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WT1ペプチドを用いたガン免疫療法の臨床試験・医師主導治験についてご存知だろうか。皮膚の樹状細胞活性化でがんへの攻撃力を高める

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WT1ペプチドを用いたガン免疫療法の臨床試験・医師主導治験についてご存知だろうか

WT1ペプチドを用いたガン免疫療法の臨床試験・医師主導治験についてご存知だろうか。皮膚の樹状細胞活性化でがんへの攻撃力を高める治療法である。体内のT細胞を刺激する効果が期待されている。同治療法をスケプティクスに見ていこう。

WT1ペプチドを用いた免疫療法は、がん治療の一つで、WT1というがん関連抗原を標的にした治療法である。

WT1は、がん細胞において過剰に発現するタンパク質であり、がん細胞の増殖や転移に関わっていることが知られている。

WT1は、正常細胞にも存在するものの、がん細胞においては発現量が非常に高いため、がん細胞を標的にすることができる。

WT1ペプチドを用いた免疫療法では、WT1ペプチドを人工的に合成して、がん患者の体内に投与する。

投与されたWT1ペプチドは、がん細胞に発現しているWT1に反応し、免疫系を活性化させる。

すると、活性化された免疫細胞ががん細胞を攻撃し、がん細胞を破壊することが期待される。

WT1ペプチドを用いた免疫療法は、がんの種類や進行度合いによって効果が異なるが、がん細胞を標的にすることができるため、がん治療の新しい方向性として期待されている。

ただし、免疫療法には副作用があり、個々の患者に合わせた治療方針が必要だ。

WT1ペプチドを用いた免疫療法は、NPO法人グループ・ネクサス(悪性血液疾患の患者会)のメーリングリストで、「WT1ペプチドを用いた免疫療法」の第1/2相臨床試験について紹介されていたので知った。

一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパンとは、あまり知っている人は少なてかも知れない。

悪性リンパ腫の患者及びその家族並びに多くの市民を対象とする会である。

会員数はおよそ1500名と発表されている(2021年3月現在)。

悪性リンパ腫に関する正しい知識の普及啓発及び広報、当該疾患の患者及びその家族の支援並びに当該疾患に関する調査研究等の事業を行い、悪性リンパ腫等に関わる医療環境の向上と、当該患者の自立を図ることによって、保健、医療の増進に寄与することを目的とする全国患者団体という。

悪性リンパ腫といえば、血液のがんであり、臓器ガンとは治療法が根本的に違う。

しかし、WT1ペプチドを用いた免疫療法は、臓器ガンに適応がある。

グループ・ネクサス・ジャパンで紹介されていたということは、悪性リンパ腫にも適応があるということだ。

これまで、新しい治療法が注目されたことは何度もあるが、臓器ガンと血液のがんでは、その重なるものは「抗がん剤」ぐらいで、あとは違っていた。

がんの部位を切除する臓器ガンと、全身を回る血液に対する治療との違いがあるからだ。

さすれば、今回のWT1ペプチドを用いた免疫療法は、広く「がん」患者の対象となる注目すべき治療法と言える。

血液のがんに臨床試験

WT1ペプチドによる治療は、大仰に言えば、現時点でもっとも期待されているがん治療と言っていいかもしれない。

会のメーリングリストによると、同臨床試験は、「所定の要件を満たす、悪性固形腫瘍、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、または急性白血病の患者さんを対象として、岩手県、埼玉県、東京都、石川県、大阪府、高知県で行われる。

実施責任組織は、大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学講座である。

参加できる基準は、

・標準的治療法では有効性が期待できない

・WT1遺伝子が発現されていることが最低1回は証明されている

・HLA型がHLA-A*2402であること

などいくつかある。

利益やリスクが明らかでない試験段階のものだが、新しい治療の恩恵を一足早く体験できる機会でもある。

担当医と相談して、参加されるかどうか判断すると良いだろう。

・WT1ペプチドを用いた悪性固形腫瘍に対する免疫療法の第1/2I相臨床試験(UMIN-CTR)(医療関係者向け)

https://center.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000002437&language=J

・WT1ペプチドを用いたガンの免疫療法(大阪大学大学院医学系研究科癌ワクチン療法学講座)

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大阪大学のサイトに、WT1ペプチドを用いた免疫療法に言及した頁があるので、そちらも見ていこう。

WT1タンパクはガン・がん細胞の発生に関与

大阪大学のページには、『WT1ペプチドを用いたガン免疫療法の臨床試験・医師主導治験』というページが有る。

WT1ペプチドを用いたガンの免疫療法の臨床試験・医師主導治験
大阪大学 WT1ペプチドを用いたガンの免疫療法の臨床試験・医師主導治験のホームページです。WT1を標的としたがんペプチドワクチン療法の計画と成果のご案内しています。

そこには、「WT1というタンパクがさまざまな種類のがん細胞や、白血病細胞などにたくさんあるが正常な細胞には無く、癌の発生に関与していることを明らかにしてきました。」と書かれている。

さすれば、がん細胞や白血病細胞にたくさんあるWT1タンパクを目印としてこれを攻撃するようにすれば、がん細胞や白血病細胞だけをやっつける新たな治療法を開発することができるのではないかと考え、「WT1タンパクを標的としたがんの免疫療法」の研究を開始した、というわけである。

WT1タンパクについても引用しよう。

WT1タンパクは、449個のアミノ酸からなるタンパクです。私たちはWT1タンパクの一部分(9個のアミノ酸-WT1ペプチド)が癌細胞の表面にあるHLAという分子に結合して存在し、これががん細胞の目印となることを証明しました。さらにこのWT1ペプチドを使ってからだの免疫という仕組みを活性化すると白血病や癌細胞をやっつけることができることを動物実験で証明しました。

これらの研究成果をもとに2000年12月から2002年12月まで大阪大学医学部附属病院で、白血病、乳癌および肺癌の患者さんにWT1ペプチドを投与する第I相臨床試験を開始しました。その結果WT1ペプチドを用いた免疫療法は多くの患者さんには安全に投与できること、また抗癌効果を期待できることが明らかになりました。それを受けて2004年2月から多くの種類の癌の患者さんを対象に、より抗癌効果が高いと考えられる投与方法で行う第I/II相臨床試験を開始し、脳腫瘍、急性骨髄性白血病、膵癌、肉腫、胸腺癌、肺癌、卵巣癌など多くの癌種に対し有効であることを示してきました。

2018年4月施行の新臨床試験法案の施行に伴い、現在はすべての介入臨床試験を終了し、現在は検体解析等の非介入試験のみが継続しております。2020年度以降に新たに医師主導治験としてのWT1を標的としたがんペプチドワクチン療法の実施を計画しております。

とのことである。

んペプチドワクチン療法の説明動画である。


2022年時点では、また新しい情報は入っていないが、まあ1日もはやく実現を求めたいものである。

以上、WT1ペプチドを用いたガン免疫療法の臨床試験・医師主導治験についてご存知だろうか。皮膚の樹状細胞活性化でがんへの攻撃力を高める、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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