「納豆や豆腐は毎日食べるべき?」大豆イソフラボンの意外なリスクと「3割の真実」実は見落とされがちな落とし穴も

「「納豆や豆腐は毎日食べるべき?」大豆イソフラボンの意外なリスクと「3割の真実」実は見落とされがちな落とし穴も

「健康維持のために、毎日欠かさず納豆や豆腐、豆乳を摂っている」という方も多いのではないでしょうか。大豆食品といえば、体に良い「健康食」の代表格として広く親しまれています。

しかし、大豆に含まれる成分が女性ホルモンや甲状腺、乳がんのリスクとどのように関連しているかについて、正しく理解できているでしょうか。「体に良いものだから、食べれば食べるほど健康になる」という盲信には、実は見落とされがちな落とし穴が存在します。

本記事では、石黒成治医師の動画をもとに、最新の研究知見や科学的データに基づき、大豆との正しい付き合い方を分かりやすく整理して解説します。忙しい方でもポイントをスムーズに把握できるよう要点を整理しました。

植物エストロゲンは「諸刃の剣」である

今日の情報源は、石黒成治医師です。

大豆に豊富に含まれる「大豆イソフラボン」は、体内の女性ホルモン(エストロゲン)と非常に良く似た構造を持っています。

この類似性から、閉経後の女性における諸症状の緩和や、男性の前立腺がん予防に対する期待から研究が進められてきました。疫学研究においても、大豆食品の摂取量が多いと乳がんの発症率が低下する傾向や、亜麻仁やゴマに含まれるリグナン同様に閉経後の乳がんリスクを下げる可能性が示されています。

しかしその一方で、イソフラボンの高用量・過剰な摂取には明確な疑問やリスクが指摘されています。動物実験では、高用量のエストロゲン様作用によって乳腺腫瘍が発生したり、体内のヨードが低下している状況下で甲状腺腫瘍ができやすくなったりするというデータが存在します。

さらに2017年の研究論文においても、植物エストロゲンには潜在的な健康への悪影響(リスク)が存在することが示されており、「植物エストロゲンは健康に有益な影響だけを与えるとは言えず、明確に安全とは言い切れない」と結論付けられています。

「エストロゲンが体に良いというデータがあると思い込んでいるのは、諸刃の剣である」

大豆イソフラボンは、単に「体に良いもの」として無制限に摂取して良い成分ではないという点を認識しておく必要があります。

恩恵を受けられるのは「わずか3〜4割」? 腸内細菌とエクオールの真実

大豆イソフラボンが体に及ぼす作用を理解する上で欠かせないのが、体内での代謝プロセスと圧倒的な個人差です。

  • 大豆イソフラボン(ダイゼイン) → 腸内細菌による代謝 → エクオール産生(※代謝可能な人は全体の3〜4割)

イソフラボンに含まれる成分(ダイゼイン)は、腸内細菌によって代謝されることで「エクオール」という物質に変化します。このエクオールこそが、乳がん発生の予防効果などをもたらす有効な代謝産物として注目されています。

しかし、ここに大きな落とし穴が存在します。イソフラボンからエクオールを代謝・生成できる腸内細菌を持っている人は、全体のわずか「3〜4割程度」しか存在しないとされているのです。

つまり、ある人にとっては有益な作用をもたらす大豆であっても、別の人にとってはまったく効果を発揮しない(あるいは予期せぬ悪影響に繋がる)可能性があります。体質や腸内環境によって、大豆から受け取れる恩恵には決定的な違いがあります。

生活環境の中にある「隠れたエストロゲン」との複合リスク

大豆イソフラボンの影響度を大きく左右するもう一つの要因が、日常生活における外部環境からの影響(内分泌攪乱物質)です。

私たちは日々の生活のなかで、以下のような製品を通じて「エストロゲン様物質(環境ホルモン)」に日常的に曝露・摂取しています。

  • 化粧品
  • シャンプー
  • プラスチック製品・容器

こうした環境ホルモンを多く体内に取り込んでいる人が、さらに大豆イソフラボンを大量に摂取した場合、体内のエストロゲン様作用が過剰となり、乳がんリスクやホルモン異常のリスクが高まる懸念があります。

一方で、外部からの環境ホルモンの影響を受けにくい生活をしている人であれば、大豆の摂取が良い効果として現れる場合もあります。このように、置かれている生活環境や体質によって、大豆が体に与える影響の度合いはまったく異なるのです。

日本人はすでに十分摂っている?「毎日大量摂取」を見直す

「大豆のリスク」と聞くと、「納豆や豆腐を一切食べてはいけないのか」「甲状腺や乳がんが心配なら完全に避けるべきか」といった極端な思考に陥りがちですが、決してそうではありません。

日本の伝統的な食生活(ご飯と味噌汁など)を送っているだけで、日本人は1日あたり約25〜50mgの大豆イソフラボンを自然に摂取しています。日常的な食事からすでに十分な量を確保できているのです。

したがって、大豆を「絶対悪」として極端に排除する必要はありませんが、体に良いからといって「毎日大量に納豆や豆腐を食べ続ける」ような摂り方をする必要もないと言えます。

「決して毎日大量にとるような食品ではないということを、まずしっかり理解してもらいたい」

体に良いというイメージだけで漫然と無制限に食べるのではなく、適量を意識することが何よりも大切です。

大豆由来食品による膵臓がんのリスク報告

国立がん研究センターの多目的コホート(JPHC)研究によると、総大豆食品や非発酵性大豆食品(豆腐など)の摂取量が多いグループほど、膵臓がんの罹患リスクが統計的に高くなる傾向(最多群で最少群の1.48倍)が報告されています。

一方、納豆や味噌などの、発酵性大豆食品では有意な関連は認められていません。

この数字だけ見ると、「えー、豆腐1/3丁でも膵臓がんになっちゃうの」と不安になりますが、この多目的コホート研究(JPHC研究)は、対象者の「日頃の食習慣」をアンケートで調査し、その後平均で約17年間という長期にわたって追跡したものです。

そのため、「数週間から数ヶ月、豆腐を多く食べたからといって、すぐにリスクが跳ね上がる」というような短期的なものではありません。

長年の生活習慣として、何年、何十年と「毎日100g以上食べ続ける習慣」が定着している場合に、最終的な生涯の罹患リスクに差が出てくる、と捉えるのが正確です。

調整するなら非発酵食品か

私は、納豆1パック半と味噌汁は常食であるのに加えて、最近は厚揚げにハマっているのですが、それだけでも、わずかに基準を超えてしまうのです。

結構厳しいですよね。

どうして1パック半かというと、粒納豆とひきわり納豆では栄養成分が違うため、2:1の割合でいただいています。

まあどれをやめるかといったら、やはり「非発酵」の厚揚げの方でしょうね。

きなこをかけた餅や和菓子をいただくこともあるので、それも調整しなければならないかな。

「いや、自分は高齢だからそんなの気にしないよ」と言われる方もおられるかもしれませんが、この研究で言う「膵臓がん」とは、発がん性なのか、それともがんを進行させるものなのかまではわからないので、後者なら高齢の方も気にされたほうがいいかもしれません。

みなさんは、基準内でおさめられていますか。

クロワッサン特別編集 女性のカラダを守る大豆発酵食健康法。 (マガジンハウスムック) - マガジンハウス
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