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『なにはなくとも全員集合!!』はザ・ドリフターズの『○○全員集合!!』シリーズの第1作なのにDVD化されていない件

『なにはなくとも全員集合!!』(1967年、松竹)が、BS11で放送されていました。ザ・ドリフターズの『○○全員集合!!』シリーズ(全16作、松竹)の記念すべき第1作ですが、DVD化されていないためマニアにとっては待望のテレビ放送だったのです。

ザ・ドリフターズの『○○全員集合!!』シリーズは、タイトルでおわかりのように、おばけ番組といわれたテレビの『8時だョ!全員集合』(1969年スタート)は、シリーズのヒットが契機となった番組名です。

もともと『全員集合』とは、バンドのコントで、うまくいかなかったとき、いかりや長介が『全員集合』と言って、メンバーが寄ってくる、という『ネタ』が始まりだったとか。

それはともかくとして、『なにはなくとも全員集合!!』第1作ということもあり、主役はザ・ドリフターズではなく三木のり平です。

その敵役として、ザ・ドリフターズのいかりや長介が出演しています。

もちろん、他のメンバーもそれぞれキャスティングされています。

オープニングの出演者表示では、最初が三木のり平と中尾ミエ、ザ・ドリフターズは2番目に表示されています。

ストーリーは草津が舞台。

かつて本当にあった、東急トランセと西武バスの路線開発競争を思わせる設定になっています。

具体的には、草津観光鉄道・草津駅の駅長が三木のり平、部下が加藤茶、仲本工事、福岡正剛、三木のり平の妻が丹阿弥谷津子、娘が中尾ミエ、息子が高塚徹です。

対する西武バス草津営業所長が、いかりや長介、妻が若水ヤエ子、部下が荒井注、古今亭志ん朝、いかりや長介サイドにまわった旅館の番頭が高木ブーです。

この対立に、ロミオとジュリエットの構成が加わります。

中尾ミエと古今亭志ん朝が、恋仲になってしまうのです。

社長シリーズや喜劇駅前シリーズでは、コミカルな台詞や動きで、ストーリーを引っ掻き回す狂言回し役の三木のり平ですが、今回は主役ということもあり、オーソドックスというか、悩める父親、悩める駅長役に徹しています。

三木のり平は、フランキー堺の旅行シリーズにも出演。

たとえば、『喜劇怪談旅行』では森田健作の父親役で出ているのですが、こちらも細かいことはしていません。

朝食に納豆ご飯を食べているシーンがおいしそうだったので、私もしばらく納豆ご飯の朝食を採り入れていました。

ザ・ドリフターズとクレージーキャッツ

『なにはなくとも全員集合!!』は、ザ・ドリフターズお得意のグループコントがないので、ドリフらしさという点では物足りないかもしれません。

東宝でもドリフ映画は6作あり合計22作の中には、グループコントがあるものとないものがあるのですが、『なにはなくとも全員集合!!』は第1作目なので、冒険をしなかったのかもしれません。

ザ・ドリフターズは、いかりや長介を中心としながらも、全員にそれなりに出番があるのが、クレージー映画との違いです。

クレージーキャッツは7人で大所帯ということがあったのかもしれませんが、植木等をとにかく前面に出して、そこから2歩ぐらい離れて谷啓とハナ肇がいて、犬塚弘の第四の男に桜井センリが猛追して、あとの2人がちょっとおいてきぼり状態になっちゃいました。

でも彼らが仕事ができなかったかというと、そんなことはありません。

石橋エータローなども少ない登場場面でしっかり仕事はしていたと思います。

植木等を売るということに懸命になりすぎて、他のメンバーの売出しがその分チャンスが少なかったのでしょう。

クレージーキャッツが60年代にあれだけ活躍しながら70年代に息切れしてしまったのは、時代のせいもあるでしょうが、そうした格差がついてたたため、植木等がくたびれたらそれっきりというところがありました。

一方のザ・ドリフターズは、加藤茶がくたびれたら志村けんが出てきたように、みんなで盛り上げているところがあったので、映画の本数はクレージーキャッツのほうが多いのですが、テレビにきてからはザ・ドリフターズのほうが実働期間は長かったように思います。

以上、『なにはなくとも全員集合!!』はザ・ドリフターズの『○○全員集合!!』シリーズの第1作なのにDVD化されていない件、でした。


なにはなくとも全員集合!! [VHS]

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