モラルに問題はないのか

島田紳助引退。記者会見直後はマスコミが「暴力団との交際で引退」とこぞって取り上げたが、一週間過ぎるとほとんどのメディアは触れなくなり、今やヤクザとのつながりについて特集を組み掘り下げているのは一部夕刊紙だけだ。

これ、なんかへんである。
芸能界とヤクザのつながりを知る貴重なニュースのはずだが、なぜ報じないのか。それを解説しているのが『東京スポーツ』(9月17日付)だ。

「それどころか民放各局は最近、紳助問題を報じることもほとんどなくなった。芸能プロ関係者によると「どうやら、吉本から『紳助問題はあまりやらないでほしい』と申し出があったらしい」。その背景として「民放は全局、吉本の株主」(前出の民放関係者)という事情が指摘される。

 在京、在阪の民放局すべてが昨年から、吉本興業の株主に名を連ねている。以前は東証、大証に上場していた吉本だが、友好的TOB(株式公開買付)を一通じて昨年2月24日付で上場廃止された。その際、関係の深い企業が新たに株主となった。特に在京キー局は株の保有率が高い。吉本のホームページによると、最も高いのはフジテレビで12・13%。さらに日本テレビ、TBS、テレビ朝日が8・09%、テレビ東京が4・04%…などとなっている。

 テレビ局としては出資先に違約金を請求するわけにもいかず、そこの所属タレントが「暴力団と交際していた」と大っぴらに追及を続けることもできない。「モメるよりも吉本のタレントを使って『紳助抜き』の新番組を立ち上げた方が得策ですから」(前出の関係者)

 吉本が根回しもなく、電撃的に紳助を引退させたことにも「株主であるテレビ局が違約金を請求することはない、という自信があったのでは」(事情通)との見方もある。(本紙取材班)」

メディアは、自分の「子会社」のタレントのことは悪く書けないというわけだ。

新聞とテレビやラジオが資本関係にあることが批判されている。

メディアが芸能プロの株主になってはいけないという法律はないが、モラルという点から他の大手メディアについても監視と検証が必要かもしれない。

暴力団のタブー (宝島SUGOI文庫)

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