幼稚園の先生が、あからさまに「1才児はイヤだ」というので。問題をクリアにするために血液型性格判断を使っているという週刊誌報道が『血液型性格判断の虚実』(かもがわ出版)紹介されています。時代は昭和から平成に変わったばかりです。昔日の話ですが、まさか今も採用してはいないでしょうね。
ある週刊誌報道
『血液型性格判断の虚実』(かもがわ出版)の中身を振り返っています。
血液型性格判断には困ったものです。
血液型による性格診断に科学的根拠はありません。
にもかかわらず、人格形成の途上にある保育園で、血液型を持ち込んだカリキュラムがあると報じられたこともあります。
「埼玉県行田市の太井保育園では、うさぎ(A型)、ラッコ(O型)、コアラ(B、AB型)の保育室に分けて、平均台、積み木、紙芝居など、別メニューの保育を行っているといいます。吉田紀子園長はその採用についてこう説明しています。「違った年齢の子供同士の交流をとり入れたタテワリ保育を進める過程でクラス分けをどうするか、たとえば保母さんにしても、私は可愛い子をとるとか一才児はイヤだとか、いろいろな問題があるわけなんです。」(『女性自身』1990年5月8.15日号)。
それをクリアにするために血液型を使っているというのですが、それにしてもこの「問題」点、考えさせられますね。
まず、「1才児はイヤだ」などとあからさまに言う保母は、資格を返上して廃業すべきではないでしょうか。
偏差値50以下の生徒は教えたくないという教師、病気のある人は入院させたくないという医師や看護師。
もし、そういう人がいたらどう思いますか。
あんたら、自分の職業わかってる?
そういいたくなりませんか。
この保母の言い草がそれにあたるものでしょう。
そして、そうした事実を園長も平然と口にできるということ自体、クラス分け以前にその保母の資質や園の体質に私は大いなる疑問が湧いて来ます。
埼玉県行田市の太井保育園は、今もこんなことをやっているのでしょうか。
保護者も反対はしていないという
もっともこのクラス分けについては、「父母の方にも、こうした園児の性格に合わせた保育は評判が悪くありません」(吉田久七理事長『週刊朝日』1990年12月14日)と言う声もあります。
子供の数が減りつつある少子化時代、無抽選で公立幼稚園にも入園できることもあるといいます。
子供の父母がわざわざこの幼稚園を選ぶところからすると、まんざら園に対するおべんちゃらや強がりとも言えません。
自分のビジョンを自ら打ち立てることなく、また子供の可能性を自らの眼力で見ることもサボり、ひたすら血液型別の「子育て」に委ねる親がいるのかと思うとゾッとしますね。
きっと毒親になるんでしょうね。
こうした「保育」は、すでにこの当時、血液型別保育をすすめる書物などが巷間に多数出回っていたことの証明といえますが、区別保育による具体的な「教育的成果」は、園側からも親の側からも明快な回答が出てきません。
以上、幼稚園の先生が「1才児はイヤだ」というので血液型性格判断を使ったという週刊誌報道が『血液型性格判断の虚実』(かもがわ出版)に紹介、でした。
キャッチ画像
Photo by LOGAN WEAVER on Unsplash
コメント