「病院は大げさだから、とりあえずサプリを飲んでおけば安心」。そんな考えで毎日マルチビタミンを欠かさない方は少なくないでしょう。

「病院は大げさだから、とりあえずサプリを飲んでおけば安心」。そんな考えで毎日マルチビタミンを欠かさない方は少なくないでしょう。

「病院は大げさだから、とりあえずサプリを飲んでおけば安心」。そんな考えで毎日マルチビタミンを欠かさない方は少なくないでしょう。しかし、最新の大規模研究は、この“なんとなく健康”信仰に大きな疑問符を投げかけています。

日本人は世界でも類を見ないほどの「ビタミン好き」といわれ、病気予防以外でも、美容のために毎日マルチビタミンやサプリメントを欠かさず摂取している方は多いでしょう。しかし、その「良かれと思って」続けている習慣が、実は寿命を縮めているかもしれないとしたらどうでしょうか。

マルチビタミンで死亡率4%増加?

詳しいデータは、南雲吉則医師が解説されています。


2024年、医学誌『JAMA Network Open』に衝撃的な論文が発表されました。

米国国立がん研究所(NCI)が約39万人の健康な成人を20年以上追跡したこの研究では、マルチビタミンを毎日摂取しても寿命は延びず、むしろすべての死因による死亡率が約4%高いという結果が示されたのです。

これは、「サプリを飲めば健康になる」という常識を覆すデータです。

研究対象者は慢性疾患のない健康な成人に限定されており、健康的な生活習慣を持つ層がマルチビタミンを摂取する傾向を考慮した調整も行われました。

それでもなお、死亡リスク低下効果は認められませんでした。

なぜ「体に良いサプリ」が逆効果になるのか

健康目的のサプリメントが、どうして逆の結果になってしまうのでしょうか。

過剰摂取のリスク
ビタミンは、体の調子を整える潤滑油のような働きをし、エネルギーにはならないものの、生体の代謝に必須の微量栄養素です。

したがって、不足すれば問題ですが、過剰に摂っても体に悪影響を及ぼします。

脂溶性ビタミン(A・D・E・K) は肝臓や脂肪組織に蓄積されやすく、過剰症を引き起こすリスクが高いことが知られています。

ビタミンAの過剰摂取は、頭痛、吐き気、肝障害、そして妊娠初期の胎児への悪影響を引き起こします。

通常の食事だけで過剰症になることは稀ですが、サプリメントの利用やレバーの極端な多食には注意が必要です。

ビタミンDについては、日本人の98%が欠乏している、処方薬よりサプリメントのほうが効果があるという記事を以前ご紹介したことがあります。

「保険のビタミンDではがんを防げない?」処方されるビタミンDではなくサプリメントのビタミンDを摂るべきという衝撃の真実
「美白のために紫外線を徹底的に避ける」「健康のために、病院で処方されたビタミン剤を飲む」。こうした日本の「健康常識」が、実はがんのリスクを左右しているとしたらどうでしょうか。

ですから、ビタミンDのサプリメント摂取は否定すべきものではないと思います。

適正量についても、説は定まっていません。

ただ、1日1錠とされているのに5錠以上飲むような明らかな過剰摂取は、高カルシウム血症を引き起こし、腎機能障害や意識障害に至るリスクが有るといわれています。

ビタミンEも健康には必要ですが、大量摂取で出血傾向を招く可能性があります。

一方、ビタミンCやB群は、水溶性のため尿中に排泄されやすく比較的安全です。

しかし、これも極端な摂取による胃腸症状や腎結石のリスクなどが報告されています。

Cを3g以上摂ると、下痢、吐き気、腹痛がおこることがあります。

B群の大量摂取を続けると、手足のしびれや感覚のまひ(感覚性ニューロパチー)がおこるおそれがあるといいます。

「健康の錯覚」という落とし穴
マルチビタミンを飲んでいることで、「これで健康は大丈夫」と思い込み、食事や運動といった本質的な生活習慣が疎かになるリスクも指摘されています。

“健康の錯覚”が、かえって健康を損ねるという皮肉な話です。

本当にサプリが必要な人は?
とはいえ、サプリメントが完全に無用というわけではありません。

本来の目的である栄養補助として、適量を使うことはメリットがあります。

– 胃の手術後や消化器疾患で栄養吸収が困難な人
– 妊娠中・授乳中の女性
– 食事量が限られている高齢者
– 2型糖尿病リスクの高い人へのビタミンD補充
– 75歳以上の高齢者へのビタミンD摂取

もとより、すべてのサプリが無効というわけでもありません。

研究では、マルチビタミンが高齢者の認知機能の老化を遅らせる可能性も示されています。

また、認知症予防に関する複数の研究でも、一定の効果が報告されています。

私は尿酸値が高いため、マルチではありませんが、ビタミンCを単独で使っています。

尿酸の産生を下げるには、ビタミンCやタウリンの血中濃度を上げるといいと言われているからです。

ただし、そうしたポジティブな効果があるからといって、ただちに「寿命を延ばす」や「病気を治す」といった大きな期待をするものではないと思っています。

そういう期待が、過剰摂取につながってしまうのだと思います。

賢い選択とは?

現在の科学的知見から言えることは、

1.健康な成人がマルチビタミンを毎日摂取しても寿命は延びない
2.とくに脂溶性ビタミンは過剰摂取によるリスクがある
3.サプリは「補助」として使う
4.まずは食事の質を見直すことが最も効果的

健康の基本は、多様な食品をバランスよく摂る食生活と、あとは適切な運動だと思います。

みなさんは、常用されているサプリメントはありますか。

参考:
中野駅前内科クリニックブログ、
医療ナビ、
DIAMOND online、Forbes JAPAN、
糖尿病ネットワーク、
厚生労働省eJIM、
大竹病院ブログ

【新版】サプリメントの正体 - 田村 忠司
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