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我が国では口に入るもののなかで医薬品・医薬部外品以外は大枠で食品と分類されておりサプリメントという薬品は存在しない

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我が国では口に入るもののなかで医薬品・医薬部外品以外は大枠で食品と分類されておりサプリメントという薬品は存在しない

サプリメントの虚実について考えましょう。サプリメントを商売道具に使った薬機法(旧薬事法)違反の事件は絶えることがありません。いわゆる健康食品が効果効能をうたっていたため、薬機法の医薬品規定の違反として逮捕されているケースもあります。

サプリメントという法的定義は存在しない

無資格者が未承認の自称「薬」に効能をうたって販売

たとえば、健康食品販売会社が2009~10年にわたって、医薬品販売業の資格がないのに「背が伸びる」などの効能をうたって、関東地方の5人に顆粒状のサプリメントを売った事件がありました。

2012年には、健康食品会社が未承認「やせ薬」を「筋肉を増強し、脂肪を効果的に燃焼させる」などと効能を示し、販売目的で所持していたとして逮捕されました。

2014年には、医薬品的な効果効能をうたった飲料水を販売していた会社社長ら3人が、旧薬事法違反で逮捕されました。

2015年には、インターネット通販サイトで未承認のタイ産「ED薬」を無許可で販売した不動産会社役員が逮捕されました。

ネットビジネスは、リアルに比べて市場が小さいと揶揄する者もいますが、決して無視できる規模ではありません。

サプリメントは「医者から処方されない薬」か?

それはともかくとして、健康食品を購入した人の中には、おそらく医薬品とサプリメントの違いも分からない人もいるのではないでしょうか。

「医薬品でなくとも、効くといって売っているのだから、それに準ずるのだろう」というような判断があったのではないかとおもいます。

実際、私たちはサプリメントと医薬品を厳然と区別して使っているわけではありません。

どちらも「健康のため」という意味では同じ目的です。

仕事がたて込んだときにグッとひと飲みする栄養ドリンク。

肌荒れ予防にはビタミンCやB……。

私たちは、日常生活で実に多くのサプリメント(健康食品)と付き合っています。

そのほとんどは、食べ物として栄養を摂取するいうより、滋養強壮や体調を整えるために使っていることが多く、いわば「医者から処方されない薬」といったところでしょう。

しかし、医薬品とサプリメントは、科学的(医学的)にも法的にも全く異なるものです。

医薬品と食品の関係

たとえば、医薬品なら用法や副作用があります。

一方、サプリメントには、目安となる分量は示されていても、具体的に食前・食後に何回どのぐらい服用すればいいのかは書かれていません。

もとより、薬に書かれているような効能も明記されていません。

もとい、書いてはいけないのです。

我が国では法律上、口に入るもののなかで、まず医薬品、医薬部外品といった薬品の定義に含まれるものは薬品になり、そうでないものはすべて食品と分類されており、大枠でサプリメントという定義は存在しません。

医薬品とは、医薬品医療機器法法第2条第1項に、

1.日本薬局方に収められている物
2.人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用される ことが目的とされている物であって、機械器具(歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラムを含む)でな いもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く)
3.人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすこと が目的とされている物であって、機械器具でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く)「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用される」もので、かつ「身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている」ものとされています。

一方、食品とは、食品衛生法((4)規格・基準、検査等の概要1) 対象品目)によると、「すべての飲食物。但し、薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品は除かれる」とされている。

つまり、医薬品と食品は、法律上はっきりと区別されているのです。

サプリメントが薬と似たような形で、薬と同じような使い方をしたとしても、そもそも両者は全く異なるものです。

たとえ見かけやイメージがどうであろうが、それらは医薬品としての目的(診断、治療、予防)をうたうことはできません。

気をつけよう、薬のふりをした「健康食品」

いまだに、健康食品の中にはがんや糖尿病に効くとうたわれる宣伝がありますが、あれは食品でありながら薬品のように効能をうたっている点で、薬機法違反の疑いがあります。

もちろん、厳密に言えば、法律違反の売り方をしたものには絶対に効き目がない、ということではありません。

違法というのは、たんに法的な手続きをしていないというだけだからです。理屈としては。

しかし、そのサプリメントがそんなに効くのなら、とっとと、ヒトを対象にしたきちんとした試験をして、医薬品に認定してもらった方がいいでしょう。

そうしないのは、そこまでするほどの確度がないから、試験のコストをかけず、「サプリメント」として売り抜こうと業者が考えているからです。

それは、その「サプリメント」は「医薬品」になり得ない、つまりエビデンスのないインチキだということを業者自身が認めていることにほかなりません。

サプリメントの全てがそうだとはいえませんが、少なくとも、医薬品としての法的手続きを試みないまま、医薬品のような宣伝をしているものには、そのような評価を下さざるを得ないのです。

以上、我が国では口に入るもののなかで医薬品・医薬部外品以外は大枠で食品と分類されておりサプリメントという薬品は存在しない、でした。

健康情報・本当の話
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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