中力などが続かずに、極端にそわそわして落ち着きがない特徴があります。

自分の行動をコントロールする機能が弱いということです。

それだけなら、子供時代はだれでもありがちですが、7歳を過ぎても改善されないと、ADHDと診断されます。

落ち着きがなかったり、行動が度を越していたり、場の空気を読めなかったり、約束を忘れたりするために、人間関係を築けないことが少なくありません。

勉強をしていても集中力が続かない、物事を段取り良く進められない、授業中もじっとしていられないということもあります。

不幸にも、知識と人生経験に欠ける教員に当たると、先生からは「落ち着きのないダメな子」というレッテルを貼られるかもしれません。

とりあえず、そういう場合には教育委員会に言いつけましょう。

発達障害というと、知的な遅延、障害と思われがちですが、知能は正常でも発達障害である場合もあります。

いずれにしても、それは、親の育て方やしつけが原因ではありません。

つまり、発達障害をなじるのはヘイトスピーチになります。

ネット掲示板では、高齢出産、いわゆる「キラキラネーム」とともに、インケンな排外主義の標的になる発達障害ですが、その根拠なき落書きに対しては、きちんと真実を伝えていくことが求められるでしょう。

「できない」だけでなく「それがどうした」まで踏み込もう

ただ、発達障害やADHDの実情を広めれば、それで連中の差別や偏見がなくなるかと言うと、そうは思えません。

ADHDは、片付けができない、礼儀正しくない、でも本人の性格や、親のしつけのせいではないんですよ。

ここまではいいです。

なんだ、障碍だったのかと、「誤解」は解けるかもしれません。

しかし、これだけですと、「片付けができない、礼儀正しくないことには事情(障碍)がある」ということが明らかになっただけで、だから「できなくてもいい」というところまではいっていません。

つまり、「本当はすべきなのに、事情があってできないかわいそうな人たちの障害なんだ」という新しい差別を助長するリスクがあり得る、と私は懸念しています。

たとえば、ネットでは、相手の書き込みを貶める言葉として、「アスペ」と書くことがありますよね。

アスペルガー症候群という発達障害の意義ある発見が、ネットでは差別用語に使われてしまっているのです。

ですから私は、ADHDの認定だけでは、逆に差別用語を一つ増やすだけだと思うのです。

私は、そもそも

落ち着きがない? 片付けができない? 人と関われない? だからどうした!

という“無責任”文化や、“向上心”のない価値観も尊重すべき社会であることを求めるべきだと思います。

……そう提案すると、「勤勉」で真面目な人達は、私のことを、なんて不謹慎と思うかもしれませんね。

でもね、そういう人たち、ちょっとその頭を使って考えてくださいね。

部屋が片付かないと生きていけませんか?

友だちがいない人は生きる資格が無いんですか?

そんなことはないでしょう。

むしろ、そういうことを「ねばならない」と、社会的な美学や至上の価値観に仕立てあげたことで、人々の間には、競争や見栄による牽制や、コンプレックスや排外主義をうんできたのではないでしょうか。

アスペ? そんなこたぁ、どーでもいいじゃねーか、

という価値観なら、アスペは差別用語になりえないでしょう。

もちろん、礼儀や片付けをちゃんとできることを否定するわけではありません。

しかし、できない人、しない人など、いろいろな人がいて、この世の中が成り立っている、というふうに考えられないのか、という話です。

考えられないあなたは、心に余裕がありませんね。

まとめ

本当はできたほうがいいんだけど、この人は障害者だからできなくても仕方ない、では結局「この人」の疎外感は解決しないと思います。

できない奴はおかしい、できるようにしろ、という価値観だけが覆うような息苦しい社会であるかぎり、どんな障害名をつけても、「できない人」にとっては本当の解決にはなりません。

ネット民はふざけ続けるでしょう。

ですから、ADHDを理解するという医学や教育だけでなく、文化や価値観など社会全体を変えていく必要があると私は思いますね。

以上、ADHD関する記事が話題。実情から理解と支援を求めるだけでなく、「できない」ことの何が悪いのかという踏み込んだ訴えが必要、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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