このままでは済まない?

島田紳助の引退騒動をネタに使う一部芸人が取りざたされているが、『アサヒ芸能』(11月17日号)では「紳助親分の報復戦 渡辺二郎「舎弟」同士の因縁17年 反目の宿敵、紳助VS石橋『第2次東西抗争』が始まった!」というタイトルで、石橋貴明の島田紳助イジリを取り上げている。
「引退をイジることを許されているのは、紳助が気を許した一部の吉本の後輩芸人だけです。関東芸人の中では、『爆笑問題』がライブの中で、紳助の引退をネタにしたことはありますが、限られた客の前でのことです。今回は、公共の電波でイジってしまった。その反響は桁違いですよ。しかも、石橋は一度ではなく何度もやっているわけですからね」

「09年の両者のケンカは、紳助がテレビ局への配慮もあって、自然に収束しましたが、今回は事情が違います。紳助は引退して、今のところは『一般人』ですから、どこにも遠慮する必要はありません。意外な反撃をしてくる可能性だってあります」(芸能ジャーナリスト)

「09年の両者のケンカ」というのは、09年10月に放送された『オールスター感謝祭』(TBS系)で、島田紳助が本番前に挨拶を怠った東京03に対して、生放送中にもかかわらず彼らの胸ぐらをつかんで「潰すぞ!」と桐喝したことを、石橋貴明が東京03との初共演時にパロッたことをさしている。

そして、島田紳助引退後の10月27日に放送された『みなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で石橋貴明は、「自分の中ではセーフだと思っていたんですが‥‥。50歳にして引退を決意しました」と、島田紳助の例の会見のパロディをやった。

誰をどうイジるかは表現の自由だ。面白ければそれでいいではないか。お笑いならイジられてナンボではないのか。現実にそれがままならないお笑い界は、前近代的な暗黒の世界らしい。

とんだブラックジョークである。

それだけなら、“不躾”にそれをぶち壊している石橋貴明に100%入れ込みたいところだが、記事は“どっちもどっち”といえる構成になっている。

たとえば、島田紳助は、「ケツ持ち」として山口組若頭補佐率いる極心連合会の名前を出していたというが、石橋貴明も「芸能界の大物」がバックに控えるおかげで、安心して放言を行っているという。

また、島田紳助が引退会見で最後まで名前を伏せていた恐喝未遂事件で係争中の渡辺二郎被告は、島田紳助の「兄貴分」ともいえるが、実は石橋貴明にとっても「隅にも置かない扱い」だったという。

「94年に半年だけ、フジで放送されていた『ラスタとんねるず94』という番組で、石橋と渡辺被告は共演しているんです。元格闘家を集めて、自分の手駒として体力勝負のゲームで競わせる『ジャイアント将棋』というコーナーにレギュラー出演していたのが渡辺被告です」(芸能ジャーナリスト)

「番組内でもそうでしたが、石橋は渡辺被告を『二郎さん』と呼び、親しげにしていました。楽屋にも石橋のほうから挨拶に出向くなど、当時は体育会系の先輩と後輩という間柄に見えたのですが、すでに渡辺被告はヤクザと接点を持っていただけに、今から思えば、石橋との関係もさもありなんと思えてきます」

同誌では、「紳助と石橋の険悪な関係は、『兄貴分』の渡辺被告との親密度を巡り、『舎弟』同士の小競り合いが発展したものなのか」などと勘ぐっている。

そして、同誌は「紳助親分が一発カマせば、そんな“惨劇”に発展することは間違いない」と、これから2人の対立が大きなトラブルになることを予想しているが、ただ、それには島田紳助の芸能界復帰が条件になるだろう。

先だっての講談社提訴は、復帰をにらんでのものとも言われているが、だとすれば、あの引退会見はいったいなんだったのか。

ケジメとスジ目を大事にする任侠社会を「ケツ持ち」と称しながら、ずいぶんとオノレのケジメにはルーズではないかという気がするが、ま、覚せい剤などでつかまっても簡単に復帰できる芸能界だから、この件は今後どうなるかわからない。

島田紳助100の言葉 (ヨシモトブックス)

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