緑茶の「リラックス効果」について

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緑茶のリラックス効果

緑茶の健康効果(への期待)については、これまでも何度かこのサイトで記事にしてきた。今回は、○○病にいいという治療的効果ではなく、リラックス効果があるという報道を取り上げてみたい。

昨今の夕刊紙は文化欄も力を入れているが、そのひとつ、『東京スポーツ』(2009年6月5日付)は、「ストレス克服の秘薬、お茶でアルファ波アップ」などという大仰なタイトルで、緑茶にストレス軽減効果があるとする記事を掲載している。

「日本茶にはカフェインが含まれ、夜飲むと眠れないともいわれる。しかし、飲むとホッとするのも確かなことです。そこで、カフェインとは違う作用をする物質が働いているのではないかと研究されてきたのが、テアニンと呼ばれる物質です」

こう語るのは、お茶のリラックス効果に関する研究の第一人者である静岡県立大学の横越英彦教授(食品栄養学)だ。

テアニンは緑茶に含まれるアミノ酸の一種で、こうしたリラックス効果のほか、うまみを作っている成分といわれる。アミノ酸研究が専門の横越教授によれば、「お茶が含むアミノ酸の半分ぐらいはテアニン。しかも玉露や高級煎茶ほど含有量が多い。だから、こうしたお茶がおいしいということになるのでしょう」という。(中略)

また、最新の研究成果によって、緑茶にも含まれるGABA(ギャバ・γ-アミノ酪酸)成分の働きでも同じようなリラクセーション、脳波安定作用が生まれることが分かっている。

横越英彦教授らの実験では、20代、30代の男女22人を対象に、平常時と満員電車に乗っている時の唾液の一部を採取し、その中に含まれるストレス物質(クロモグラニンA)の量を比較した。その結果、GABAlOOミリグラムを乗車30分前に飲んだ群は、飲まなかった群に比べるとストレス物質の量が半分以下だったという。こうしたことから、緑茶にはリラックス感の向上やイライラ解消、疲労軽減、睡眠改善効果といった忙しい現代人にはうれしい作用があることが明らかになってきた。


ちなみに、これまでの緑茶に関する記事は以下のものがある。

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緑茶のストレス軽減効果は、最近よくいわれる。ここに書かれている「20代、30代の男女22人」の試験だけでは、質量共にそれを定説とするだけのものとは思えないが、「緑茶を飲む」ことは「温泉に入る」のと同じような効果が期待できるのではないだろうか。

今のところ、医師や医学者などがみる温泉の最大の効果は、「転地療養」といわれている。

つまり、環境をかえてゆっくりお湯に浸かることで、体調を整えて精神的にリラックスできるという点だ。

温泉は、湯そのものが「○○に効く」といわれるが、そこに科学的根拠はない。温泉学会もそれははっきり認めている。

緑茶にしても同じで、お茶を飲むシチュエーションそれ自体が、人をリラックスさせる環境になっているとはいえないだろうか。

マラソンの途中で水分を補給するが、そんなときに玉露は出さないだろう。すわって、考えごとをしたり雑談したりするときに飲むのが通常の飲み方だ。ゆったりした気分で味わうものということだ。

つまり、緑茶そのものの効能以前に、飲み方に「リラックス効果」の根拠があるということだ。

もちろん、緑茶そのものにそうした効能など絶対にない、とするつもりはない。ただそれは、引き続き調べる必要があるように思う。

いずれにしても、好きだから適度に飲むというのならともかく、まだ定まっていない効能をアテにして飲み過ぎることはいずれにしてもオススメできない。

逆にカフェインやカテキンの摂りすぎによる弊害もすでに述べたとおりだ。

健康効果を喜びつつも、効果を狙った過剰な飲用は避け、純粋に緑茶のおいしさを楽しみたいものである。

健康によいとされる食材やサプリメントについては、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しい。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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