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『おれは男だ!』は吉川操(早瀬久美)よりも丹下竜子(小川ひろみ)の方が良かったという意見が多数である理由を考える

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『おれは男だ!』は吉川操(早瀬久美)よりも丹下竜子(小川ひろみ)の方が良かったという意見が多数である理由を考える

『おれは男だ!』(1971年2月21日~1972年2月13日、松竹/NTV)の話です。ヒロインの吉川操(早瀬久美)よりも、小林弘二(森田健作)の剣道のライバルであった丹下竜子(小川ひろみ)の方が良かったという意見が多数の理由を考えてみました。

吉川操があまりにもツンデレすぎた

『おれは男だ!』は、「女と男のユーモア学園」というキャッチコピーで、思春期の男女の心を鷲掴みにした青春学園ドラマです。

もう半世紀近く前のドラマなのに、いまだにFacebookの昭和関連のページでは投稿があり、またコメントもたくさんついて盛り上がります。

いかに、『おれは男だ!』が人気ドラマだったかということがわかります。

その中で、小林弘二(森田健作)の相手は、すなわちヒロインは、当時松竹の若手有望株であった吉川操を演じる早瀬久美だったわけですが、小林弘二の剣道のライバルであった丹下竜子(小川ひろみ)の方が良かったという意見をよく聞きます。

これは、どうしてでしょう。

やはり、その理由の一つは、吉川操(早瀬久美)があまりにもツンデレすぎたことでしょうね。

いつもけんか腰で、威張っている。

才色兼備のはずなのに、バトン部は一枚岩ではないんですよね。

バトン部すら束ねることができないのに、ウーマンリヴとは笑わせる、なーんて反発もしたくなってしまいます。

あ、これは感情移入しすぎて、自分も青葉学園剣道部の一員になってしまってますね(笑)

一方の丹下竜子(小川ひろみ)は、剣道の試合は真剣ですが、面をとったら、あとはざっくばらんにお付き合い。

「今度の試合は負けないわよ」と言いながら、ニコニコ笑って恋人同士のような2人の会話は、ドラマとは言え羨ましいと思ったものです。

ああ、こういう異性のいる高校生活はいいなあって。

思春期にあのドラマを見た人はみんなハマるんでしょうね。

剣道の試合の声出しにエロチシズム

それと、これは見る側は意識せず、制作する側もどのくらい意図しているかはわかりませんが、あの剣道の試合も、今考えてみるとエロチシズムを感じます。

私は剣道は、よく分かりませんよ。

わかりませんが、ひとつ気がつくのは、あの掛け声ですね。

あれは必須なんでしょうか?

いずれにしても、あの剣道の声出しがひとつのポイントだとおもいます。

『おれは男だ!』で、小林弘二(森田健作)と丹下竜子(小川ひろみ)が試合をしているとき、剣道の試合なのか、声出しの競い合いなのかわからないほど声を出し合ってました。

設定では、丹下竜子が森田健作を好きなことになっていたので、オットセイじゃないですが、求愛の叫びのように聞こえてきます。

あれも、丹下竜子(小川ひろみ)に対する思いが高まるボディーブローのようなものでしたね。

丹下竜子の「女性」ぶりが切なく表現されていた

結末を書いてしまうと、吉川操(早瀬久美)も丹下竜子(小川ひろみ)も、小林弘二とは結ばれることはありませんでした。

ただ、どちらかというと、丹下くんの方に、女としての葛藤や切なさが描かれました。

丹下くんは、小林弘二を、単なる剣道仲間の友だちとしてではなく、彼氏として意識して、振り向かせようと思ったのですが、なかなか振り向いてくれません。

小林弘二は、吉川操が好きだったからです。

その一方で、丹下くんを好きな片桐くん、あ、いやいや、剛たつひとさん演じる平井強くんもいて、丹下くんの気持ちは揺れ動いているわけです。

そこで、自分の気持ちを吹っ切るために、吉川操の見ているところで、小林弘二に剣道で対決を申し入れます。

丹下くんは、「(吉川操を)好きだと言いなさい」と言いながら、小林弘二を攻め立てます。

いつもだったら互角なのに、この日の小林弘二はもう、丹下くんの勢いに負けてタジタジ。

ついに「好きだー」と叫ぶと、丹下くんは攻撃をやめて、泣きながらその場を去ります。

吉川操は、一部始終を見ていました。でも「私も好き」とは言いません(笑)

以来、丹下竜子は出演しないのですが、その間、髪を伸ばしました。

というか、ショートヘアのほうがカツラで、小川ひろみさんはもともとロングヘアなんだと思いますが。

ロングヘアになったのは、剣道の引退とともに、小林弘二への惜別という意味も含まれていたのだと思います。

そして、本当の惜別もやってきます。

卒業間近なのに、丹下竜子は離れ島の男性のところにお嫁に行くというのです。

もうちょっとで卒業なんだから、卒業してからでいいじゃないかと常識的には思います。

しかし、彼女にとっては、剣道を引退し、小林弘二にフラれたことで、自分の高校生活は事実上終わった。

卒業証書の有無など問題ではない、ということなんだと解釈しました。

『おれは男だ!』は、生徒会長も、成績優秀なのに家庭の事情で中退するし、剣道部員が女の子と暮らしたいからと学校を休学して働いたりと、惰性で進級・卒業はしません。

それは、高校をいい加減に考えているからではなく、むしろ「生きがいのない高校生活であってはならない」という高い理想の現れではないかと思います。

そういう意味では、丹下竜子の、高校生らしい清潔で、でも切ない、真剣な小林弘二への思いが、いつまでもツンデレをやめられない吉川操なんかよりも、ずっと感情移入したくなる対象だったのではないでしょうか。

『おれは男だ!』については、こちらの記事もご覧ください。

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2021年2月21日で、何と、初放送以来50周年を迎えたので、改めてストーリーを振り返っています。

以上、『おれは男だ!』は吉川操(早瀬久美)よりも丹下竜子(小川ひろみ)の方が良かったという意見が多数である理由を考える、でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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