
大規模災害時に首都の代替機能を担う「副首都」の指定要件が公表され、副首都となる要件を満たした4道府県が指定される可能性があると報じられました。その一方で、人口規模で要件を満たさないことが明らかになった広島県は、知事が国に要件設定の理由などを質すそうです。
政府は、大規模災害時に東京の機能を代替する副首都を設けるため、内閣官房の政令案を通じて具体的な要件を提示しました。
新体制の候補地には、東京圏との同時被災を回避する条件が課せられ、富士山の火山災害警戒地域や首都直下地震の区域から外れることが求められています。
さらに、主要な地方自治体として人口150万人以上の指定都市を有し、国家機関の半数以上が集積している点や、国内平均を超える経済力を持つことも必須条件です。
現時点でこれらの基準を満たしているのは、北海道、愛知県、大阪府、福岡県の4つの道府県であり、指定都市と協力して計画を策定すれば公式に申請が可能となります。
今後は一般からの意見公募を経て、月内にも政令の公布と基本方針の策定が行われる予定とのことです。
一方、人口規模で要件を満たさないことが明らかになった広島県は、横田知事が国に要件設定の理由などを質す方針だといいます。
日本で人口が100万人以上の都道府県は、鳥取県・島根県・高知県・徳島県・佐賀県・山梨県・福井県などを除く大半の都府県(計36都道府県)が該当しますから、「広島がそうくるんならウチも立候補しない」と、県民へのメンツが、と考える知事も大勢出てくるのではないでしょうか。
しかし、副首都構想を巡る各県のアピールが、結果として都市や都道府県の「序列化(格付け)」として受け止められてしまう懸念もある、というのが今回の話です。
なぜなら、政府の政令案に盛り込まれた「全国人口の1.2%以上の都市(約150万人規模)」や「GDP比2.1%以上の経済規模」といった副首都の数値基準は、本来の目的であるはずの「危機管理・リスク分散」とは別の文脈といわざるを得ないからです。
地域間での投資獲得競争へ
【副首都となる要件 4道府県満たす】
https://t.co/W2IX2oSZnJ— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 2, 2026
広島県 「副首都」適性訴え 政府に説明要請へ https://t.co/Qo11cgaUKN
https://t.co/Qo11cgaUKN— NHK広島放送局 (@nhk_hiroshima) October 4, 2026
こうした構想が「格付け」を懸念せざるを得ない要因には、主に以下の点が挙げられます。
数値基準による「足切り」の印象
大規模災害時の代替機能であれば、「地盤の安定性」「東京・南海トラフとの同時被災リスクの低さ」「交通アクセスの冗長性」などが第一義的なはずです。
しかし、既存の人口規模や経済規模を門前払いの要件に据えることで、「150万人以上を抱える大都市圏=選ばれし中枢」「それに満たない地域=二番手・周辺部」という序列の線引きに見えてしまいます。
国家プロジェクトに伴う財政・権限の争奪
副首都や中枢拠点に指定されれば、インフラ整備予算や国の出先機関、企業のバックアップ機能が集約される期待が高まります。
地域間での投資獲得競争の側面を帯びるため、「指定されるか否か」が、自治体の勢力図や格付けの指標として消費されてしまいます。
道州制論議との結びつき
「将来的な州都・ブロック中枢はどこか」という地方再編の主導権争いと重なるため、札仙広福(札幌・仙台・広島・福岡)などのブロック代表都市の間でも、「どこが脱落したか」というゴシップ的な格付け意識を呼び起こしやすくなります。
本来は「首都圏が壊滅的打撃を受けた際に、いかに国家機能を止めないか」という純粋な防災・BCP(業務継続計画)の議論であるべきものが、人口や経済規模という分かりやすい指標で足切りを行った結果、地域間のプライドや序列を競い合わせる政治的な「格付けレース」になりつつあります。
過疎問題が一層深刻になる懸念
報道によれば、副首都を決めるためには、「一般からの意見」も聞くそうですが、こうした流れは結局、自治体の対立・分断、そして地域住民、つまり国民の対立につながっていくように思います。
「ああ、〇〇県出身なの? 自分は副首都の〇〇県なんだけどね」
なんて感じで。口には出さなくても内心で。
日本人は、格付けが好きだからね。
「この人は、どこの大学出たか」が気になって仕方ない国民だから(笑)
2025年の国勢調査において、日本の総人口が前回(2020年)より約310万人減少する中、東京圏(1都3県)の人口シェアは初めて全体の3割(30.1%)を超えました。(GoogleAIより)
「一極集中」は加速がついている状態です。
そこに副首都が出来ることで、「集中」の受け皿が増えるだけで、過疎問題はいっそう深刻になるのではないか。
私はそう心配しているのです。
みなさんは、いかが思われますか。この副首都問題。

副首都法は場所を決めていない: 副首都法の条文と国会会議録から指定と施行の手順をやさしく読みほどく (ニュースのことば) – 城戸 直哉

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